2023年7月31日月曜日

回転窓/ホンネが聞けるために

 米国人ジャーナリストのジョン・ガンサー(1901~70年)は、インタビューの名手として知られた。どのように人を取材したのか興味は尽きないが、自著の中で質問リストが公開されているという▼その内容は趣味や仕事のやり方、あだ名、部下に対する態度、飲食物の好みなどさまざま。直接のテーマでなくてもこれらのいくつかの個人的なことを聞ければ、より内容の濃い取材となるのは想像に難くない▼この話は小欄が新人時代に読んだ1990年発行の書籍『取材術』(片山修著、PHP研究所)から引いた。久しぶりに本を開くと、当時の新米記者が気になった箇所なのだろう、いくつものページの角が折られている▼一つは〈雑談を通じて個人的側面を知る〉と見出しの付いたページ。ここにガンサーのことが書かれている。取材者に限らず、ビジネスシーンなどでも雑談がいかに大切かは多くの方が知っておられよう▼同書は〈ホンネが聞きたいのなら、それが聞ける雰囲気を作る努力をすべき〉とも説く。何年たってもインタビューするのに慣れなどなく、だから難しくもあり楽しくもあるのかもしれない。

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2023年7月28日金曜日

回転窓/MR.BIGの愛の歌

 米ロックバンドのMR.BIGが今月来日し、東京都千代田区の日本武道館などでコンサートを開いた。1990年代にバラード・ナンバー『トゥ・ビー・ウィズ・ユー』が大ヒットし、日本でも人気バンドとなった▼親日家のバンドとしても知られ、東日本大震災直後の2011年4月に全国ツアーを実施。岩手県での公演を敢行し被災者らに勇気を与えた▼今回は解散ツアーで、26日が日本での最後の公演に。ドラマーのパット・トーピー氏が、パーキンソン病の合併症で死去したことが解散のきっかけだ。ツアーに合わせて、パット氏のドラム・セットなどを出品するチャリティーオークションが実施されている▼同じ病気で苦しむ人への助けになりたいと企画された。売り上げは全国パーキンソン病友の会に寄付される。ツアーにはパット氏の妻らも同行し、日本のファンの前に立った▼前述の『トゥ・ビー・ウィズ・ユー』は恋の歌。「君と一緒にいたいのは、この俺なのさ」というサビに入ると、会場は観客の歌声に包まれた。“君”のためのラブソングが時を経て、多くの人に向けられた愛の歌になった気がする。

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2023年7月27日木曜日

回転窓/危険な暑さへの対策

 行動制限のない夏を迎え、全国各地で花火大会やお祭り、海水浴など夏の風物詩が戻ってきた。わが家ではベランダの朝顔のつるが日に日に伸び、花が咲くのを楽しみに待っている▼ベランダに風鈴をかけるのも夏の風物詩の一つ。風に揺られ「チリンチリン」と心地よい音を聞くと涼しく感じる。実際に気温は下がらないが、この感覚は脳の勘違いだとされる▼日本人の脳は「風鈴がなる、風が吹いている、涼しい」と条件反射を起こし、風鈴の音を聞くと体の表面温度が下がるそうだ。風鈴になじみのない外国人は風鈴の音を聞いても涼しさと結び付かないので、涼しさを感じることはないという▼各地で猛烈な暑さが続く。関東から近畿の内陸部を中心に最高気温が40度に迫る体温超えの暑さとなり、気象庁などが「災害級の危険な暑さ」と警鐘を鳴らしている▼屋外作業の多い建設現場では水分・塩分補給やファン付き作業着の着用といった熱中症対策が講じられ、ウエアラブル端末でバイタル(生体情報)を収集・分析し症状の予兆を検知する技術も実用段階にある。あの手この手を使い、危険な暑さを乗り切りたい。

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2023年7月26日水曜日

回転窓/富士登山を安全に

 山梨県富士吉田市が富士登山者に「弾丸登山や日帰り軽装登山は非常に危険」と呼び掛けている。安全な登山のためには山小屋への宿泊をはじめ、しっかりとした装備と入念な登山計画が必要だ▼感染症の制限が緩和された中、6月に世界文化遺産登録10周年を迎えた富士山は登山者が急増中。徹夜で山頂を目指す人や、驚くほど軽装の人も少なくないという。体調不良や事故につながりやすく、観光案内所は「富士山の環境は過酷!」と訴える▼「命に関わる事故が起きる恐れもある」。山梨県側が1日、静岡県側が10日だった開山を前に、同市の堀内茂市長は登山者が増えるのを見据えてこう指摘した▼富士登山は外国人旅行者にも人気が高い。登山関連の現地協議会は安全啓発のチラシをベトナム語も加えて6カ国語対応とし、AED(自動体外式除細動器)などの救命設備も拡充した▼きょう7月26日は、1860年に英国の初代駐日公使であるラザフォード・オールコックが外国人として初めて富士登頂者となった記念の日。これからも国内外の人たちが富士登山を楽しむため、個々の安全意識を高めることが欠かせない。

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2023年7月25日火曜日

回転窓/世界をつなぐポケモン

 横浜・みなとみらい周辺に所用で訪れると、人気アニメ「ポケットモンスター」関連の展示物をあちこちで見かけた。夏休みに入り、よくある子ども向けの集客イベントかと思いきや、ポケモン世界大会のPRを兼ねているという▼8月11~13日にパシフィコ横浜で開かれる「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」。競技はカードゲームなど4部門に分かれ、世界各国の予選を勝ち抜いた選手たちがお気に入りのポケモンと共にバトルを繰り広げる▼日本発のゲーム・アニメ作品ながら、1回目は2004年に米フロリダで実施。米国内を中心に毎年開かれ、他国では13年にカナダのバンクーバー、昨年はロンドンで行われた。アジア地域で初となる今年の大会は本家・日本での開催とあって、これまで以上の盛り上がりが期待される▼ゲーム発売とテレビ放映から四半世紀が過ぎ、ファンは老若男女を問わず世界に広がる。最近はポケモンカード(ポケカ)が爆発的な人気で品薄状態が続き、転売目的の買い占めも問題となっている▼年齢や人種を越えた交流の橋渡し役を担うポケモン。ルールを守り楽しんでほしい。

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2023年7月24日月曜日

回転窓/五人づれの幸福な旅

 明治40(1907)年7月末、5人の文学青年らが東京をたち九州への旅に出る。旅先からの紀行文は新聞に「五足の靴」のタイトルで全29回連載された▼旅人は新詩社主宰の与謝野鉄幹と、北原白秋、平野万里、木下杢太郎、吉井勇の学生ら4人。雑誌『明星』に集う詩人たちで、約1カ月の旅で長崎や平戸、島原、天草などを訪れた▼表題が「草鞋」でなく「靴」であることについて、日本文学研究者の宗像和重氏(早大教授)は「彼らが踏みしめようとしていたものが、決して日本的な風土や土俗的なもののみではなかった」と解説する(五人づれ著『五足の靴』岩波文庫)。この旅で南蛮文化などに触れ、後の創作に大きな影響を与えたとされる▼現在は当時と比べようもないほど交通の便が良いものの、コロナ禍で旅行もままならない日々が続いたここ数年。行動制限のない2年目の夏に遠出を楽しむ方もおられよう▼5人が旅した翌年、『明星』は100号で終刊となる。五足の靴が再びそろい大地を踏みならすことはなかったようだが、「彼らの旅は、稀有(けう)な幸福に満ち満ちていた」と宗像氏(同)。そんな旅に憧れる。

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2023年7月21日金曜日

回転窓/働いてもらうための意識改革

 政府が6月にまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」が動き始めた。21日に国土交通省は「トラックGメン」を創設する。荷主企業や元請事業者の監視を強化し、不当な運賃設定などの改善を促す▼トラック運転手は慢性的な人手不足状態にある。他産業に比べ長時間労働で賃金も低いことが理由だ。担い手を確保するには、魅力と誇りを感じて働ける環境を作りあげるほかない▼2024年4月には、建設業と同様にトラック運転手に時間外労働の上限規制が適用される。「せっかく注文をもらったのに運べないような事態が起きるのでは」。大型建設資材を扱う関係者は危機感を募らせる▼重量物運搬は、通行できるルートが限られ、積み方や運転にもノウハウがいるため、人員増強は容易ではない。先の関係者は「発注者もわれわれも運送会社も皆がウィンウィンでなければ成立しなくなる」と指摘する▼計画的に発注して適正な運賃を支払う顧客と、突発的な注文を繰り返して運送費も渋る相手のどちらが選ばれるかは自明のこと。働き方改革は、他者に働いてもらうための意識改革も求めていると考えるべきなのだろう。

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2023年7月20日木曜日

回転窓/設計意図を探ろう

 近代建築の巨匠ル・コルビュジエが考案した尺度「モデュロール」は、建物の寸法体系として世界的に知られる。男性が手を上げた姿に比率を当てはめたイラストで目にした方も多いだろう▼人間の身体に沿った建築を目指したコルビュジエは、人体の寸法と黄金比を基に2種類の尺度を作り出した。このモデュロールの寸法を足したり、隣り合わせたりして使うことで建築に統一感やリズムを生んでいる▼外観や展示室などにモデュロールが使われた「国立西洋美術館」(東京・上野公園)は日本で唯一のコルビュジエ作品であり、2016年に世界文化遺産に登録された。20年10月~22年4月の約1年半も休館して前庭をリニューアル。本来の設計意図が正しく伝わるよう開館時の姿に可能な限り戻した▼久しぶりに美術館を訪ねると、前庭にこれまで気付かなかったモデュロールを発見。あみだくじのような床の目地割りが実は建物と同じ寸法体系でデザインされていることに驚いた▼子どもたちの夏休み期間中、美術館や博物館では企画展がめじろ押しだ。展示内容だけでなく、建物に込めた建築家の意図を探るのも面白い。

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2023年7月19日水曜日

回転窓/ブラジルに学ぶ夏の備え

 ブラジル・サンパウロにあるアルモニア学園は1953年、日系二世が子弟教育のために設立した。現在は幼稚園から高校までの一貫校として運営されている▼学園に通う生徒の約3割が日系人という。ブラジルの普通学校とほぼ同じ教育カリキュラムの中で、習字など日本の文化や道徳を学ぶ時間がある。給食や部活動といったブラジルでは珍しい日本の学校様式も取り入れている▼先週、学園の高校生30人が来日し、近所のサッカーチームの子どもたちと交流した。コロナ禍で来日は4年ぶり。女子生徒がサンバの踊りを披露し、男子生徒はチームの小学生や中学生とフットサルを行った▼緊張気味だった日本の子どもたちは、人懐っこく陽気な生徒と次第に打ち解け、楽しい時間を過ごした。チームの指導者が「心に一生残る貴重な体験になった」と話していた▼厳しい暑さが続いている。南半球のブラジルも季節は冬ながら気温の高い地域が多い。学園の給食や家庭では疲れが出てくる週の後半、フェジョアーダをはじめタンパク質やミネラルが豊富な豆料理を出すそう。食生活も工夫し、本格的な夏の到来に備えたい。

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2023年7月18日火曜日

回転窓/北川千代と蓮沼の家

 千葉・九十九里の蓮沼海浜公園(山武市蓮沼)で29日、ステージパフォーマンスや花火などでにぎわう「山武市サマーカーニバル」が開かれる。台風やコロナ禍の影響で6年ぶりの開催となり、地元にとって待望のイベントであろう▼蓮沼にはかつて児童文学作家の北川千代(1894~1965年)が住んでいた。家の敷地内に大きな池があり、地域の人々から「いけすのおばさん」などと呼ばれ慕われたという▼埼玉県出身の千代が蓮沼に移り住んだのは1940年、当時46歳。与謝野鉄幹・晶子夫妻の別荘を購入した。家はもうないが、ここで33作品を書いている。童話『みつばちマーヤの冒険』などの翻訳も手掛けた(「蓮沼むらづくり協議会」発行の資料から)▼海浜公園で人気のアトラクションは、総走行距離が日本一の長さを誇るミニトレイン。東日本大震災で津波の被害を受けたが、翌年に復旧されて親子連れの乗客らを楽しませている▼海浜公園から近い道の駅「オライはすぬま」に千代の原稿や愛用した万年筆などを展示するコーナーがある。イベントに合わせて訪れ、蓮沼ゆかりの文学者に思いをはせるのもいい。

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2023年7月14日金曜日

回転窓/盆踊りの夏

 7月も中旬に入り夏本番を迎える。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが見直された今夏は、各地でイベントが盛り上がりそうだ▼中部国際空港セントレアでは16日、飛行機を眺められるスカイデッキを舞台に盆踊り大会を4年ぶりに開く。17日に東京・中野駅前で予定している盆踊りは、参加人数のギネス世界記録を目指すという。シンボルだった中野サンプラザが今月閉館し、イベントを機に新たな街づくりへの一歩を踏み出す狙いだ▼夏の風物詩の盆踊り。祖先の弔いや豊作祈願を目的に約1000年前から続くとされ、全国でさまざまな盆踊り文化が根付いている。三大盆踊りの一つ、岐阜県郡上市の「郡上おどり」は昨年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録された▼7~9月に同市内の各地で盆踊り大会が開かれ、8月中旬の徹夜おどりで盛り上がりが最高潮に達する。江戸時代を起源とし、身分にかかわらず無礼講で踊り、地域内の融和を図ろうと当時の城主が始めたそう▼多様性が求められる現代にも通じる話。住民も観光客も分け隔てなく楽しく踊る。そうした文化を大事にしていきたい。

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2023年7月13日木曜日

回転窓/最悪の事態も念頭に

 台風の影響で前線活動が活発化し大雨の恐れがある--。2018年7月豪雨は、この気象現象がいかに恐ろしいかを思い知らされる災害であった▼台風7号と梅雨前線に伴う記録的な大雨が7月5日から8日まで続き、西日本を中心に広い範囲で河川の氾濫や土砂災害などが発生した。死者・行方不明者は200人を超え、家屋の全半壊や浸水などが5万棟以上に及んだ▼岡山県倉敷市真備町では小田川の堤防が決壊し、町内約1200ヘクタールが浸水。同15日に町を取材した時、既に堤防の締め切り盛り土の施工が完了していたが、町中に災害廃棄物があふれ大規模水害の爪痕を残していた▼翌年9月に再訪するとがれきは姿を消し、国の緊急治水対策プロジェクトが動き出していた。対策のメインは堤防決壊を防ぐための小田川合流点付け替え事業。現在も継続中で、今月3日時点で工事の進捗(しんちょく)率は81%だという▼被災したインフラの復旧復興や強靱化対策には長い年月がかかる。完成までの間に大雨が降れば、災害に再び見舞われる危険性もある。最悪の事態も念頭に置き、災害への事前の備えを急がねばならない。

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2023年7月12日水曜日

回転窓/災害対策のためなら

 4年ぶりの開催が期待された茨城県大子町の花火大会が残念ながら中止になった。例年なら8月14日に水難供養の灯籠を流す久慈川の上を大輪の花火が彩り、周囲の山々に音がこだまする▼幻想的な空間と時間を楽しめるとあって、県内外から大勢の人が訪れる人気の花火大会である。打ち上げ会場に近い関東屈指の人気キャンプ場は、今年も開催の前後日を含めて予約が早くからいっぱいになっていた▼過去3年の中止はコロナ禍の影響だった。今年は会場周辺で台風被害を最小化する「久慈川緊急治水プロジェクト」の各種工事が行われているため、観客の安全確保と交通誘導などの都合から、やむなく中止が決まったという▼大子町は19年10月の台風で久慈川が氾濫し、甚大な浸水被害が出た。町が「91年目を迎える大会が開催できないことは誠に残念」と広報する中、「災害対策のためなら仕方ない」という声が町民やキャンプ客にもあると聞いた▼今年も大雨が相次ぎ、今も警戒と避難が続く地域がある。被災地では何より身の安全を確保してほしい。そして各地で対策工事が進み、安全に花火大会も開けるよう願うばかり。

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2023年7月11日火曜日

回転窓未知への好奇心

 見知らぬものに対する知的好奇心は、さまざまな分野の発展になくてはならない人が持つ根源的な欲求と言えよう▼宇宙開発もその一つ。先人たちが地球の外に向けてきた好奇心は、学術的な発見にとどまらず、人類が宇宙に進出するための技術を進歩させてきた▼SF映画の巨匠、スティーブン・スピルバーグ監督が1977年に製作した「未知との遭遇」。人類と異星人の接触を描き、世界的なヒット作品となった。映画の登場人物たちは、発光する謎の飛行物体への知的好奇心を抑えられず、その正体を明らかにしようと異常なほどの執着を見せる▼未知なるものを解き明かす取り組みは、他分野にも連鎖する。建設関連各社も地上で培った技術を、宇宙空間で生かそうと研究開発に注力。月面拠点建設に向け、国土交通省は有識者らで構成する「無人建設革新技術開発推進協議会」を2021年に設置し、関連技術の具体化を後押ししてきた▼23年度からは産学官の「宇宙を目指す建設革新会議」をスタートさせ、技術開発に本腰を入れる。こうした開拓の精神が社会に漂う閉塞(へいそく)感を振り払い、新時代を切り開く力となろう。

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2023年7月10日月曜日

回転窓靴の中の困り物

 好きな外国映画のワンシーンにこんなセリフが出てくる。「靴の中に邪魔な小石が」。邪魔なやつがいるという例えであり、日本ではあまりなじみのない表現かもしれない▼「靴の中の石」と「頭を悩ませること」が同じ意味で使われる国もあるよう。実際に靴の中にある石はどうにも悩ましく、困った存在に他ならない▼だいぶ前から、歩いていると靴の中によく小石が入ってしまい気になっていた。原因は靴なのか、それとも歩き方なのか。インターネットで検索し、その疑問に答えてくれるテレビ番組が以前に放送されていたのを知った▼答えは足に合った靴を履いていること。こうした靴では歩くたびに中の空気が外に出され、新たな空気が入ってくるのを繰り返す、いわゆる「ふいご現象」が起きる。これにより跳ね上げた小石がかかと部分から空気と一緒に入ってしまうのだという▼大きくも小さくもなく、自分の足にフィットする靴は履き心地が良く歩きやすい。迷惑な小石が入るのはごめん被りたいが、空気の出入りが蒸れを防ぎ、靴の中を清潔に保てるメリットもある。健康は足元から。暑い季節にこそ気を使いたい。

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2023年7月7日金曜日

建築へ級建築士に合格した俳優田中道子さん出演の対談番組がスタート

◇建築の魅力を広く伝えるきっかけに
1級建築士に合格した俳優の田中道子さんが、さまざまな分野のプロフェッショナルとの対談を通じて建築の魅力に迫るBSテレ東の番組『築き人』(提供・総合資格)が、6日に始まった。人生を築く人と建物を築く人という両者を「築き人」と称し、ゲストの人生や縁のある建物を紹介。建築の面白さや優れた技術に焦点を当てることで、多くの人に関心を持ってもらう。田中さんは「世の中に欠かせない仕事を手掛ける建設業界を盛り上げたい」と話す。
同番組は毎週木曜日の午後8時49分からの放送で、3分30秒のミニ枠となる。コンセプトは「二つの視点から見る建築」。スポーツ選手や芸術家など異業種のプロフェッショナルとの対談で互いが築いてきたものをひもときながら、人と建築が共に成長して文化をつくり上げてきたことや、建築が持つ本質的な魅力を伝えていく。
ゲスト1人が2週にわたり登場する。1週目はゲストが歩んできた道を、2週目は田中さんからの視点でゲストに縁のある建造物を紹介する。初回のゲストは、ブランド「エズミ(Ezumi)」を手掛けるデザイナーの江角泰俊氏。建築家の隈研吾氏が設計し、同ブランドのショー会場として用いられた「サニーヒルズ南青山」(東京都港区)を軸にトークを繰り広げる。
田中さんは、2013年に静岡文化芸術大学デザイン学部空間造形学科を卒業し、同年2級建築士に合格した。大手芸能事務所のオスカープロモーション(東京都港区)に所属して芸能活動をする中で、1級建築士も目指すことを決意。ドラマや舞台、バラエティー番組などで活躍する合間を縫って総合資格学院(岸和子学院長)に通って勉強し、22年度の試験に初挑戦で合格した。
今年1月に同学院が開いた祝賀会に田中さんが参加し、総合資格の小野寺優プロモーション戦略本部執行役員と建設業界を盛り上げたいと意気投合したことが、番組企画につながった。小野寺氏は「建設業界の社会貢献や建築の楽しさを、もっと知ってもらいたいという思いが強かった。ちょっと知識があるだけで、いつも見ていた何げない風景が違って見えるはず。そうした時間が提供できるとありがたい。できるだけ長く続けたい」と話している。
詳細は特設サイト(https://www.shikaku.co.jp/topics/kizukibito/)へ。

□田中道子さんに聞く/新番組に懸ける思いは□
--番組への意気込みを。
「私は試験に受かっただけだが、だからこそ建築を知らない方にもソフトに伝えることができると思い引き受けた。子どもにも大人にも建築のことを知ってもらい、建築業界との橋渡し役になりたい。私自身、1級建築士試験のために勉強したことで建築への見方がガラッと変わった。世界がもっとすてきに見えたり、格好良く見えたり、視野と世界が広がってアップデートされていくような番組にしたい。建築業界の方々が黙々と頑張っている姿も伝えていきたい」
--撮影の感想を。
「その道を究めているプロフェッショナルの方から、1冊の本を読むような内容の濃い話を聞かせていただける。とても楽しい。短い番組だが、視聴者がはっと気付くような瞬間があると思う。できるだけ深いところまで聞きたいので、撮影前は一生懸命勉強している。人生100年時代と言われていて、リスキリング(学び直し)も話題になっている。ゲストに感化されて、新しい勉強を始めるかもしれない。スポンジのように何でも吸収する気持ちで臨む」
--今後に向けては。
「1級建築士の試験に合格したことで人生が変わった。勉強について行けずに何回も泣いたが、総合資格学院にスパルタで鍛えてもらい頑張って良かった。建築だけではなく、新しい知識を得ることがとても楽しい。長寿番組になるよう頑張りたい」
「レギュラー出演している『解体キングダム』(NHK総合)で建設現場に足を運ぶと、現場の方に声を掛けてもらえるようになった。だが、建築業界の皆さんにはまだまだ足元にも及ばないと思っている。(1級建築士の登録に必要となる)実務経験の面からも挑戦していく。芸能活動をしっかりやりながら、(多彩な分野で仕事ができるような)三足、四足のわらじを目指して頑張りたい」。
番組での一コマ(総合資格提供)
田中道子さん
総合資格の小野寺執行役員
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2023年7月6日木曜日

回転窓植物と建築の変化

 リビングや寝室にしようか、それともベランダがいいか。土を必要としないユニークな特性を持つエアプランツは、インテリアの一つに取り入れやすいが、どこに置くかで頭を悩ます▼自宅で1年ほどあちこちを移動させていたが先日、初めて赤い色の花を咲かせた。手入れといっても霧吹きスプレーでときどき水を与えるくらい。土から栄養もとらず、どうして花が咲くのだろうか。そんな不思議な生態はこれから詳しく調べるとして、リビングが現在の定位置となり空間を彩っている▼植物を育てる楽しみの一つが「変化」を見られること。季節や年月の経過を感じる植栽は多く、室内やベランダにとどまらず建築自体にも豊かな表情を与えてくれる▼建築は竣工とともに完成するのではないと言われる。経年変化があり、設備や家具なども入れ替わる。植物もその変化に欠かすことのできない要素であろう▼年月を重ねて変化し、居心地がよく豊かな空間を生み出している建物に出会うと、住む人や使う人、それを設計した人や造った人たちのすごさを感じる。竣工時の写真では描写しきれない、建築の変化を楽しみたい。

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2023年7月5日水曜日

丹青社/初音ミクをテーマに巡回イベント、8月から東京など3カ所で

丹青社は、歌詞とメロディーを入力すると歌わせることができる歌声合成ソフトを用いたバーチャル・シンガー「初音ミク」をテーマにした巡回イベント「初音ミクPROMISE-16歳の約束-」を、8月から東京都内など3カ所で開く。2007年の開発から16周年を祝うイベントとして位置付けており、これまでの年表や等身大立像の展示、参加型企画を実施する。描き下ろしイラストを使用したオリジナルグッズなども用意している。
8月29日~9月3日にアクアシティお台場(東京都港区)、10月4~15日に横浜赤レンガ倉庫(横浜市中区)、11月21日~2024年1月14日に神戸海洋博物館(神戸市中央区)で、それぞれ開く。日時指定観覧券の販売を、東京と横浜の両会場は5日から、神戸会場は10月5日から開始する。
初音ミクを通じた文化と多くの人との橋渡しを行うことで、新たなコミュニケーションを創出することが狙い。神戸海洋博物館は同社が指定管理者として運営を担っており、イベントをきっかけに初音ミクと施設の双方の魅力を発信する。

日本郵政不/大崎広小路駅前複合施設「五反田JPビルディング」に/施工は大林組

日本郵政不動産(東京都千代田区、山代裕彦社長)は東京都品川区の東急電鉄池上線大崎広小路駅前で建設している複合施設の名称を「五反田JPビルディング」に決めた。施設は延べ約7万平方メートルの規模になる予定。基本設計を自社、実施設計と施工は大林組が担当している。12月の竣工を目指す。
4日に発表した。建設地は西五反田8の4の13(敷地面積約6700平方メートル)。旧日本郵政公社が設置・運営していた複合施設「ゆうぽうと」の跡地に当たる。同施設は2015年に閉館。日本郵政不動産が跡地を開発している。
五反田JPビルディングはS一部SRC造地下3階地上20階建て延べ6万9000平方メートルの規模で建設している。高さは約97メートル。オフィスやシェアオフィス、ホテル、ホール、商業機能などが入る。
シェアオフィスの名称は「co-lab五反田 with JPRE」になる予定。面積約10~100平方メートルの個室15個で構成し、テレワークや会議など多用途で活用できる。ホテルは星野リゾート、ホールは品川区が運営を担う。
五反田JPビルディングの完成イメージ(報道発表資料から)

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三郷駅前地区再開発愛知県尾張旭市愛知県が組合設立認可月日に設立総会

 愛知県は4日、「三郷駅前地区市街地再開発組合」の設立を認可した。名古屋鉄道瀬戸線三郷駅前(尾張旭市三郷町栄)に再開発ビル3棟を整備する事業。施行期間は2029年3月末まで。三郷駅前市街地再開発準備組合(秋田昌彦理事長)が4月3日に認可申請を提出していた。26日に準備組合の解散と本組合の設立総会を開く予定。
 第一種市街地再開発事業で、駅南側の約1・1ヘクタールにA~Cの3棟(延べ約3万~3万3000平方メートル)を建設する。A棟には共同住宅や商業施設、公共施設が入る。B棟には商業施設や駐車場、駐輪場、C棟は商業施設を備える。南口駅前広場も整備する。事業協力者は三菱地所レジデンス・フージャースコーポレーションJV、一般業務代行者はアール・アイ・エー・オオバJVが担当している。
 市は都市計画マスタープランで同駅周辺を「活力拠点」に位置付け、交通結節機能や商業機能の強化などを目指している。再開発ビルに入る市の公共施設の機能は今後、詳細を検討する。地域交流やにぎわいの促進に貢献する機能を導入する予定。
 再開発に合わせ、市の事業として駅舎改修や自由通路整備も行う。南北の歩行者動線を確保し、アクセス性の向上を図る。将来的には駅北側の広場などの整備も計画している。



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2023年7月4日火曜日

村本建設/奈良県十津川村で万博河瀬館安全祈願祭開く

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で、映画監督の河瀬直美氏が手掛けるテーマ事業のパビリオン「いのちのあかし」建設の安全を祈願する神事が2日、奈良県十津川村立旧折立中学校で行われた=写真上。施工者の村本建設が主催。河瀬館は廃校となった折立中学校と京都府福知山市立細見小学校中出分校旧校舎の木材などを使い、W造のエントランスや「対話シアター」「森の集会所」をつくる。40人が参列し、施設の無事完成と事業の成功を祈った。
神事では河瀬氏や小山手修造十津川村村長、村本建設の先山正登執行役員大阪支店長らが神前に玉串をささげた。
河瀬氏は「地元の女性から聞いた言葉『助け合うわだ』は、十津川村の精神性『助け合い』を表す。この精神性を戦争と分断が続く世界に発信したい。集落の人たちが木を切り、建てた、思いのこもった校舎を使うパビリオンで、人類と人類の対話を目撃してほしい」と語った。
建築家の周防貴之氏(SUO、京都市上京区)は「校舎を丁寧に解体し、万博会場で再構築して、その先も活用できればと思う。丁寧に組み立て直すことは難しいが、大切に扱うことが醍醐味(だいごみ)でもある」と述べた。
先山支店長は「この校舎に関わった皆さまと、パビリオン事業を進める関係者の思いを受け止めて守る。気を引き締めて社員一丸となって、当社の経験と技術を投入し、安全に完成させたい」と力を込めた。
河瀬館の構造はW造で、総延べ面積は約1500平方メートル。エントランスと森の集会所に旧折立中学校の部材を使用する。2日に旧折立中学校の解体工事を開始し、24年12月ごろ万博会場に河瀬館の姿が現れる見通し。実施設計・施工者は村本建設・SUO・平岩構造・総合設備グループが担当する。


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東京都/神宮前五丁目地区まちづくり検討会開く/再開発の方向性を整理

東京都は6月30日、「神宮前五丁目地区まちづくり検討会」を都庁で開き、まちづくりの方向性を整理した。音楽や映像、デザインなどクリエーティブ産業の集中を強みに位置付け、さらなる集積を検討する。歩行者ネットワークを構築し、隣接する青山通りのにぎわいを引き込む方法を考える。公園などを生かし、緑とのつながりを感じられる空間を目指す。
都は渋谷区神宮前5に▽旧こどもの城(9924平方メートル)▽青山病院跡地(1万7533平方メートル)▽コスモス青山(1万0646平方メートル)▽国連大学(7044平方メートル)-の4カ所、計約4・5ヘクタールの土地を所有している。ポストコロナを踏まえ、▽ウェルビーイング▽オープン&フレキシブル▽バーチャル&リアル-の三つの視点でまちづくりを進めていく方針だ。
ウェルビーイングは「量だけでなく質」など新たな思考に配慮し、ポストコロナにふさわしい公共空間を整備する。オープン&フレキシブルは将来の不確実性や多様性など、社会ニーズを受け止められる仕組みを作る。バーチャル&リアルは、バーチャルと地域の即地性・固有性を生かしたまちづくりを両立する。
まちづくりの方向性に関しては、旧こどもの城の理念を考慮した、遊びと学びの場をどう創出するか考える。青山病院跡地の東側に広がる閑静な部分と、青山通り近くのにぎわいのある地域をどう調和すべきかも話し合う。
検討会は全部で6回開く。次回開催時期は決まっていない。


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回転窓/アジサイと雨

アジサイの花が見頃を迎えている。天候不順が続く梅雨時期だが、晴れ間よりも雨粒をまとった方が花と葉の色彩が一段と鮮やかになり、風情を感じる▼全国各地のアジサイの名所では、さまざまなイベントを開催中だ。種類も多く、さまざまな色や形をしたアジサイの花の中から、自分好みの花を見つけるのも楽しい▼茨城県桜川市の雨引山楽法寺(雨引観音)を先週訪れ、自生している野生品種のほか、境内に植栽された100種5000株のアジサイを見て回った。「あじさい祭」の9日までライトアップ(日没~午後8時)され、日中とは違った幻想的な雰囲気を楽しめる▼寺史によると、587年に中国・梁の国人の法輪独守居士の開創と伝えられている。821年の大干ばつに見舞われた際、嵯峨天皇が「紺紙金泥の法華経」を書写して奉納すると、祈願の効果あって雨が降ったことから、山号を天彦山から雨引山に改称したとされる▼〈紫陽花(あじさい)や 壁のくづれを しぶく雨〉(正岡子規)。アジサイに雨はよく似合う。この季節は農作物の生育にとっても欠かせない恵みの雨だが、大雨による水害には十分注意したい。


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虎ノ門・麻布台地区再開発(東京都港区)/AとC両街区竣工、国内最高ビルを更新

虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合(東京都港区、曲谷健一理事長)が推進する再開発事業のうちA、C両街区が6月30日竣工した=写真(報道発表資料から)。A街区では高さ約330メートルの「麻布台ヒルズ森JPタワー」が完成。あべのハルカス(大阪市阿倍野区、高さ約300メートル)を超え、国内で最も高いビルとなった。C街区には有機的な形をした緑豊かな複合施設群「ガーデンプラザ」が生まれた。A街区を清水建設、C街区は大林組が施工した。いずれも今秋開業予定だ。
参加組合員として事業に参画している森ビルが3日発表した。建設地はA街区が東京都港区麻布台1、C街区は同虎ノ門5。東京メトロ日比谷線神谷町駅に近接する。
A街区の同タワーはS一部SRC・RC造地下5階地上64階建て延べ46万1770平方メートルの規模。基本設計を森ビルと日本設計が担当した。実施設計は基本設計の2者と清水建設の3者が担った。オフィスや住宅、店舗、インターナショナルスクールなどが入る。
C街区のガーデンプラザは総延べ4万5650平方メートルの規模。基本設計を森ビルと山下設計が担った。実施設計は基本設計の2者と、大林組の3者で手掛けた。店舗や美術館、住宅、寺院などで構成する。
(報道発表資料から)

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振興基金、コムテックスが連携/電話発信でCCUS履歴蓄積、10月から安価プラン

建設キャリアアップシステム(CCUS)運営主体の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)とコムテックス(富山県高岡市、竹脇正貴社長)が連携し、電話発信で就業履歴の蓄積が可能な同社の入退場管理システム「キャリアリンク」を安価に利用できるキャンペーンを10月に開始する。CCUS対応の機能に特化した簡易版を提供。システム導入に最低必要となるコストが年額で通常版の10分の1程度となる。
キャンペーンはカードリーダーが設置しにくい現場でも就業履歴の蓄積環境を整備する取り組みの一環。CCUSとAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)連携するシステムの中で、技能者が所持する携帯電話で指定の番号に発信するだけで履歴蓄積が可能なシステムはキャリアリンクに限られる。住宅やリフォームなどの小規模建築工事に加え、軌道工事や舗装工事、維持管理工事といった土木工事でも有効なため、導入コストを抑えて普及を後押しする。
通常版で必要な初期費用10万円(税抜き)と現場の履歴登録数に応じた月額出面課金を振興基金が負担。電話番号の指定数ごとに1セット当たり年額1万5000円(同)を支払うだけで利用できる。通常版は3セット以上の契約が必須だが、キャンペーンでは1セットでも受け付ける。一つの電話番号で複数の現場をまとめて対応できる運用方法も認める。提供期間は26年3月末までを予定。申込数の限度は設けない。
キャンペーンのプランはCCUS対応に特化した簡易版との位置付け。施工体制登録などの事前準備は不要で、電話番号を設定すれば自動的に利用環境が整う。電話発信による現場入場時の履歴登録だけが行え、顔認証の機能などは付かない。振興基金とコムテックスはキャンペーンの利用者が通常版に移行する際の対応も協議していく方向だ。
今回の試み以外にも振興基金や国土交通省はカードリーダーの設置負担の軽減策を矢継ぎ早に打ち出す。安価なカードリーダーの利用環境を年内にも整備し、スマートフォンに対応したシステム改修も検討している。


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神戸市王子公園内灘区大学設置運営事業優先交渉権者に関西学院

 神戸市は、動物園やスポーツ施設などを備える「市立王子公園」(灘区王子町)の大学誘致に向けた公募で、学校法人関西学院(兵庫県西宮市)を優先交渉権者に選定した。同公園の再整備に伴い、現「王子スタジアム」がある園内東側敷地(約3・5ヘクタール)に大学を設置・運営する。六甲山など緑豊かな景観と調和、公園と一体化し、街に開かれたキャンパスをコンセプトとする。2029~31年ごろの開設を目指す。
 大学の設置・運営に当たって、土地は市が有償で譲渡する。公募段階の譲渡予定価格は100億円(1平方メートル当たり約28万5000円)としていた。
 提案概要によると、設置大学の名称は「関西学院大学王子キャンパス」。教育コンセプトとして、予測困難なVUCA(変動・不確実・複雑・曖昧)の時代を前向きに、他者や異分野と協働して地域や世界の課題解決に取り組み、イノベーションを起こす人材の育成・輩出を目指す。
 キャンパス規模は学生数が約4000人、教職員が約200人を想定。キャンパスをイノベーションエコシステムのハブに位置付け、国際性を豊かに持つ教職員と学生が産官学民で起業支援などの取り組みを展開する。多世代が気軽に訪問できる空間として、地域住民や公園利用者などにキャンパス内の諸施設を開放する。
 景観面では、緑豊かな六甲山系の山並みと調和したランドスケープや校舎配置を計画する。中庭などの外部空間を開放し、公園利用者や地域住民が気軽に訪問できる空間を提供。食堂やテラス、オープンラボなどの諸施設も一般開放する。
 市と優先交渉権者で覚書を交わした後、事業実施計画の策定し基本協定を結ぶ予定。都市計画の変更手続きを経て、土地譲渡契約を締結、市議会の土地処分議決後に土地を引き渡し、キャンパス整備工事に着手する。



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2023年7月3日月曜日

神戸市/王子公園内(灘区)大学設置・運営事業、優先交渉権者に関西学院

神戸市は、動物園やスポーツ施設などを備える「市立王子公園」(灘区王子町)の大学誘致に向けた公募で、学校法人関西学院(兵庫県西宮市)を優先交渉権者に選定した。同公園の再整備に伴い、現「王子スタジアム」がある園内東側敷地(約3・5ヘクタール)に大学を設置・運営する。六甲山など緑豊かな景観と調和、公園と一体化し、街に開かれたキャンパスをコンセプトとする。2029~31年ごろの開設を目指す。
大学の設置・運営に当たって、土地は市が有償で譲渡する。公募段階の譲渡予定価格は100億円(1平方メートル当たり約28万5000円)としていた。
提案概要によると、設置大学の名称は「関西学院大学王子キャンパス」。教育コンセプトとして、予測困難なVUCA(変動・不確実・複雑・曖昧)の時代を前向きに、他者や異分野と協働して地域や世界の課題解決に取り組み、イノベーションを起こす人材の育成・輩出を目指す。
キャンパス規模は学生数が約4000人、教職員が約200人を想定。キャンパスをイノベーションエコシステムのハブに位置付け、国際性を豊かに持つ教職員と学生が産官学民で起業支援などの取り組みを展開する。多世代が気軽に訪問できる空間として、地域住民や公園利用者などにキャンパス内の諸施設を開放する。
景観面では、緑豊かな六甲山系の山並みと調和したランドスケープや校舎配置を計画する。中庭などの外部空間を開放し、公園利用者や地域住民が気軽に訪問できる空間を提供。食堂やテラス、オープンラボなどの諸施設も一般開放する。
市と優先交渉権者で覚書を交わした後、事業実施計画の策定し基本協定を結ぶ予定。都市計画の変更手続きを経て、土地譲渡契約を締結、市議会の土地処分議決後に土地を引き渡し、キャンパス整備工事に着手する。
王子キャンパスイメージ(神戸市提供)

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関東整備局ら/品川駅西口基盤整備へ推進会議が初会合開く、デザインコンセプト公表

関東地方整備局東京国道事務所は、産官学でつくる「国道15号品川駅西口基盤整備に関する事業推進会議」の初会合を6月30日に開き、品川駅西口再整備のデザインコンセプトを公表した。周辺再開発と連動し国道15号上空に広さ約2ヘクタールに及ぶデッキと大屋根を設け、交通結節点機能や商業機能などを持たせる。「全国的にも類を見ない事業」(小野寺純一同事務所副所長)となる。コンセプトに「ミチウエ」「スクエア」「品川」の三つを掲げ、日本の玄関口となる象徴的な駅前空間の創造を目指す。
同事業推進会議は有識者のほか▽東京都▽東京・港区▽都市再生機構▽京浜急行電鉄▽東京メトロ▽JR東日本▽高輪三丁目品川駅地区市街地再開発準備組合-などで構成。事務局を同事務所が務める。
冒頭、関東整備局の松本健道路部長は「この会議を通じ事業が円滑に進むことを願っている」とあいさつした。
デッキは幅約55メートル、延長約400メートルで、全体完成後の広さは約2ヘクタールにも及ぶ。整備は段階的に進める計画。2020年代後半を目標として北側1ヘクタールを供用し、30年代後半には高輪ゲートウェイ駅や北品川駅方面の南北のデッキネットワークを築く。最終的には品川駅の東西から国道15号を挟んだ駅西口地区再開発エリアをデッキで結び「ミチウエ」のコンセプト通り、デッキ上の交通広場を通じて周辺との交通ネットワークを有機的に接続する一大拠点となる。
デザインコンセプトとしてデッキ上に大屋根を設ける計画であることが初めて明らかにされた。「スクエア」に基づき、シンボリックなにぎわい空間としての性格を持たせる。また「品川」らしさとして、かつて軒を連ねた東海道品川宿をイメージし「街の履歴」を継承した空間形成を図る。
交通結節点としてGX(グリーントランスフォーメーション)やMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)なども盛り込んだ次世代の交通ターミナルを目指す。
先行して整備する北側1ヘクタールのデッキは23年度に詳細設計に着手。併せて同年度中に建屋建築の設計にも入る。同事業推進会議は年1回程度開催し、周辺再開発との調整結果などを共有。円滑な事業推進につなげる考えだ。
新たに公表されたデッキのイメージ(関東整備局東京国道事務所提供)
大屋根は軒を連ねた宿場のイメージ(関東整備局東京国道事務所提供)
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鹿島、順天堂大学/医療環境の課題解決へ共同研究講座開設、デジタル技術を活用

鹿島と順天堂大学は6月30日、「パーソナル・アダプティブ・スマートホスピタル共同研究講座」の開設で契約した。超高齢社会での医療環境の課題解決をテーマに、新たなデジタル技術を活用した高齢者に優しい病院づくりを検討する。患者に合わせた医療を行う「パーソナライゼーション」の考えを採用。患者に合わせた空間を「ホスピタルアダプテーション」と呼び、新たな考え方として提唱する。開設期間は1日から3年間とした。
講座は、順天堂東京江東高齢者医療センターで実施する。▽鹿島独自技術の「そと部屋」を利用した認知症対策・予防▽メタバース(3D仮想空間)を活用した情報発信と地域医療連携の推進▽デジタルツインによる転倒・転落予防-の3テーマで取り組む。各テーマで鹿島が保有するデジタル技術を適用し、効果を検証する。
具体的には、病棟のデールームにメタバースを体験できる「そと部屋」を設置。室内空間に外部空間の心地よさを取り入れることで、建築環境による認知症患者のQOL(生活の質)の向上とリハビリへの効果を期待する。
デジタルツインでの転倒・転落予防では、過去のデータから入院患者の転倒・転落リスクを分析し、分析結果をデジタルツインに重ね合わせて情報を発信。看護師が情報を事前に確認することで事故防止につなげる。
鹿島は、医学的見地で自社技術の効果を検証し、今後の病院設計に生かせるノウハウの獲得を狙う。高齢者医療センターは、患者満足度の向上やスタッフの業務負荷軽減、経営改善を期待する。得られた成果は、順天堂大学医学部付属順天堂医院をはじめとする関連施設に展開する予定。メタバースなどのデジタル技術で患者に合わせた優しい医療を実現する。
メタバース・そと部屋のイメージ(報道発表資料から)

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回転窓/椅子の中の椅子

1960年にジョン・F・ケネディが米大統領選のテレビ討論会で使用し、世界的に注目された椅子がある▼それはデンマークの家具デザイナー、ハンス・J・ウェグナーの代表作で、優れたデザインと座り心地から「椅子の中の椅子」と評されて「ザ・チェア」の愛称を持つ木製チェア。腰痛を抱えるケネディが長時間の討論会に耐えられるよう選んだと伝わる▼欧米家具の企画展に先日行き、初めてザ・チェア(PPモブラー社製)に座った。背もたれとアームの流れるような形状が美しく、無垢(むく)材の手触りも申し分のない良さ。そして何より座りやすい。ケネディは椅子に座る自身がどう見えるのかも考えていたという▼企画展ですてきなラウンジチェアとオットマンを前に「価格は円安で100万円を超えますが、20代の方に人気です」とスタッフ。生活空間を豊かにするため、若い世代に上質な逸品を買い求める人が増えているのだろう▼討論の前に撮影されたものなのか、ザ・チェアに座っているケネディ一人だけの姿が印象的なポスターを見た。今年は大統領在任中にテキサス州ダラスで凶弾に倒れてから60年になる。


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マイ・ユニホーム/振興電気/オリジナル性を前面に

電気設備工事などを手掛ける振興電気(東京都品川区、門間俊道社長)は、創業80周年を迎えた2018年にユニホームをリニューアルした。左肩に配置したコーポレートロゴマークの3色ラインが目を引くデザイン。一目で同社社員と分かるオリジナル性を前面に出した。
夏・冬用を展開。ストレッチ生地を採用し、突っ張りを軽減させるなど作業性を追求した。夏服は背中部分にメッシュを取り付け、通気性を良くすることで快適な作業を促す。左右の胸ポケットは小物の持ち運びに役立っている。襟の一部をベースのネイビーから明るい水色に切り替えることで顔の印象を明るく演出する。
19年には電動ファン付きブルゾンの下に着用することを想定したポロシャツも支給した。薄手の生地を使用しロゴワッペンを左肩に配置。「とても涼しく、現場では好評を得ている」と評判も上々だ。
オリジナルユニホームは企業認知度の向上に役立つほか、社員が誇りや一体感を持つことにつながっているという。佐藤浩二東京支店工事部長は「着心地が良くなった」「以前のユニホームより色合いやデザインが全体的に良くなった」と仕上がりに満足している。
作業性だけでなく通気性やデザインにもこだわった(振興電気提供)

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国交省年度防災減災プロジェクト決定大規模地震対策を充実

 国土交通省の防災・減災対策本部(本部長・斉藤鉄夫国交相)は28日に東京都内で会合を開き、2023年度の「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」を決定した。切迫する南海トラフ地震や首都直下地震といった大規模地震対策への支援を充実。ハード・ソフト両面から総合的に展開する。デジタル技術を最大限取り入れた防災・減災対策も一段と推進していく。
 会合で斉藤国交相は大規模地震対策の必要性に触れ、9月に関東大震災から100年を迎えることにも言及。夏にまとめる24年度の予算概算要求や税制改正要望を視野に入れ「できる限り支援施策を前倒しで実施する。防災・減災プロジェクトのさらなる充実、強化を図る」と指示した=写真。
 首都直下地震を念頭に大規模地震対策を進める。地方自治体に補助金を出し、密集市街地にある沿道建築物の不燃化や老朽建築物の除却を推進。民間事業者には帰宅困難者受け入れ施設の整備を促す。エレベーターの閉じ込め対策として、ダンパーの設置やリスタート運転機能の追加にかかる費用も補助する。
 ソフト面では自治体に「事前復興まちづくり計画」の策定を促進。23年度末までに同計画づくりの参考となるガイドラインを策定し公表する。
 防災・減災対策の全般でデジタル技術を最大限活用し、より効率的で高度な施策展開を目指す。遠隔操縦で管内を巡視できるドローンや、AIがカメラ画像を解析し浸水範囲を抽出する自動判読技術などの導入を想定。自治体には3D都市モデル「プラトー」の活用も推奨し、3D点群データで把握できる地形状況などを参考に災害リスクの高い地点から優先的に対策できるようにする。



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