2018年2月20日火曜日

【回転窓】旅の効用

旅をすることの目的は? 名所旧跡、温泉、グルメ、レジャー…。人それぞれ、その時々によるだろうが、旅の後、訪ねた国や土地、そこに暮らす人たちに親近感を持つようになることは、意識するしないにかかわらず、旅の大きな効用の一つといえるのではないか▼旅した土地がテレビなどで紹介されればつい目が行くし、大きな災害にでも見舞われれば、身内のことのように心配になる。その国の選手がオリンピックに出場すれば応援したくなるのも人情である▼メキシコ南部オアハカ州で日本時間の17日、マグニチュード7・2の大地震が起きたとのニュースが伝えられた。救援に向かう軍用ヘリの墜落事故もあって多くの犠牲者が出ているという▼ニュースを聞いて、数年前にバスでメキシコを一人旅した時のことを思い出した。安宿や街中で多くの人が親切にしてくれ、今でも連絡を取り合う友人もできた。心配ばかりですぐに現地へ行けないのが歯がゆい▼グローバル化や交通機関の発達によって、旅はかつてに比べてはるかに手軽になっている。訪ねる者と訪ねられる者。互いの理解と共感に、旅の効用は大きい。

【8年連続上昇、最高は富山の98・2%】高校生就職内定率、昨年末時点で91・5%

今春に卒業を予定している高校生の就職内定率が17年12月末時点で91・5%となり、前年同期より0・6ポイント高いことが、文部科学省の調査で明らかになった。就職内定率の上昇・改善は8年連続で、90%台の高水準は3年連続になる。

 文科省によると、企業の採用ニーズが高まっており、建設や製造などの業種で求人が増えているという。

 全国の国公私立高の卒業予定者106万3680人のうち、就職希望者は18万6554万人。うち内定者は17万0726人に上る。

 内定者の内訳を男女別に見ると、男子が0・4ポイント高い92・4%、女子が0・9ポイント高い90・1%。内定率を学科別に見ると、工業96・9%、商業94・9%、水産94・3%の順に高く、対照的に最も低かったのは普通科の85・3%だった。

 内定率を都道府県別に見ると、富山98・2%、島根96・8%、秋田96・7%の順に高く、対照的に沖縄65・9%、東京84・3%、神奈川85・6%の順に低かった。

 高校生の就職内定率調査は厚生労働省も行っている。ただ、厚労省が学校や公共職業安定所(ハローワーク)を介した求職者だけを対象にしているのに対し、文科省は就職を希望する全員を対象にしている。

【都市再生特区で街づくり】さいたま市、大宮駅GCS化構想案策定

ターミナル街区の全体イメージ
さいたま市は、「大宮駅グランドセントラルステーション(GCS)化構想(案)」をまとめた。都市再生特別地区などを活用した街づくりの推進をはじめ、東西自由通路整備を含めた大宮駅の機能高度化や重層的な駅前広場、道路ネットワークの整備などを一体的に進める。今夏に構想を正式決定し、分野ごとに基本計画の検討などを実施。19年3月にGCS化構想の実現案を取りまとめる。
駅前空間のイメージ

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【2022年12月の開業めざす】新県立体育館整備(大津市)、PFI実施方針公表

基本計画(17年3月)で示した施設の配置イメージ
滋賀県は19日、民間活力を導入する「新県立体育館整備事業」のPFI法に基づく実施方針と要求水準書(案)を公表した。現体育館の老朽化に伴い、移転建て替えで新たな施設を整備する事業で、事業方式はBTO(設計・移管・運営)、事業期間は19年10月~37年3月末となっている。

 3月5日にPFI実施方針などの説明会を開き、同23日まで質問・意見を受け付ける予定。順調にいけば、9月の入札公告と19年6月の落札者決定を目指す。基本計画等策定業務とPFIアドバイザリー業務は、みずほ総合研究所が担当した。

 事業は、24年に開催される第79回国体・第24回全国障害者スポーツ大会に向け、施設の老朽化が進む県立体育館(大津市におの浜4の2の12)を移転・建て替え、県民のスポーツ・健康づくりと文化活動の新たな中核施設として整備する目的で計画。建設予定地は大津市上田上中野町。びわこ文化公園都市内にある滋賀医科大学・付属病院の南側に位置し、敷地面積は約11・2ヘクタール。

 計画によると、施設規模は延べ1万4000㎡程度。メインアリーナは面積2760㎡以上、高さ14m以上、観客席5000席以上を、サブアリーナは面積1161㎡以上、高さ12m以上、観客席200席以上を想定している。施設内には多目的室やトレーニング室、キッズルーム、飲食施設などを設ける。また、敷地内には多目的広場や駐車場(常設・臨時で900台以上)などを整備する。
メインアリーナの座席配置イメージ
(新県立体育館整備基本計画より)
実施方針によると、事業方式はBTO。PFI事業者はSPC(特別目的会社)を設立した上で、▽施設整備▽開業準備▽維持管理▽運営(自由提案事業を含む)-の各業務を担当する。事業期間は設計・建設期間が19年10月~22年9月末の3年間、開業準備期間が22年10月1日~11月末(供用開始日は12月1日)、維持管理・運営期間が22年12月~37年3月末の14年4カ月となっている。

 今後の事業スケジュールは、3月5日に実施方針・要求水準書(案)に関する説明会を開催。6月の特定事業選定・公表を経て、9月に入札手続きを公告し、12月に参加表明書を受け付ける予定。19年4月に提案書などの入札提出書類を受け付け、6月に落札者を決定、基本協定を交わす見通し。その後は7月に仮契約、議会承認後の10月に本契約を締結する。

【記者手帖】名前にまつわるエトセトラ

取材先のある企業の広報担当者が皆さん珍しい名字。いずれも初めて出会った名字で、由来を尋ねると何代も続く名家もあった。その企業の技術研究所を訪れると、ここにも珍しい名字がずらり。思わず、「珍しい名字しか採用してもらえないのでしょうか」と聞いてしまった◆新聞表記で頭を悩ますのが外国人の名前だ。企業などから来るリリースで人名がアルファベットで表記されていると、まずは片仮名に直すため読み方を確認する。あくまで日本語的な読み方であり、片仮名表記が難しい発音もきっとあるだろう◆日本人は「姓→名」、外国人は「名→姓」の順が多いと聞くが、カンボジアは日本と同じ並びであるなど、国によって異なる。ミャンマーのように姓がない国もある◆記事では日本人も外国人も最初はフルネームで、次は名字だけ記す。外国人の場合、ファーストネーム(名)とラストネーム(姓)を混同してしまい、デスクに直されていることも多い。名前は人にとって一生使い続ける大切なものだけに、丁寧に扱わなければいけない。(田)

【石井国交相を表敬訪問】ミス日本「水の天使」と「海の日」、広報活動に活躍を

 2018ミス日本の「水の天使」に選ばれたモデルの浦底里沙さん(写真㊧)と、「海の日」に選ばれた大学2年生の山田麗美さんが19日、石井啓一国土交通相を表敬訪問し、今後の活動に対する意気込みなどを語った。

 石井国交相は「国交省(の施策)は水も海もいろいろな関わりがある」と述べ、今後の活動に期待した。

 浦底さんは水の広報官として、各地で開催される下水道関連イベントに参加する予定。石井国交相への表敬訪問では、希望する活動に管路内部など下水道施設の見学を挙げた。体形維持などを目的に、1日3lの水分を摂取しているエピソードも披露した。

 山田さんは、海の日(7月の第3月曜日)を中心に各地で開催される海洋関連イベントに参加し、海洋業界の役割などを発信する。表敬訪問では「海の日が一般的にあまり認識されていないように思う」と話し、祝日として制定された経緯の普及啓発活動に意欲を示した。

2018年2月19日月曜日

【屋根付き木製250mトラックに】千葉競輪場リニューアル、事業予定者に日本写真判定

現時点での千葉公園ドーム外観イメージ(提供:日本写真判定)
 千葉市が民間活力を導入する「千葉競輪場リニューアル」の事業予定者として、公営競技のマネジメントなどを手掛ける日本写真判定(東京都千代田区、渡辺俊太郎社長)を決定した。コンセプトデザインは坂茂建築設計が担当する。整備費用に70億円を見込む。
現時点での内観イメージ(提供:日本写真判定)
 競輪場の所在地は中央区弁天4の1の1。敷地面積は4万4316平方メートル。「(仮称)千葉公園ドーム」の建物規模は地下1階地上3階建て延べ約1万4000平方メートルを想定し、ドーム屋根を設置する。屋内に自転車競技の国際規格に準拠した周長250メートルの木製トラックを置く。観客席数として約3000席を見込む。

 現競輪場施設のメインスタンド以外の除却工事を18年度内に実施。併せて18~20年度の工期で新施設を整備する。20年度以降、現競輪場施設除却工事2期としてメインスタンドを解体する。

 木製トラックを使った新しい競輪「(仮称)250競輪」を20年度から実施するほか、eスポーツやドローンレース、音楽ライブなど自転車競技以外の会場としても活用する計画だ。
現時点でのエントランス完成イメージ(提供:日本写真判定)

【回転窓】カタチのないオフィス形態

主要駅の近くなどに「シェアオフィス」が増えてきた。政府が進める働き方改革を追い風に、不動産各社がシェアオフィス事業に力を入れる▼既存スペースの有効活用を狙いにNTTグループなど新規参入組も多いと聞く。自宅や営業先の近くに「テレワーク」のできる場所があれば、わざわざ出社しなくても行える仕事は意外と多い▼シェアオフィスはフリーランスや起業したばかりの個人事業主だけでなく、時短勤務につながると大手企業でも活用が広がってきた。職場に社員一人一人の固定席がない「フリーアドレス」を導入する動きも、さまざまな職種へと広がりを見せている▼竹中工務店大阪本店では、社員が仕事に応じて執務空間を選択するワークスタイルを採用するのと併せて、紙ストック資料の電子化を進めたことでオフィス内の書庫と個人執務机が占めていた面積を約30%縮小できたという。こうして生まれたスペースは社員のコミュニケーションを促進する空間になる▼ICT(情報通信技術)の進化で変わりつつあるオフィス形態。働き方改革の実行には、まずこれまでの固定観念を見直すことが必要だろう。

【砂子組やカナツ技建工業ら12者を表彰】国交省、「i-Con大賞」授与式開く

国土交通省は、本年度創設した「i-Construction大賞」の授与式を15日に東京・霞が関の同省で開いた。

 大臣賞に選ばれた砂子組(北海道奈井江町)とカナツ技建工業(松江市)の2社、優秀賞の10団体(12社)の代表者に、石井啓一国交相から賞状が手渡された。

 表彰制度は、建設現場の生産性向上策i-Constructionの取り組みをさらに推進する目的で創設された。17年度は前年度に完成した直轄工事を対象に12団体(14社)を受賞者に選定。今後は地方自治体発注工事や民間企業の独自の取り組みも対象にし、官民問わず優れた取り組みの普及・展開を図る。

 授与式で石井国交相は、「今年を生産性革命『深化の年』と位置付け、i-Constructionについても中小企業や自治体への普及拡大など深化の取り組みを積極的に展開する。建設現場の生産性向上を図るとともに、週休2日の確保など働き方改革の推進につなげていきたい。受賞者の皆さんには地域や業界のトップランナーとして取り組んでいただきたい」と述べた。

【国交省、3月1日から適用】労務単価2・8%、技術者単価3・0%引き上げ

国土交通省は16日、公共事業の積算に使う新しい公共工事設計労務単価と設計業務委託等技術者単価を発表した。全職種・全国単純平均で労務単価は2・8%、技術者単価は3・0%の上げ幅。3月1日から適用する。

 石井啓一国交相は同日の閣議後の記者会見で「公共事業の円滑な執行に万全を期し、施工時期の平準化を進める。技能労働者の賃金水準の上昇という好循環につながるよう、業界団体に適切な賃金水準の確保を要請する」と述べた

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【現場で働く女性に焦点】土佐工業、フリーペーパー『けんせつ姫』創刊

 上下水道工事などを手掛ける土佐工業(千葉県船橋市、柴田久恵社長)が、建築・土木業界に従事する女性に焦点を当てたフリーペーパー『けんせつ姫』を創刊した。

 創刊号では、現場で働く女性13人が登場。仕事への思いや一日のスケジュールなどを紹介している。型枠大工のリーダーを務める入社1年の新人から、現場監督の20代女性、夫と型枠工事会社を立ち上げた女性などバリエーションに富んでいる。建設業で働く女性を身近に感じてもらおうと普段着の姿も掲載した。

 A4判で、発行部数は1000冊。女性たちが輝く姿を、次世代を担う学生たちに発信しようと、関東圏の建築・土木学科がある専門学校や大学などに配布している。

 編集長は柴田社長が務める。21歳から現場作業員として働いてきた経験があり、3児の母という顔も持つ。柴田社長は「建設業界でも結婚ができて、子どもを産むことができる。そういう職種であると訴えたい」と話している。

【凜】大成ロテック九州支社・福山有希さん


 ◇一日も早く独り立ちしたい◇

 入社2年目。九州支社沖縄事業所沖縄工事事務所に所属し、先ごろまで浦添市の「那覇港(浦添ふ頭地区)臨港道路(浦添線)橋梁付属物外1件工事」で、現場内の写真撮影や構造物の丁張作業などを担当した。

 「安全対策や、作業員へ危険行動を注意するなど現場で事故が起きないよう管理していた」

 就職活動で男性が多い建設業界に進むことに不安や抵抗を感じることはなかった。今の現場も女性一人だが、「女性でも制限されることはない。自分で線引きさえしなければいろんなことに挑戦できる」。そんな手応えをつかむことができたという。

 「奇麗な景色の場所で仕事ができることや、まだ誰も通っていない道を歩いているときの優越感は技術者の特権」。建設業で働く魅力をそうも語る。

 「今は何事も勉強中。分からないことは、現場の先輩や職人たちとの小まめな打ち合わせで確認する」。男性社員からは「女性ならではの視点で物事に動じず、先輩社員がいる中でも堂々と自分の意見を言えるところは素晴らしい。とにかく明るい。現場のムードメーカーになっている」と、積極的な姿勢に対する評価は高い。

 今後の目標は「自分で段取りなどの指示を全て出し、良いものを造れるようになること。早く独り立ちできるように、何事にも積極的に取り組んでいきたい」と前を向く。

 (ふくやま・ゆうき)

【中堅世代】それぞれの建設業・191

危機意識の持続が防災力の向上につながる
 ◇迷い消え信念を貫く覚悟◇

 地域を支える社会インフラを自らの手で守りたい-。中部圏の沿岸地域で生まれ育った堀田誠二さん(仮名)は、幼いころから巨大地震や津波といった自然災害の恐ろしさを聞かされてきた。年齢を重ねるにつれ、未知の災害への恐怖よりも、災害から故郷を守りたいという気持ちが強まった。

 将来は技術者としてインフラ関連の仕事に就こうと考え、大学では土木学科を専攻。その思いは、在学中に発生した東日本大震災によって揺るぎないものとなった。

 三陸を中心とした太平洋沿岸では、地震に伴う津波被害が繰り返し発生してきた。そうした過去からの経験を踏まえ、防波堤や防潮堤などのハード整備はもちろん、地震発生後の避難誘導や情報発信などソフト面の防災対策も積極的に進められた。

 にもかかわらず、岩手・宮城・福島の東北3県を中心に多くの人命が奪われ、建物や社会インフラは壊滅的な被害を受けた。1000年に1度ともいわれる巨大津波が相手とはいえ、これまでの人々の努力は何だったのか。むなしさを感じる一方で、自然が起こしたあまりに無慈悲な行為に対する怒りで体が震えた。

 大学卒業後は地元の中部圏を中心に鉄道事業を展開する会社に就職。子どものころから利用している鉄道の耐震改修などに携わる。東日本大震災後、中部から関西方面へと連なる南海トラフの大規模地震に対する危機感が一気に高まり、社内では構造物の耐震性能の強化が急ピッチで進められた。

 一方で、防災・減災対策が重点的に進められた東北沿岸部の惨事を目の当たりにすると、どこまで対策を施せばいいのかと不安も残る。会社側も無尽蔵には投資できず、ハード整備にも限界がある。

 自分の仕事に迷いを感じていた時、堀田さんは昨年から本社の管理部門に勤務。若手については職種を固定せず、さまざまな職場を経験させるという会社の育成方針に基づく異動だ。

 これまでの現場中心の仕事と異なり、鉄道を利用する人たちとの接点が多い職場に戸惑いながらも、これまでと違ったやりがいを感じている。ハード整備とは違った形で、利用者の安心・安全を確保するソフト面への関わりも深めたいと考えるようになった。

 東日本大震災から7年が過ぎ去ろうとする中、災害への危機意識の希薄化が進んでいるように感じる。大地震や豪雨、噴火、大雪など、さまざまな自然災害が頻発し、悪い意味で国民が「災害慣れ」していると思うことも。

 危機感を持続させ、継続的な防災対策の必要性を啓発する活動もインフラ関連企業が果たすべき重要な役割だと認識している。

 昨年結婚した堀田さんは、夏に父親となる予定。家族の将来を思い描いた時、迷いは消え去り、家族や故郷を災害から守り抜くという信念を貫く覚悟が定まった。まだ見ぬわが子のためにも、災害に強い社会づくりにまい進する。

【サークル】鹿島 茶道部


 ◇稽古は厳しくも和気あいあい、人生を豊かで楽しく◇

 1953年創部の鹿島茶道部。社内でも歴史と伝統のある部の一つで、代表を務める町田裕さん(広報室担当部長)は、「創部当時は中興の祖・鹿島守之助が社長時代。夫人の鹿島卯女と共に茶道に造詣が深く、二人の支援を受けて創部されたと聞いています」と説明する。

 一般的に茶道会では女性比率が高いとされるが、部員は昨年時点で女性6人、男性7人。「厳しくも和気あいあいとした雰囲気でお稽古(けいこ)をしています。仕事をしながらでも細く長く茶道を続けようと、部員は『忙中閑あり』を心掛け、比較的高い出席率を保っています」。毎月2回、月曜の終業後、東京都江東区にある社宅の茶室で行う稽古が基本的な活動だ。

 1月上旬に「初釜」、11月には「炉開き」という行事もある。稽古は、裏千家の北川宗澄名誉師範が40年以上指導してきたが、13年からは城所宗美先生に教わっている。

 「茶の湯の魅力を体験すると、和服や茶懐石から茶道具や茶室などへ興味の対象が広がり、日本文化の奥深さに魅了される」と町田さん。「体力に関係なく経験と知識が深まるほど、楽しみが増すのが茶道の良いところ。茶道を通じ感性を磨き、人生を豊かで楽しいものにしたいです」。

【駆け出しのころ】竹中工務店常務執行役員・車戸城二氏

 ◇自分を育ててくれたひと言◇

 入社1年目は新入研修で作業所、設計、見積もりの仕事を経験しました。建築設計を志望して採用されたため、研修を終えた2年目には設計部に正式配属されると考えていたのですが、受け取った辞令は作業所勤務でした。

 この作業所で、その後の自分の考え方に大きな影響を与える出来事がありました。地下工事を担当していたある日のことです。「土工だって人間だぞ」-。土工の職長さんから一言、そう言われたのです。そんなことわかっている。と思ったものの、自分はそれほど人の気持ちがわからない人間なのかと自信がぐらつき、時がたてばたつほど、この言葉が刺さってくるのです。その後折に触れいろいろ考えさせられました。

 当時の私は、とにかく自分の役割をしっかり果たすことだけに一生懸命でいたのかもしれません。例えば職人さんに何かをやってもらうとします。それは仕事上やって当然のことであってもありがとうと一言付けるかどうかで大きな違いが出てきます。自分にそれができていたのかと。

 仕事というのは目的を達するために行うものですが、もう一つの側面として、人はそれぞれに幸福になろうとします。われわれが「竹中の品質」にこだわるのは、もちろんお客さまのためですが、造り上げた時に達成感を得て自分も幸せになれると信じているからです。

 私はそんな人としてのありようというか、人はなぜ働いているのかという本質に気付けていなかったのかもしれません。いつかは学ばなくてはいけなかった。そのことに最初の作業所で気付けたのは幸運でした。ですから今でもあの職長さんには本当に感謝しています。

 設計部に異動したのは5年目です。作業所での経験は必ず役に立つと励ましてくださる方もいましたが、設計部の上司からはいきなり「作業所の経験は役に立たない。君には3年のビハインドがあるから、よほど頑張らないと皆に追い付けないよ」と言われました。

 正直に言ってもらって感謝するとともに、風通しの良い風土を感じました。元々は建築設計が好きで会社に入ったのですから、それ以降は設計部の仕事にどんどんのめり込んでいきました。

 こうした経験を自分の学びに昇華して、自分の武器にできるかどうかは自分次第です。どんな経験からも学ぶことはできます。大切なのは、さまざまな事象から学ぶためのセンサーを磨くことだと思います。自分の専門以外のことも学ぶと、思わぬ学びがあるかもしれません。ヒントはあらゆるところにあるものです。

 (くるまど・じょうじ)1981年早大大学院修了、竹中工務店入社。88年カリフォルニア大バークレー校建築学修士課程修了、89年コロンビア大都市デザイン修士課程修了。本社設計部長、執行役員設計本部長などを経て、2017年3月から現職。東京都出身、61歳。
入社1年目に研修を受けた作業所の事務所で
(手前3人の右端が本人)

2018年2月16日金曜日

【回転窓】空気感を読む力

初対面の方とのインタビュー。その日の取材が期待通りの成果を上げられるか否か、開始数分でおおよその判断が付くことが多い▼聞き手側の技量によるところが大きいのだが、双方の間の「空気」が直感的にそれを感じさせる。お互いの相性もあるだろうし、後半になるほど多弁になる方もおられるので一概には言えないものの、成否は既に冒頭で決している▼「きょうは駄目そうだ」となった場合に、冷や汗をかきつつも、何とか挽回しようと奮闘することも記者に求められる能力ではあるのだが▼先日、ある建設会社の営業マンからこんな話を聞いた。客先との連絡が携帯電話とメールで行われるようになって以降、営業所内の固定電話の鳴る機会がめっきり減った。その影響か、電話を取り次ぐことが少なくなった内勤の事務職員が相手先の会社名や担当者の名前を覚えられなくなったそうだ▼以前は電話越しの先方の声色から、営業マンが担当する仕事の進み具合や懸案事項の有無まで察することができたという。情報機器が発展しても、仕事を円滑に進める上で重要な要素となる「空気」を読み取る感性は失いたくない。

【いきいき働ける環境づくり推進】熊谷組、ダイバーシティー特設サイト開設

 熊谷組は、ホームページに「ダイバーシティー(人材の多様性)特設サイト」を開設した。各部署で働く多様な人材を紹介し、同社の働き方に関するさまざまな取り組みをタイムリーに紹介する。

 サイトは、柔らかな雰囲気で親しみやすさを出すため、女性デザイナーに依頼し、トップページに土木や建築の現場で働く技術系女性社員を起用。女性社員などのインタビュー記事を載せ、同社で働くことへの理解を深め、採用活動にもつながるよう工夫を凝らした。

 同社の働き方改革の取り組みや職場環境の紹介、樋口靖社長によるトップメッセージなども掲載している。

 特設サイトを開設した櫻野泰則専務兼専務執行役員経営企画本部長は「当社は『誰もがイキイキ働ける職場づくり』を目指し、制度や規定の整備、社員の意識の変革などを進めてきた。サイトを通じて、多くの皆さんに当社のダイバーシティーに対する考え方と、推進状況を深く知っていただきたい」と話している。

 同社は、中期経営計画の重要施策の一つに「ダイバーシティーの推進」を掲げ、16年4月に樋口社長を委員長とする「ダイバーシティ推進委員会」を、推進部署として「ダイバーシティ推進室」をそれぞれ設置。20年3月末までに「採用者に占める女性割合を20%以上」「管理職に占める女性割合を2倍以上」「作業所配置の技術系女性を20人以上」「女性営業職を2倍以上」という目標を掲げ、女性が活躍できる職場環境の整備や社内制度・規定の改正に取り組んでいる。

【備えあれば憂いなし】国際観光施設協会、インバウンド向けピクトグラムを無償提供

 国際観光施設協会(鈴木裕会長)は、ホテル・旅館に宿泊する外国人客に災害時の避難方法を伝えるピクトグラム「避難絵図」をホームページで公開した。

 客室内に常備する「安全の手引き」とともに、ホテルや旅館の事業者向けに無料で提供し、活用を促す。

 絵柄は火災時に「荷物を持って逃げない」「身をかがめて避難する」「エレベーターには乗らない」「ホテル・旅館の避難指示に従う」など8種類。外国人にもなじみのあるモチーフを使い、一目で内容が理解できるよう工夫した。

 同協会は各客室に掲示している避難経路図のそばに、ピクトグラムの縮小版と安全の手引きを置くことを推奨している。

 

【全建協連と東京モード学園がコラボ】学生デザインのユニフォームお披露目

 全国建設業協同組合連合会(全建協連、青柳剛会長)は15日、東京モード学園と進めている「ユニフォームデザインプロジェクト」の発表会を東京都新宿区の同校で開催した。

 学生が考案したデザインから選んだ男女それぞれの最優秀賞、優秀賞計6作品からミドリ安全が仕立てたユニホーム(作業着)を学生モデルが着て披露した。

 ユニホームは全建協連の組合員や全国建設業協会(全建)を通じて商品化を視野にアピールしていく。

 プロジェクトは「自信と誇りを着る」をコンセプトに、「わくわくする建設業」(青柳会長)を目指して行っている。冒頭、青柳会長は同校の協力に謝意を示した上で、「身の回りからの働き方改革としてスタートさせた。建設業は変わっていきそう、楽しく働けそうというメッセージが建設業全体、国民に発信されるのを期待する」と述べた。

 男性ユニホームの最優秀賞に輝いた森美哉子さん(ファッションデザイン学科2年)は、レーシングスーツをテーマに、肩や腕の切り替え部に特徴のあるスポーティーなイメージでデザインした。女性ユニホームで最優秀賞の鈴木茜理さん(同2年)は、シンプルで着やすいデザインを心掛けつつ、赤主体の左右非対称のデザインにした。

 実際のユニホームを前に森さんは「ディテールまで再現していただきありがたい。作り手に伝わるデザインが大事だと実感した」と喜びを語った。鈴木さんは「赤を採用するか迷ったが(実物を見て)良かった」と笑顔を見せた。

 藏谷伸一副会長は講評で二人がデザインしたユニホームについて「色のバランスがいい」「ぜひ建設業に来てほしい」と感想を述べた。

【〝地域の守り手〟再認識】福井大雪、除雪対応で建設会社奔走



福井県内の除雪作業は地元や県外から集まった最前線で奔走。
国交省も支援に注力している
 ◇広域連携の体制整備急務◇

 「地域の守り手」という建設業の役割が再認識されている。日本海側を中心に記録的な大雪に見舞われている今冬も、建設会社は各地で排除雪に奔走。多くの車両が長期間立ち往生した福井県では、国土交通省の呼び掛けで県外から集まった建設業関係者と重機が自衛隊などの活動を支援し、その活躍を高く評価する声が挙がった。一方、地域建設会社の対応には限界が見え始めており、広域災害への備えのあり方が改めて問われている。

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【積女ASSALだより】縁仙台事務所・伊藤香さん

 ◇積算士取得に挑戦◇

 新卒で入社後、福岡の本社で7カ月の研修を経て、地元の仙台で積算業務に就いて4年目となります。内部セクションを主に担当しています。

 まだ先輩所員の指示を仰ぎ、業務に従事していますが、後輩社員も入社し、当時の自分と重なる部分も多くアドバイスなどもできるようになりました。当初は震災復興に関する物件もありましたが、近年は震災復興物件が減り、一段落したのかなと感じています。

 同期入社の社員は、研修後、全国で活躍していますが、コミュニケーションアプリのLINEでつながっており、近況報告を取り合い、1年に1度の社員総会で集合し絆を強めています。仕事は忙しく大変な時もありますが、なんとか頑張っていこうと思います。今後は積算士取得にも挑戦し、技術力を高めようと考えています。

 (いとう・かおり)

 次回は「鈴木建築設計事務所の奥原由美子さん」を紹介します。

2018年2月15日木曜日

【現代美術家が都市の未来像提案】東京・表参道で会田誠展開催中

 現代美術家が描く都市のビジョンとは-。大林財団が建築や都市計画の専門家ではないアーティストに都市の未来像を提案してもらう野心的な試みを始めた。第1弾のアーティストに選ばれたのは、性や政治などのタブーに切り込む過激な表現で名高い会田誠氏。開催中の展覧会「GROUND NO PLAN」で披露された作品の数々も、一般常識を覆し、発想の転換を迫るものばかりだ。
新宿御苑大改造計画
展覧会は大林財団の助成事業「都市のヴィジョン」の初回企画。東京・表参道の特設会場には、絵画、模型、文書、映像などが所狭しと展示されている。すべての作品が都市や建築のあり方にテーマを絞って制作された。

 会場に足を踏み入れてまず目に飛び込んでくるのは、誇大妄想的な作品群。会田氏が「大林組の手を借りないとつくれない、あるいは大林組も手に余るような大げさなプラン」と話す作品の数々だ。日本列島の地形や風土を凝縮させた立体庭園を構想した「新宿御苑大改造計画」、東京都心のビル街の上空に英語を公用語とする要塞(ようさい)都市を造る「NEO出島」、日本橋上空の首都高速道路のさらに上空に橋を架ける「シン日本橋」など、さまざまなドローイングやジオラマが並ぶ。
「セカンド・フロアリズム」ゾーンの展示

 展示された作品はまるでひねりの効いたギャグのようで、鑑賞者の笑いを誘う。ただ会田氏自身、それだけで展示物を満たしていいのかどうか悩んだという。心の奥底をのぞき、まじめに考えれば考えるほど、浮き上がってくるイメージがあった。それが海外の都市部にあるスラムや、かつて敗戦後の焼け野原に築かれたバラックだった。スラムやバラックの負の側面も理解しているが、正直言えば好き。そんな「もやもやとした願望」に過ぎないイメージの断片をつなぎ合わせ、どうにか作品化させたのが「セカンド・フロアリズム」と銘打ったインスタレーションだ。

 2階建て主義という造語には、どんな意味が込められているのか。その理念を殴り書きした「セカンド・フロアリズム宣言草案」に目を通すと、「快適なスラム」「クオリティーとしてスラムに戻るのではない。規模としてスラムに戻るだけだ」という字句が並ぶ。ブロック玩具などを引き合いに出して新たな工法や素材も提案している。

 会田氏は言う。「めいめいがテキトーに、素人でもつくれるようなもの。ゼネコンや建築家、大工さんでさえいらない世界を夢想した」。そうした作品づくりに自分を駆り立てた気持ちを「真心」と表現する。現実に反映させる提案としては不完全だとしても、都市に生きるあらゆる人々への優しい視線が感じられる展示となっている。

 □会田誠氏インタビュー/真理を突く上質な「ボケ」できた□


 --都市、特に東京の現状に対して複雑な心境がうかがえた。

 「東京を良くすることを考えたところで、僕の中からはいいプランは出ない。そう結論付けたのが、『NO PLAN(無計画)』というタイトルになったゆえんだ。これは敗北宣言にほかならないものの、僕が建築や都市計画の専門家、要は玄人の方に寄っていっても、そこには到達することはできない。それなら無責任な何も知らないバカとして、当てずっぽうに的外れなことをやるのが自分の仕事だと感じた」

 「まともなことは一切行わず、言わないと覚悟を決めた。もしかしたら、現実を知っているがゆえの玄人の限界を、ほんの一部かもしれないが突破できることもあるのではないか。そこにいちるの望みをかけた」

 --セカンド・フロアリズムは現実の都市で実現できるのでは。

 「セカンド・フロアリズムは実際にあるといえばある。明らかに建築基準法違反の建物とか、誰かが勝手につくったものとか、そういうのを見るとついにんまりしてしまう。いいなあと。理想を語れと言われると、管理する立派な大人がいなくなった『無法者のワンダーランド』のようなものが頭に浮かぶ。けれども、実際そんなところに暮らしていたら、半日で逃げ出したくなるかもしれない」

 「この展覧会は全体が不思議な矛盾に満ちている。誇大妄想的な作品に限らず、まじめに考えた作品も同じように矛盾をはらんでいる。それは狙ったことでもある。無法地帯や廃虚、何ものかが勝手に雑草のように生えてくる世界へのあこがれもあるが、100%本気でもない。僕の展覧会を見る時のこつは、決して本気で見ないことだ」

 --建設関係に展示会をどう見てほしいか。

 「今回の作品は多くが『お笑い』、その中でも『ボケ』になっている。でも、ただのボケでは駄目だ。明らかに間違っているのだが、その中に一面の真理を突くものがある。そんな上質なボケができた時、自分の仕事ができたなと思う。全部が成功したわけではないが、いくつかはわれながら上質なボケができたという手応えがある」

 「建設関係のプロに胸を張ってみせるような内容ではないが、美術家としては誇りがある。僕の考えでは、美術というのは現実から遊離した別のレイヤー(層)にあるものだ。ぜひ、建築系の人たちにも来てほしいが、ちょっとした気分転換にどうぞという気持ちだ。この展示会は徹頭徹尾、冗談。現実から遊離したレベルの表現だが、こんなのもたまに見ると気分転換になると思う」。

 《開催概要》

 【会 場】東京都港区北青山3の5の12、青山クリスタルビル地下1・2階

 【日 時】=2月24日(土)まで、午前10時30分~午後6時30分(金曜日は午後7時30分まで)

 【料 金】無料

【回転窓】温かいお金

哲学者の内山節氏が著書『怯(おび)えの時代』(新潮社)で、「冷たいお金」と「温かいお金」という考え方を披露している▼現代のシステムで利用されるほとんどのお金は、貨幣上の価値だけが考慮される「冷たいお金」。だが、大切な人への贈り物に使うお金など、人と人との関係の中で使われる貨幣には幸福感や他人を思いやる気持ちなどお金には換算できない価値が伴う▼紙幣はもちろん、最近何かと話題の仮想通貨も社会の道具としての本質は変わらない。仮想であろうとなかろうと使い手側の意識や姿勢によって、お金は冷たくもなり、温かくもなる▼技術の加速度的な進歩によって世の中はますます便利になっていく。ただ便利さを追求するあまり、大切な何かを見失ってしまうこともしばしば。そんな風潮を見越してか、内山氏は「温かいお金」を大事にしなければ「お金に振り回されるばかりになる」と説く▼もし「冷たいお金」が無限に増殖していったら、その先にはどのような社会が待ち受けているのだろう。人と人が相互のつながりを大切にして、いつも温かな気持ちで過ごせるような世の中であってほしい。

【開業20周年で段階改装実施】アクアライン海ほたるPA、19年4月完成めざしリニューアルへ

 東日本高速道路会社とグループの東京湾横断道路会社は、東京湾アクアラインにある海ほたるパーキングエリア(PA)のリニューアル事業に着手する。

 アクアラインと海ほたるPAは昨年12月に開通・開業から20周年を迎えた。老朽化した施設や店舗の一部の改装工事などを段階的に行う。事業費は非公表。27日に着工し、19年4月中旬ごろの全体完成を目指す。

 海ほたるPAは、東京湾の中央部を横断するアクアライン(延長15・1キロ)のうち、川崎側のシールドトンネルと木更津側の海上橋梁が接続する場所に位置する。

 リニューアル事業では1階のエントランス部と5階店舗を全面改装する。屋外の5階通路部は屋内空間に更新し、荒天時でもくつろげる空間を創出する。

 5階店舗については木更津側の第1期工事(3月中旬~11月ごろ)と川崎側の第2期工事(11月~19年4月中旬)に分けて、工事を進める。エントランスの改修に併せて、1階の店舗も改装(5月中旬~9月下旬)する。

 トイレについては、リニューアル済みの4階を除いた1~5階のトイレを改修する。工事期間中は仮設トイレを設ける。屋外に設置されたマストやテントなどの老朽化した施設類は撤去。工事用資機材の設置に伴い、高速バス乗り場(川崎行き)と二輪駐車マスを移設する。

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/不焼成建設資材の使用義務付け

建設省は、持続可能性や環境保護の観点から、公的資金を利用する工事に不焼成建設資材の使用を義務付ける。昨年12月に公表した通達(3/2017/TT-BXD)で、地域ごとの使用率を決定。2月1日に発効した。

 国や自治体の資金・融資を建設費の30%以上利用している事業で、ハノイ・ホーチミン両市では焼成資材の使用を認めない。グレード3以上の都市のうち北中部では不焼成資材の使用率を90%、他地域は70%と定めた。残りはすべて50%となっている。

セイ・ズン、2月7日)

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/国会で賃金直払い制議論へ

公共建設工事で労働者の賃金を発注官庁が直接支給する内容の法律改正案が国会で本格的に議論されるものと見られ、建設業界が緊張している。

 1日、国会によれば、民主党議員が代表発議した「建設産業基本法改正案」が2月の臨時国会で議論されるものと見られる。1月26日に発議されたこの改正案は、6日に予定されている国会国土交通委員会全体会議に上程される予定だ。

 国会関係者は、「与野党合意を通じて法案審議日時を調整することになるだろう」としながら、「日程協議が順調に進めば、今月末には法案処理が可能だろう」と話した。

 改正案には、発注者賃金直払いの義務化と下請代金遅延利子制、建設会社の雇用管理責任強化などの内容が含まれる。昨年12月、政府が建設業雇用改善のために発表した「建設産業雇用改善対策」の主要内容が反映されている。

 建設業界は、システム構築に伴う費用負担と工事代金使用制限に伴う不便さを憂慮。下請負代金の支払いを遅らせた時に最大年率25%までの遅延利子を支払わせる下請負代金遅延利子制や、建設会社の雇用管理責任強化に対しても建設業界は負担になるという立場だ。建設業界関係者は「どんな影響があるのか検討が必要な状況だ」「建設業界の負担が増えざるを得ないだろう」と話した。

CNEWS、2月4日)

【公園再生へ商業施設や水盤整備】久屋大通公園Park-PFI(名古屋市)、三井不ら4社グループに

 名古屋市は、全国初の大規模Park-PFIを導入する「久屋大通公園(北エリア・テレビ塔エリア)整備運営事業」の契約候補者を三井不動産グループに決めた。応募は2グループで、三菱地所グループが次点だった。

 三井不動産グループの構成企業は大成建設、日建設計、岩間造園。中区と東区にある同公園のうち北・テレビ塔エリア約5・4ヘクタールを再生する事業。Park-PFIによって、民間事業者に公共施設と民間施設を一体的に整備、運営してもらう。昨年10月に公募手続きを開始し、1月18~22日に提案を受け付けていた。12日に公開プレゼンテーションを行い、その後開いた審査委員会が同グループを選定した。

 同グループ案によると、公園施設整備では、テレビ塔を中心として南北に通じるシンボリックな景観軸を形成するとともに、テレビ塔が映り込む水盤を設置する。また、くつろぎ、憩いの空間として5広場、1テラス合計1万平方メートルを設け、多彩なイベントにも利用する。交流、防災・減災インフラとしての機能も重視し、園内や周囲からの視認性を確保、開放感の高い公園を目指す。

 収益施設(公募対象公園施設)では、北エリアに延べ1996平方メートルの飲食・サービス施設、テレビ塔エリアに延べ5410平方メートルの物販・飲食・サービス施設を配置、にぎわいを演出する。

 同グループは、3月にも市と基本協定を結び、一部樹木の伐採などに着手する。7月の実施協定締結後、設計を行い、19年1月に本格的な整備をスタートさせ、20年4月の北エリア、同年7月のテレビ塔エリア供用を目指す。事業期間は約20年。

【設計・施工は竹中工務店】TDLに新立体駐車場、19年8月完成めざす

オリエンタルランドは、東京ディズニーランド(TDL、千葉県浦安市)の近くで計画する新立体駐車場建設工事の設計・施工者を竹中工務店に決めた。

 延べ床面積は10万4050平方メートルを見込む。既に準備工事に着手しており、19年8月末の完成を目指す。投資額は百数十億円としている。

 現在は平面式の駐車場を立体式に再整備する。開発名称は「(仮称)東京ディズニーランド体駐車場建設工事」。建設地は千葉県浦安市舞浜53の1ほか(敷地面積75万9194平方メートル)。建物はRC・S造3階建てを想定する。

【コンセッションの導入可能性など把握】新国立競技場、大会後活用で意見募集

日本スポーツ振興センター(JSC)は、2020年東京五輪のメイン会場となる新国立競技場(新宿区ほか)の大会後の活用方法について、民間事業者の意見を募集する。意見募集要領を9日に公表。3月1日まで意見書の提出を受け付ける。

 寄せられた意見も参考にして事業方式やリスク分担、応募資格などを整理し、事業スキームを19年内にまとめる予定。コンセッション(公共施設等運営権)方式の導入可能性などを調査している。優先交渉権者の選定は20年秋ごろを想定している。

2018年2月13日火曜日

【グランドターミナル、20年度に事業着手めざす】東京都ら、新宿駅大規模再編で方針案公表

首都圏の主要交通結節点としてJRなど複数の鉄道路線が乗り入れている東京都新宿区の新宿駅が生まれ変わる。

 更新期を迎えている既存の駅ビルの建て替えを契機に、駅とその直近地区を地下階、地上階、デッキ階の3層構造に再編する方針案が固まった。

 事業着手時期は2020年度を想定。方針案の検討は、都や新宿区が関係機関や外部有識者とつくる「新宿の拠点再整備検討委員会」で進められていた。

 2040年代の社会情勢を見据え、駅、駅前広場、駅ビルが一体となった「新宿グランドターミナル」の構築を目指す。駅施設・駅ビルの老朽化に加え、「駅構造が複雑で分かりにくい」「駅と街、街と街の間を移動しにくい」といった課題を解消し、回遊性の向上や国際競争力の強化などにつなげる。

詳しくはHP

【投資的経費10・3%増】東京23区、18年度予算案出そろう

 ◇公園整備にPark-PFI制度活用◇

 東京23区の18年度当初予算案が9日、出そろった。一般会計の総額は前年度比3・2%増の3兆7777億33百万円。投資的経費の総額は10・3%増の5240億90百万円と、16区で増額となった。

 喫緊の課題である待機児童対策や学校施設の増改築、高齢者福祉施設の整備に配分ウエートを高める傾向が継続。老朽化した本庁舎の改築による行政機能の充実を目指す区や、Park-PFI制度を活用した公園整備を検討・推進する区も目立つ。

 投資的経費の伸び率が50%を超えたのは墨田区(56・9%増)、千代田区(54・3%増)、豊島区(53・0%増)の3区。墨田区は東武伊勢崎線立体化や2020年東京五輪の競技会場となる国技館の周辺道路の景観整備などが要因となった。千代田区は18年度開設に向けて工事が最盛期を迎える九段小学校・幼稚園の建設、豊島区は旧庁舎・公会堂跡地で民間企業と開発する「ハレザ池袋」内の新ホール整備や公園の創出などに積極的に投資する。

 このほか練馬区(43・5%増)、大田区(42・8%増)、荒川区(38・7%増)、中野区(33・7%増)、北区(23・0%増)、足立区(15・9%増)、目黒区(12・0%増)の7区が10%以上の伸び率となった。

 中央、北、中野、世田谷、葛飾の5区は老朽化した庁舎建て替えで計画や設計を固める。中央区は建設候補地や施設規模などを盛り込んだ基本方針、北区は基本計画を策定。再開発組合が建設したビルへの庁舎移転を計画している葛飾区は、組合がまとめる基本設計を踏まえ、庁舎内のレイアウト案を検討する。世田谷区と中野区は基本設計を進める。

17年6月施行の改正都市公園法で創設されたPark-PFI制度を活用した公園整備を検討・推進する区も目立った。

 豊島区は造幣局東京支局(東池袋4の42)跡地での防災公園整備に同制度を採用。実施設計・施工・管理運営を一体的に担う事業コンソーシアムが18年度に実施設計をまとめる。江東区と新宿区は同制度の活用を検討している段階。江東区は若洲公園(若洲3の2の1)再整備事業で導入に向けた調査を実施する。

 新宿区は新宿中央公園(西新宿2の11)への民間施設導入を検討しており、同制度を活用する場合は同年度に整備・運営事業者を公募する見通し。江戸川区も総合レクリエーション公園の再整備に同制度の活用を検討しているが、予算計上は見送った。

 各区とも待機児童の解消を目指した保育所の拡充、学校の新設や老朽化した校舎の改築・増築、高齢者施設の整備に重点を置いている。北区は小学校2校と中学校1校を統合する区内初の施設一体型小中一貫校の基本設計に着手。小・中学校6校で改築に向けた工事や設計、調査を展開する。渋谷区は複合型の高齢者施設「恵比寿西二丁目複合施設(仮称)」と「高齢者ケアセンター跡地複合施設(仮称)」の建設を開始する予定だ。

【回転窓】春までもう少し

今冬最強の寒波、記録的な降雪、立ち往生した長い車列。立春が過ぎたとはいえ、列島各地から届くニュースは寒さに震えるものが目立つ▼春を語るのは気が早いかもしれないが、その足音は少しずつだが聞こえ始めている。青い桜のような花を咲かせるわすれな草、開花した苗も出回るクリスマスローズ、薄紅や黄桃が色鮮やかなパンジー。春を彩る花々は苗の出荷が最盛期を迎え、花屋の軒先もずいぶん華やかになってきた▼関東でも温暖な地域は、今月下旬から菜の花が見ごろを迎える。幼児の背丈ほどもある菜の花畑と早咲きの桜の名所が重なる場所なら、春の訪れを告げる黄色とピンクの花が咲き誇る光景が楽しめる▼東京からほど近い場所にある里山では、翌春に備えて地域の小中学生が毎秋に菜の花の種をまくそうだ。桜の巨木の周りや、のどかに走る列車が草木を揺らす線路沿いなど、種は写真映えする場所を選んでまく。地域の善意は多くの人を楽しませてくれる▼来週には二十四節気で雪が雨に、氷が水に変わる「雨水」を迎える。遠くない春を楽しみに待ちながら、まずは何かと多忙な年度末を乗り切ろう。

【記者手帳】城は人を引きつける

群馬県沼田市で、沼田城の天守再建を目指す活動が活発化している。地元の観光や経済の関係者を中心とした「沼田城を造る会」が16年に発足。PR活動を進めている◆沼田城は関東地域で江戸城を除けば唯一、5層の天守を有していたとされる。地元は天守を再建することで、北関東を代表する観光スポットにしたいと意気込む。16年に放映されたNHK大河ドラマ『真田丸』にあやかり、全国的に高まった知名度を生かしたいという◆天守の再建を目指す活動は全国で展開されている。城の存在には人を引き付ける何かがある。姫路城がある兵庫県姫路市の出身ということもあり、城がない街を歩いても、「どこが街の中心なのか」と思ってしまい、何か物足りなさを感じてしまうことも。宿場町や門前町などをルーツとする街もあるので、多様性を否定するつもりはないが◆天守を木造で復元しようとする動きも盛んになってきた。木造天守が実現すれば、相当量の地元産木材の利用も見込まれ、地域経済の活性化につながる。伝統的な技術を継承していく場にもなるだけに、文化面での地域創生の期待も大きい。(巳)

【4月入社の学生対象に】建設業内定者セミナー、2月16日から3都市で

ハタコンサルタント(名古屋市中村区、降籏達生社長)は2月、東京など3会場で今春建設会社に入社予定の学生を対象に「建設業内定者セミナー」を開く。

 「現場で働く不安を“楽しみ”に変える」がテーマ。対象者は18年4月入社予定社員(学卒者)。講師は豊富な現場経験や知識を持つ同社の岡本浩二氏。料金は1人当たり1万円(会員割引あり)。

 同社は専門学校や工業高校などで授業の一環として内定者セミナーを無料で実施し、好評を得ていることから、今回のセミナーを企画した。

 専任講師が主に▽働くことの意義▽新社会人に向けた目標設定▽好かれる人になるためのコミュニケーション▽工事現場の不安解消策ーなどを話し、建設業に関する情報を提供するとともに、同じ建設業界で働こうとする仲間と交流する。受講希望者は同社(フリーダイヤル0120・926・810)へ。

 各地区の開催日程は次の通り。

 ▽東京=26日午前10時~午後4時、イオンコンパス東京八重洲会議室RoomC(東京都中央区京橋1の1の6、越前屋ビル4階)

 ▽大阪=16日午前10時~午後4時、イオンコンパス大阪駅前会議室RoomE(大阪市北区梅田1の2の2、大阪駅前第2ビル15階)

 ▽名古屋=22日午前10時~午後4時、国際センター第2研修室(名古屋市中村区那古野1の47の1、名古屋国際センタービル3階)。