2019年2月22日金曜日

【来年度に事業手法やスケジュールなど検討】愛知県体育館移転・改築(名古屋市中区)、最大収容1・5万人に

フィギュアスケートの世界大会を開催した場合のイメージ
愛知県は、2026年のアジア競技大会までに整備する新体育館の収容規模を1万5000人にする考えを明らかにした。19年度にPFI導入に向け事業方式、スケジュール、公募方法などを検討する。このため、19年度当初予算案に関連事業費1億1500万円を計上した。

 名古屋市中区にある県体育館は1964年の完成。RC造地下1階地上3階建て延べ約1万7000平方メートル。大相撲名古屋場所や国際スポーツ大会などが開かれる県を代表する施設だが、老朽化に伴い、約800メートル北にある北区の名城公園北園野球場周辺に移転する。同野球場は広さ約1万3800平方メートル。

 新体育館の整備に当たっては、現在の約7400席から収容人数を大幅に拡大するとともに、機能の充実を図る。アジア競技大会ではバレーボール会場として使用される予定。事業方式については、PFI方式などの民間活力導入を前提に検討中。基本計画等検討を日本総研・梓設計JV、移転先地質調査を玉野総合コンサルタントが担当している。

【中間貯蔵施設現場など公開】東日本大震災から8年、福島の環境再生進む

 環境省は21日、福島第1原発事故で被災した福島県で進めている環境再生事業の現場を報道機関に公開した。

 放射性物質の除染で出た土や廃棄物などを保管する「中間貯蔵施設」(福島県双葉、大熊両町)の建設工事や、原発周辺で除染などに取り組む復興街づくりの現場を公開し、環境省の担当者らが各事業の進展状況を説明した。

 環境省によると、福島県内にある除染土などの仮置き場は解消しつつあるという。最近までほぼ手つかずだった原発周辺にある「帰還困難区域」の除染で今後発生する土などの見込み量を除き、県内で発生した推定総量1400万立方メートル分の除染土などは、21年度ころまでに中間貯蔵施設への搬入を終えたいとしている。

 原発事故を招いた東日本大震災の発生から3月11日で丸8年。中間貯蔵施設の建設や復興街づくりなどが進み、福島の復興で最優先課題となっている県内外に避難した住民の帰還促進に向け、環境再生に取り組んでいる。

【4種類のデザイン用意、配布は24日から】国交省、天皇陛下在位30年記念ダムカード発行

 国土交通省は天皇陛下在位30年を記念して、特殊デザインの「ダムカード」を発行する。配布対象は、国交省と水資源機構が管理または建設している全国の169のダム。4種類のデザインを用意し、ダムごとに1種類を配布する。期間は24日~5月31日。

 ダムカードは表面にダムの写真、裏面にダムの形式や貯水池の容量、建設の技術などさまざまな情報を凝縮して掲載。カードの大きさや掲載情報などは全国で統一されている。ダムのことをより知ってもらおうと、2007年からダムの訪問者に無料配布している。

 記念ダムカードは、△黄櫨染(こうろぜん)=天皇陛下が宮中祭儀でお召しになる束帯装束の色目を基調としたデザイン△帛(はく)=天皇陛下が神事の時にお召しなる帛の御衣(おんぞ)の「白」を基調としたデザイン△宝物=宝物をイメージしたデザイン△特別列車=天皇、皇后両陛下がお乗りになる特別列車の色を基調としたデザイン-の4種類。配布ダムの一覧などは同省ホームページへ。

【デザイン監修、野老朝雄氏に依頼】東京都府中市、新庁舎のロゴマーク作成へ

 東京都府中市は「おもや」と「はなれ」の2棟で構成する新庁舎の整備に当たり、各棟をイメージしたロゴマークを作成する。

 ロゴマークを通じて、利用者がどちらの棟にいるのか視覚的に認識しやすくする。デザイン監修は、2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレムをデザインした野老朝雄氏が手掛ける。

 市は、野老氏が既に完了している新庁舎の設計業務に参画していたことから、ロゴマークのデザインも依頼した。市の担当者によると「庁舎整備事業において、複数棟の区別を図るためにロゴマークを作る取り組みは聞いたことがない」という。19年度予算案に関連経費として2百万円を計上。新庁舎整備事業の周知を図るとともに、ロゴマークの商標登録を目指す。

 新庁舎は現庁舎(宮西町2の24)の敷地約8800平方メートルと、北側の民有地約4400平方メートルを取得・活用して整備する。18年3月にまとめた実施設計によると、拡張した敷地におもや(地下1階地上6階建て)を建設。おもやに庁舎機能を移転した後、はなれ(地下1階地上4階建て)を整備する。総延べ床面積は3万2584平方メートル。柱頭免震構造を採用する。

 基本・実施設計は千葉学建築計画事務所・久米設計JV、設計マネジメントなどを行うCMr(コンストラクションマネジャー)は山下PMCが担当。21年度の着工、27年7月ごろの全体供用開始を見込む。

【積女ASSALだより】二葉積算名古屋支社・廣畠希衣子さん

 ◇楽しく情報共有◇

 構造担当で鉄骨の積算をしています。鉄骨の積算をやる人は少ないようで、担当させて頂いてありがたく思います。積算に携わり2年目ですが、まだまだ分からないことも多いです。鉄骨のことなら安心して任せられると思ってもらえるように技術の向上に努めていきたいです。

 昨年8月に開かれたASSAL東海北陸の会合は2回目の開催で、さまざまな積算に関わる女性と交流を持つことができ、とても良い機会になりました。個人的には普段なかなか業務で社外の方と関わることがないため、積算や建築に関わる女性との出会いはとても貴重です。

 今後も女子会らしく、さまざまなことを楽しく情報共有できる有意義な場として広がっていけたらと思います。

 (ひろばた きいこ)

2019年2月21日木曜日

【回転窓】働き方改革の光と影

今年は皇太子さまが新天皇に即位される5月1日と、即位の中心儀式が行われる10月22日が祝日となる▼祝日に挟まれた平日が休日となり、10連休のゴールデンウイーク商戦は例年を上回る活況になりそう。特に観光業にとって長期休暇による特需への期待は大きい。既に人気の観光地を巡るツアーなどには予約が殺到しているという▼消費増税前の駆け込み需要も重なり、19年度前半は多方面でプラスの影響が見込まれる。一方、特需の受け入れ先では、急増する需要への対応に頭を悩ます業界も少なくない。慢性的な人手不足の中で働き方改革の取り組み強化が求められ、せっかくの商機を逃してしまう恐れもある▼休日が増えることで、サービス産業などでは労働時間が大幅に増えたり、休みたくても休めなかったりする職場もあるだろう。こうした光と影があることを認識しなければ、真の意味での働き方改革は実現できない▼働くことに対する考え方は人それぞれ。みんなが幸せな人生を送るための改革とは何なのか。休みを増やすことは一つの手段であり、最終目的でないと再確認し、改革の道筋を見つけてもらいたい。

【国土強靱化緊急対策が押し上げ】都道府県19年度予算案、投資的経費8兆円

 都道府県の19年度予算案が20日までに出そろった。11道県が知事選に伴う骨格編成または暫定予算となった。

 普通建設事業費などを含む投資的経費の総額は8兆0549億円。災害の復旧・復興に加えて、政府の国土強靱(きょうじん)化緊急対策を受けた取り組みに力を入れる自治体が目立ち、公共事業費・災害復旧費の合計値となっている福岡県を除くと、前年度を下回るのは13道県にとどまった。

 一般会計の総額は50兆7251億円で、投資的経費は約16%を占める。18年度は豪雨をはじめ自然災害が相次ぎ、政府は3年で約7兆円を投じる国土強靱化緊急対策の実施を決めた。19年度の投資的経費については、前年度から10%以上増加するのが16都府県ある。

 2018年7月豪雨で甚大な被害が出た広島県は、増加率が84%に達し、災害復旧費は前年度の約9倍となった。国土強靱化緊急対策を巡っては、群馬県のように同対策関連として149億円を起債し、県債の発行総額を増やしている自治体もある。

 都市基盤やインフラ整備に対する投資も活発化している。富山県は、防災対策に加えて環状道路や立体交差の整備など、佐賀県は23年に国体を控えていることもあり、投資的経費の増加率が2桁に達する。投資的経費が1兆3000億円を超える東京都の増加率は19・3%。豪雨対策など災害に強い街づくりを推進しつつ、20年東京五輪関連の施設整備に重点配分した。

 投資的経費が減少する13道県を見ると、岩手、宮城は東日本大震災の復旧・復興事業の進捗(しんちょく)などに伴って前年度を下回る。熊本県は、熊本地震関連として18年度までに計上してきた予算が8000億円を超えるものの、19年度は地震の復旧事業費が大幅に減少する。沖縄県は、沖縄振興一括交付金の減少が要因という。13道県のうち8道県の予算は骨格編成。知事選を控え、政策判断を伴う事業の計上を見送った自治体もあり、予算編成の行方が注目される。

【採用活動本格化へ】東建ら、都内で学生向け業界研究フェスタ開く

 東京建設業協会(東建、飯塚恒生会長)と東京土木施工管理技士会(伊藤寛治会長)は20日、学生に建設業界や会員企業の仕事の情報を発信する「みんなの建設業★業界研究フェスタ」を東京・丸の内の東京国際フォーラムで開いた。

 会員企業80社がブースを出展。来場した学生に事業内容などを説明するとともに、就職活動の参考にしてもらうための情報を提供した。

 建設業界団体が主催する国内最大級のイベント。大学院、大学、短大、高専、専門学校の建築系や土木系、電気系、設備系、文系の学生約650人が参加登録した。説明会に先立ち行われた講演会では、日経BP社の野中賢日経コンストラクション編集長が「専門媒体だから話せる、建設業界のリアルな現状と今後のトレンド」をテーマに講演した。

 東建の飯塚会長は学生たちを前に「建設業は夢を形にしていく仕事、人々が安心して暮らせる社会を築く仕事、やりがいを感じ誇りの持てる魅力ある仕事だ」と述べ、「たくさんのブースを訪問し、良いきっかけづくりにしてほしい」と呼び掛けた。

【鉄鋼分野で世界最大級の規模】JFEスチール、千葉市内に大型破壊・疲労評価センター

 JFEスチールは、鉄鋼分野で世界最大級の大型破壊・疲労評価センターを千葉市内に開設した。これまで地区ごとに分かれていた一部の試験設備をスチール研究所の千葉地区(千葉市中央区)に集約。造船やパイプライン、建築用厚鋼板などの破壊・疲労分野で研究開発を一貫して行い、研究効率の向上を図る。

 同センターの整備には約10億円を投資した。スチール研究所千葉地区の所在地は川崎町1。開設した同センターは鋼板や鋼管に機械で圧力を加え、どの程度の力にまで耐えられるのか、実際に破壊し製品を評価する。

 建築分野では、より高強度で薄い鋼板を求める声があるという。都市部を中心に再開発などのプロジェクトが活発し、高さ300メートル級の超高層ビルの荷重に耐えられる鋼材が求められている。鋼材の厚さを薄くすることで溶接や搬送にかかる時間をできるだけ短くし、人手不足が深刻な現場で省力化につなげたいというユーザーの要望にも応える。鋼材の厚さを現在の100ミリから70ミリにするための研究や実験、評価を実施するという。

 船舶やガスパイプライン、建築用鋼材を試験する様子を顧客に見せて、製品や技術に対する理解を深めてもらう。鋼材の破壊・疲労に関する研究史や技術情報の展示スペース、会議室も完備。国内外の顧客や研究機関との共同研究、プロジェクトを創出するイノベーションの場としても活用する。

【日本のトイレ、いろいろあります】トイレのピクトグラム、JISで制定

経済産業省は20日、施設用途などを絵文字で表現する案内用図記号(ピクトグラム)のJIS「Z8210」を改正したと発表した。

 トイレに設置される3種類の便器(和風便器、洋風便器、温水洗浄便座)のピクトグラムを追加した。2020年東京五輪・パラリンピックの開催までに想定される訪日外国人旅行者(インバウンド)のさらなる増加を見越し、分かりやすい案内表示に努める。

 便器の3種類をピクトグラムのJISに追加した背景には、海外で和風便器や温水洗浄便座が普及していない状況がある。経産省によると、不特定多数の人が利用する公共施設を中心に、トイレの出入り口やトイレ内の個室に掲示してもらいたい考え。20年東京五輪・パラリンピックの大会関連施設への掲示も期待している。

2019年2月19日火曜日

【回転窓】巡って楽しい工事現場

建築、土木を問わず公共機関がプロジェクトを行う場合、費用対効果などのデータを事前に開示し事業に対する理解を深めてもらう取り組みが定着しつつある▼高速道路の新区間が開通して、目的地にたどり着く時間が大幅に短くなるなど工事が終わった後、効果を実感することは多い。だが工事の最中は「何かを造っているな」とは思っても、気になって仕方がないと思う人はそう多くないだろう▼奈良県にある特別史跡・平城宮跡で工事中の「第一次対極殿院南門」。復元プロジェクトに関心を持ってもらおうと、国土交通省近畿地方整備局の飛鳥歴史公園事務所が現場を覆う素屋根の南側に、完成イメージを印刷した特大のシートを設置した▼南門の本体工事は4月に始まる予定で、シートの前に設けた見学デッキに上れば古代の技法を使った左官や瓦ぶきなどが間近で見られるそう。できるだけ多くの人に事業を知ってもらいたい。さまざまな工夫には同事務所の思いが込められている▼春の訪れにはまだ少し早いが、あとひと月もすれば桜の開花も始まるだろう。春の行楽に今年はぜひ、工事現場巡りを加えてみては。

【9月の都都計審に変更案付議へ】首都高日本橋区間地下化、都市計画変更手続き開始

首都高速道路の日本橋区間(東京都中央区、千代田区)の地下化に向けた都市計画変更の手続きが始まった。

 東京都と首都高速道路会社が、地下化区間を含む神田橋ジャンクション(JCT)から江戸橋JCTまでの約1・8キロを対象とした都市計画変更素案を作成した。周辺で計画されている再開発事業と足並みをそろえ事業化を目指す。

 9月ころに開かれる都都市計画審議会に2件の再開発関連都市計画とともに付議される見通しだ。

続きはHP

【事業費3000億円見込む】JR東、羽田空港アクセス線の環境アセス手続き着手

JR東日本は、東京都心部と羽田空港を結ぶ「(仮称)羽田空港アクセス線」の環境影響評価(環境アセス)手続きを進める。

 計画している3ルートのうち、「東山手ルート」のJR山手線田町駅付近(港区)~東京貨物ターミナル付近(品川区)の約7・4キロと、3ルートの共通区間となる「アクセス新線」として同ターミナル付近~羽田空港(アクセス新線、大田区)の約5・0キロの計12・4キロが対象。事業費は約3000億円を見込んでいる。

 東山手ルート、東京貨物ターミナルからJR山手線・大崎駅(品川区)方面の「西山手ルート」と、りんかい線・東京テレポート駅(江東区)方面の「臨海部ルート」の3ルートを計画中。東山手ルートと共通区間について、都の環境アセス条例に基づく手続きに入り、環境アセス調査計画書を5~6月にまとめる。

 整備事業は、手続き・工事で約10年を想定している。羽田空港には、現在の第1、2ターミナル間に羽田空港新駅を設置する。環境アセス手続きの対象には含めていないが、羽田空港新駅から国際線ターミナルまでの新設路線の整備も計画している。東山手ルートとアクセス新線の事業費、事業期間には、西山手ルート、臨海部ルートを含めておらず、両ルートの整備に当たっては関係機関との協議が必要になるという。

 環境アセス手続きへの着手は、日本記者クラブが15日に開いた講演で深澤祐二社長が表明。「羽田空港はまだ利用者が増える。さまざまなアクセスをつくるのは社会的に意義がある」と実現に意欲を見せた。

2019年2月18日月曜日

【回転窓】ル・コルビュジエ誕生前夜を味わう

「団塊の世代」の名付け親で、経済企画庁(現内閣府)長官も務めた作家、評論家…。先日亡くなった堺屋太一氏は先見の明を持つ、多才な人だった▼「一芸に秀でた人」ではなく「多才な人」には顕著な業績を残している人が少なくない。建築界の巨人ル・コルビュジエ(1887~1965年)もその一人。若いころ本名のシャルル=エドゥアール・ジャンヌレとして、キュービスムの流れをくむピュリスムの絵画制作に打ち込んだ▼雑誌に「ル・コルビュジエ」のペンネームで建築論を連載し、著述活動を通じて思想を大きく進化・発展。絵画や彫刻にとどまらず出版やインテリア・デザイン、建築設計、都市計画と幅広い領域で芸術活動を展開した▼建築を近代的な芸術に高めるという理念の下、建築と絵画・彫刻による総合的な芸術空間を創造した。画家ジャンヌレは建築家コルビュジエへと生まれ変わった▼コルビュジエ誕生前夜を紹介する展覧会「絵画から建築へ-ピュリスムの時代」が19日に東京・上野公園の国立西洋美術館で始まる。コルビュジエが創り出した世界遺産建築を堪能しながら彼の原点を味わいたい。

【人気ガールズバンドとコラボ!!】高松建設、就活生向けにPR動画制作

 高松建設は、就職活動に入る学生向けに企業紹介のプロモーション動画を制作した。大阪を中心に活動している女性ハードロックバンド「ガールズロックバンド革命」とコラボレーションしている。

 建設現場などで実際に活躍する若手社員の仕事風景を、重厚で疾走感のある楽曲「CHANGE」に合わせて、ミュージックビデオ風に描いている。若い世代にインパクトを与え、「仕事がきつい」「男性社会」というイメージを払拭(ふっしょく)。建設業が格好いい仕事だと感じてもらう狙いだ。

 動画は同社の主要業務である施工管理と設計、コンサルティング営業の三つに焦点を当てている。実際に活躍する若手社員が出演。仕事の様子や、全部門が同じベクトルを向きプロジェクトに挑んでいく姿を撮影した。

 ガールズロックバンド革命は、若い世代で注目を集めている。同社は昨年101年目を迎え、次の百年へ向けた転換期に入ったこともあり、CHANGEというタイトルの曲を選んだ。

【凜】山下PMC事業統括本部事業統括部・野崎文香さん

 ◇発注者から指名される存在に◇

 さまざまな工程に分かれている建築物をすべて自分で手掛けてみたい-。この思いを実現するため、コンサルタント業界に飛び込んだ。

 学生時代は設計制作だけでなく、土地の取得から設計・施工者を選定する「コーポラティブ住宅」の研究に没頭。卒業後は官庁プロジェクトをメインに手掛けるコンサルタント会社に入社したが、「もっと実務に触れたい」と強く感じ、転職を決意した。

 山下PMCに入社したのは約5年前。事業統括部でPMr(プロジェクトマネジャー)をサポートしながら、発注図書や計画づくりなどを担う。

 発注者支援は「多くの関係者と複雑に絡み合ったプロセスを経て、最適解を導き出す仕事」と強調。発注者の要望に真摯(しんし)に対応していく中でやりがいを実感する。

 自身も参加した横浜市庁舎(横浜市中区)の移転整備や日本サッカー協会の「夢フィールド」(千葉市美浜区)、官民連携による多目的アリーナ「フラット八戸」(青森県八戸市)が着工を迎え、「自分が担当したプロジェクトが日の目を見る」と胸を弾ませる。

 判断に迷った際は「賢人さん」と呼ばれるベテラン社員に指導を仰ぐことも。仲間と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、「発注者から担当を指名される存在になりたい」と夢を語る。

 (ヴァイスプロジェクトマネジャー、のざき・ふみか)

【中堅世代】それぞれの建設業・221

自治体職員は公共事業の最前線に立っている
 ◇住民の窓口として耳を傾ける◇

 地方自治体の職員として働く佐藤弘さん(仮名)は、本年度から街づくりを推進する部署の課長に就いた。周辺で都市基盤整備事業を控えた駅前の街づくりを担当。「1年生で分からないことが多い」と不安はあるものの、それでも「なんとか事業を軌道に乗せたい」という思いを胸に、「住民の窓口」としてさまざまな人の声に耳を傾けている。

 緑豊かな郊外で生まれ幼いころから、生き物などと触れ合うことが好きだった。将来は自然を守る仕事に就きたいと考えるようになり、大学で造園などを学んだ。就職活動を始めたころ、何げなくテレビを見ていて目に留まったのは、住宅が立ち並ぶ人口の多い地域に整備された親水公園の映像。多くの人と自然が共存する「地元にはない光景」に心を奪われた。整備した自治体は水辺の多い景観を重視し、公園などの整備を進めていた。「この事業に携わりたい」。そう考え、現在の自治体に入ることを決めた。

 最初に配属されたのは道路保全などを担当する部署。「工事してすぐに、目に見えて道路がきれいになっていく」過程に面白さを感じた一方で、厳しい工期や夜間作業の多さに戸惑った。現場監督を務めた夜間工事で、予定の明け方までに作業が終わらず、上司に「これまでの人生の中で一番きつく怒られた」ことを、今でも思い出す。

 数年後に異動となり、念願だった水辺の景観整備を手掛ける仕事に就くことができた。担当したのは河川両岸に遊歩道を整備する事業。護岸整備に併せて遊歩道を設け、景観と調和する桜並木を作る計画だった。完成後、満開の桜並木を多くの人が行き交う光景を見た時の喜びはひとしおだった。

 道路や河川といった土木部門で約10年キャリアを積んだ後、建築部門への異動を命じられた。配属されたのは都市計画などを扱う部署。「用途地域、建ぺい率、容積率についてさえよく知らなかった」当時は、慣れない言葉や業務に悪戦苦闘した。問い合わせに的確に答えられず、「厳しい言葉もいただいた」。それでも「自分の視野を広げるチャンス」と勉強を重ね、5年以上担当することができた。

 現在担当している街づくりの業務は、「道路保全とは違い、すぐに結果が出ない」。長期間にわたって取り組まなければならないところに事業の難しさを感じている。心掛けているのは「こちらの一方通行」で事業を進めないこと。丁寧に話を聞き、住民がどういった街を求めているのかを正確に把握し、事業に反映することが大切だと考えている。

 部署ごとで業務内容に違いはあるが、「事業の最前線に立って、住民の声を聞く」ことは変わらない。住民とのつながりが深まり、事業完了後に喜びの声が直接届いた時が、「自治体職員としての最高の喜び」だという。3歳になる自身の子どもにも、職員としてこのうれしさを体験してほしいとひそかに願っている。

【サークル】西松建設硬式庭球部


 ◇秋の団体戦で優勝めざす◇

 ベテラン社員によると昭和30年代から活動しているという。約140年に及ぶ会社の歴史で、約半分の年月をともに歩んできたことになる。伝統ある会社公認の部として、精鋭約20人(1月時点)が活動中だ。

 活動モットーは「継続は力なり」。建設業17社で構成する「建設業硬式庭球連盟」に所属しており、春と秋の大会参加が主な活動内容だ。

 当面の目標は、11月に開かれる秋の団体戦での優勝。栄冠獲得を目指して練習を重ねている。前回の大会は1部リーグで優勝を果たした。実力は折り紙付きだが、部長を務める山下和也開発事業第一部企画課課長は「前回大会では力は拮抗(きっこう)していた。次回はどんな結果になるか分からない」と気を引き締める。

 「最近は同業他社も若手職員が数多く大会に顔を出すようになってきた」と山下課長。社内で日ごろ接点のない職種の人や、同業他社と関われることもクラブ活動の利点の一つ。「若い人でも年長の人でも、仕事もテニスも頑張れる人は、自薦・他薦を問わずぜひ参加してほしい」と新規部員獲得に意欲を見せている。

【駆け出しのころ】前田道路取締役執行役員営業本部副本部長・大西國雄氏

 ◇逃げずに日々研さんを◇

 高校・大学時代はとにかくラグビー漬けの毎日でした。しかし、同じ夢を持ち、厳しい練習を逃げずに必死で耐えた仲間と過ごした時間は、人生で最も貴重な財産です。今でもラグビーを通じて多くの人とつながりがあります。何より前田道路に入るきっかけも、ラグビー関係者から体を動かし、額に汗して働く建設業が向いていると強く勧められ、入社を決意したことを覚えています。

 本社採用でしたが、東北出身で方言が抜けきらなかったからなのか、入社後31年間は東北勤務が続きました。営業所は家族意識が強く人間関係も温かい雰囲気がありましたが、日々仕事に追われ、苦労したのを覚えています。特に北国の東北では冬場の舗装作業が難しくなります。11~12月の忙しさを乗り越えるため、学生時代のラグビーの合宿を思い出しながら必死で仕事に励みました。

 若い頃は、先輩に「仕事は教わるのではなく、盗むものだ」と言われ、早く会社の一員として戦力になりたいとの思いを強く抱き、休むことより仕事を優先して頑張ったものです。しかし、そんな中でも大雨で作業を中断せざるを得ない、急な休みの時には仲間と酒を酌み交わしながら英気を養うこともありました。社会人になってからも30代前半まで地域のラグビーチームに参加していました。

 昨年、東京都内で行われたニュージーランドのラグビー代表チームであるオールブラックスと日本代表チームの試合を観戦しましたが、人混みがすごくてラグビーはプレーするものだと思いました。今年はワールドカップが開催されますが、テレビ観戦で応援しようと考えているところです。いつでも、どんなに仕事に追われていようとも、仕事のオン・オフの切り替えは不可能なことではないと思っています。

 昨今の働き方改革が推進される中、会社と社員は生産性の向上と業務の簡素化の狭間で少々難題も抱えていますが、若い社員のマンパワーは必要不可欠です。日々研さんを重ね、より良い環境づくりと向き合い仕事をやり遂げたいと思います。

 建設業は地味で厳しい仕事と思われがちですが、自分が携わる仕事が形となり、目にすることができます。社会的な役割と責任も非常に大きく、完成時に味わう達成感は格別で、次へのやりがいにつながります。

 健全なる精神は健全なる肉体に宿る-。企業に置き換えれば、「健全なる人材は健全なる会社に宿る」と言えるのではないでしょうか。地道な努力、訓練を重ねて自らを高める一方で、出会った方々との和を大切にすることも忘れてはいけません。

 信頼されて任された仕事で期待以上の成果で応えながら、仕事の輪も自然と広がっていくような持続的な事業環境を創出することに一層注力していきたいと思います。先人たちが築いた会社とその精神を継承し、さらなるレベルアップを図り、次代に引き継いでいくことが、これからの責務だと考えています。
入社8年目。社会人チームで参加した東北国体予選での一枚
(写真中央が本人)
(おおにし・くにお)1986年法政大学経営学部経営学科卒、前田道路入社。東北地方の営業所や合材工場、支店勤務などを経て2011年に東北支店長。18年から現職。青森県出身、56歳。

2019年2月14日木曜日

【回転窓】若者が切り開く海外旅行

空港方面に向かう電車でスーツケースを引いた若者たちを見かけた。2月中旬という時期から察すると、卒業旅行なのかもしれない▼JTB総合研究所によると、日本の海外旅行市場に変化が起きているという。年代別の出国率を見ると、主流だったシニア世代が減少している一方で、20代前半が上昇する傾向にある。雇用環境の改善や給与所得の上昇などが背景にあると考えられ、これからは若者が海外旅行のけん引役になると分析している▼自分が20代に旅したころは、拙い英語で尋ねながら目的地を探す場面が多かった。インドの山奥をバスで移動した時、「どこを走っているのかわかれば、もっと面白いのに」と思ったことも▼今はスマートフォンなどの普及で現在地や目的地が正確に把握できる。場所を記録できれば再訪も容易だ。知り合った相手とメールアドレスなどを交換すれば、リアルタイムでやりとりもできる▼そうしたツールは旅の在り方を変えるはず。世界に旅立つ若者は、今までとは違ったつながりや足跡を海外に残してくるのだろう。新たな事業や社会貢献が始まるような若者たちの出会いに期待したい。

【総延べ13.5万㎡、20年春開業めざす】大和ハウス工業、沖縄県豊見城市に水族館併設大型複合施設

 大和ハウス工業は、沖縄県豊見城市に水族館を併設した大型複合商業施設「(仮称)沖縄豊崎タウンプロジェクト」を建設する。

 総延べ約14万平方メートルの規模で、水族館を併設した大型複合商業施設は、県内初となる。大林組の設計・施工で昨年12月に着工した。環境デザインはスペースが担当している。運営は大和情報サービスが行う。20年4月のオープンを予定している。

 計画地は豊崎3。那覇空港から約6キロに位置している。同市はビーチリゾートとして発展しており、建設地は「豊崎タウン」として開発しているエリア内となる。敷地面積は7万1499平方メートル。建物規模はS造4階建て延べ13万5000平方メートル。

 マルシェとレストランを組み合わせた「フードホール」や大型スーパーマーケットを中心とした店舗、大型家電量販店、ファッション、インテリア、アミューズメントパークなど約170店舗が出店する予定。ミニチュアテーマパークや、屋上のバーベキューエリアなども設ける。駐車台数は約3100台を計画する。

 施設は「DMMかりゆし水族館」が併設される点が特徴。水族館の事業主はDMM RESORTSで、最新の映像表現や空間演出を駆使した施設にする予定という。大和ハウス工業は、同地区での開発に積極的に取り組んでいる。2002年には商業施設「沖縄アウトレットモールあしびなー」を開業させている。

【GWまでの完全復旧めざす】関空連絡橋、橋桁の架設作業開始

工事関係者が見守る中、大型クレーン船で吊り上げられる橋桁
(2月12日深夜、大阪市泉佐野市の関空連絡橋で)
西日本高速道路会社は12日深夜、18年9月の台風21号の強風でタンカーが衝突、損傷した関西国際空港連絡橋(大阪府泉佐野市)に新たな橋桁を架設する作業を開始した。

 橋桁(約188メートル)の設置は2回に分けて行われ、13日未明には関空島側のA1~P1間(89・8メートル)の架設が無事に完了。残るP1~P2間(97・8メートル)の工事も13日深夜から14日未明にかけて実施される。被災から約5カ月という異例の早さで桁架設にまでこぎ着けた。3月中には対面通行規制を解除する予定だ。

 タンカーが衝突した連絡橋の空港島付近は上部の左右に高速道路上下線、下部の中央を鉄道が通る2層構造。タンカーが直接衝突した高速道路下り線の橋桁2本は鉄道側に最大約4メートルずれるなどの被害を受けた。

 西日本高速道路会社では、昨年9月12~14日に損傷した橋桁を2ブロック(A1~P1間、P1~P2間)に分けて撤去。損傷した橋桁はIHIインフラシステム堺工場(堺市)と、高田機工和歌山工場(和歌山県海南市)に搬入され、解体、桁製作、塗装、組み立てなどを経て1日に完成した。

 IHIインフラシステムは損傷が大きかったP1~P2間の橋桁(858トン)を新たに製作。高田機工が担当したA1~P1間(790トン)は損傷が軽微だったため、6割程度を再利用している。

 架設作業は深田サルベージ建設のフローティングクレーン(FC)船を使用し、A1~P1間を先行して実施。12日の昼間から桁をつり上げた状態で待機していたFC船は、関西空港A滑走路の運用が終わる午後11時30分ごろに作業位置への移動を始めた。鉄道の運行が終了した後、13日午前0時30分ごろには架設位置の上空まで移動。そこから微調整を行いながらゆっくりと橋桁が下ろされ、同日未明に作業を無事完了した。

 P1~P2間でも同様の作業を13日深夜から14日未明に行う。その後、舗装や照明設置等の工事が順調に進めば3月中に対面通行規制を解除、上下各2車線の4車線を確保する。今春の大型連休までに上下各3車線の完全復旧を目指す。