2024年3月19日火曜日

回転窓/能登の春遠からじ

 冬の寒さが和らぎ、外出時の服装は防寒の厚着から薄着に変わりつつある。気温が上がり、各地では春の訪れを告げるサクラの開花がこれから本格的に進む▼春の陽気で身も心も軽くなると、うちにこもらず、外に出かけたくなるのが人の行動心理だろう。花見の名所などの観光地には、待ちに待った行楽シーズンが到来する▼先週末の16日、北陸新幹線で富山・石川方面に出張で訪れた。始発の東京駅から乗車すると、連休でもないいつもの土日ながら自由席はすぐ満席に。途中駅の上野、大宮からの乗客も加わり、通路には人があふれ、車両内を行き来するのも大変な状態だった▼金沢~敦賀の延伸区間開業に加え、旅行代金が割り引かれる「北陸応援割」が始まった効果かと思いきや、半分以上の乗客は途中の長野辺りまでに降車。他の車両の状況は分からないが、服装や荷物などからスキー・スノボーや登山が目的の方が多かったようだ▼冬来たりなば春遠からじ--。厳しい冬が来ても、暖かな春は必ず訪れる。今はつらく、大変な状況が続く能登半島地震の被災地だが、この先には復興という明るい未来が待っている。

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2024年3月18日月曜日

回転窓/点字ブロックの歴史を知る

 きょう3月18日は「点字ブロックの日」。1967年のこの日、岡山市内に世界で初めて敷設されたことにちなんだ記念日である▼発明者は三宅精一氏(26~82年)。視覚障害者が交差点で道路を横断しようとしていた時、車が横を勢いよく走っていくのを見て「はっ」とし、点字ブロックの構想が浮かんだという▼開発経緯や普及への歩みは安全交通試験研究センター発行『白浪に向いて 三宅精一を語る』(83年、岩橋英行著)に詳しい。三宅氏は中途失明する著者との親交を通じて、視覚障害者が安全に歩けるための構想実現へ試行錯誤し開発に成功する▼それから半世紀以上がたち、歩道や駅ホームなどに設置された点字ブロックは、視覚障害者の歩行に欠かせない社会インフラとなっている。だがその上に荷物や自転車などが置かれていたらどうなるのか。誰もが容易に想像できよう▼著者は発行前年に亡くなった三宅氏にヘレン・ケラーの言葉を手向けている。「あなたのランプの灯を、今少し高く掲げて下さい。見えぬ方々の行く手を照らすために」。後世に伝えていかなければならない点字ブロック誕生の歴史がある。

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2024年3月14日木曜日

回転窓/食物繊維25グラムに挑む

 朝食は野菜から食べ始める「ベジファースト」を実践している。最初に野菜を食べるだけで、食事内容を変えず手軽にダイエットできるとの触れ込みで始めたが、現実はそう甘くないようだ▼厚生労働省の有識者検討会が2025年に改定する「日本人の食事摂取基準」案で、新たな栄養素などの摂取基準量を示した。この中で「少なくとも1日当たり25~29グラムの食物繊維の摂取が、さまざまな生活習慣病のリスク低下に寄与する」と指摘している▼より多くの摂取で病気になるリスクを減らせるとの研究もあり、成人には現行基準より1グラム多い1日当たり25グラム以上の摂取を推奨した。これは一般的なトマトで約17個分、食物繊維が多いゴボウでも約2・5本分に当たる▼毎日の食事だけで推奨値をクリアし続けるのは難しい。食物繊維が豊富な食材を摂るだけでなく、健康食品やサプリメントの適切な活用なども求められる▼国民の健康や栄養調査に基づき食事摂取基準は5年ごとに改正される。体を大切にしてこそ仕事や遊びも楽しめる。ベジファーストは続けつつ、新年度を前に健康維持への日々の取り組みについて考えよう。

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2024年3月13日水曜日

回転窓/温かいお別れ

 近所の少年サッカーチームでベテランコーチとのお別れ会が先日開かれた。言葉が厳しいせいか、低学年の選手や保護者には誤解されやすい一面があったのだという▼高学年になるにつれて慕う選手が増えていくコーチで、「小さいころ嫌いだったけど今は好き。褒められるとうれしい」と話す6年生の何人かが別れを惜しんで涙を流していた。厳しくも的を射た指摘に納得してきた保護者からは感謝の言葉が相次ぎ、温かい思い出になった▼今年も季節柄、別れの連絡をいただくのが増えた。「少しのんびりするつもりです」。交通運輸系のメディアを離れる公私でお世話になった記者からのメールに、そう書き添えてあった▼異動、転職、退職など、さまざまな事情で4月から環境が変わる人は多い。身近な人には出会いに感謝し、これからの活躍を願って「どうぞお元気で」と送り出したい▼サッカーチームのお別れ会で、ベテランコーチの職業は漁師であり、早朝の仕事を終えてから指導していたことが初めて明かされた。知らない一面ばかり。いずれ別れの時が来るなら、お互いを知る機会をもっと増やしていきたい。

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2024年3月12日火曜日

回転窓/不適切な「××」

 1月からTBS系で放送中の金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』。取材先との雑談などでもよく話題に上り、特に昭和世代の視聴者の多くがはまっているという▼主人公の体育教師が1986(昭和61)年から現代へタイムスリップし、出会う人たちとの絆をコメディータッチで描く。不適切発言やハラスメント連発の「昭和のおじさん」の極論が、コンプライアンスで縛られた現代人の価値観を揺さぶるのも見どころだ▼昭和から令和へと時代が移る中で変わっていいこと、変えずに守るべきことは…。ドラマでは多様性が尊重される現代社会で、異質なものを認めようとしない矛盾も示唆する▼生まれ育った時代や社会環境の違いにより、世代間の文化や考え方などに隔たりが生じるジェネレーションギャップ。70代後半の団塊の世代から10~20代前半のZ世代まで、幅広い年齢層が交わる社会での正論は一つに収まらないだろう▼働き方改革や人材育成もしかり。働き手の考えが千差万別なのに、一律的なルール・価値観で多様な働き方や学び方に制限をかけては、人も経済も持続的成長が望めないのではないだろうか。

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2024年3月11日月曜日

回転窓/ラジオ放送の共感性

 ラジオの聴取者はリスナーと称される。テレビにはこうした聞き慣れた言葉が見当たらず、ラジオ好きな人たちを総じた呼称とも言えよう▼1925年に日本のラジオ放送が始まってから来年で100年を迎える。当時は関東大震災(23年)を契機に高まったラジオへの期待が放送開始への後押しとなった。現在も災害時のメディアとしてラジオが果たす役割は大きい▼毎日放送の大牟田智佐子さんが『大災害とラジオ』(ナカニシヤ出版)に書いている。ラジオの災害放送は被害や生活に関わる情報を伝えるだけでなく、被災者らがいつものパーソナリティーの声を聞いてほっとするなど、特性の一つに〈共感〉があるという▼AMとFMとでは違いが見られ、例えばAMはリスナーの声を拾い上げて交流し、FMが音楽や日常の話題で安心を届ける。リスナーの置かれた状況に寄り添い共感して励ましなどを提供するもので、大牟田さんはこれをラジオの〈共感放送〉と呼ぶ▼民間ラジオ放送事業者がAM放送を終了し、FM放送への転換などを検討している。災害時に限らずこれからも大切な共感性はどうか失われないでほしい。

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2024年3月6日水曜日

回転窓/隣家に来た職人

 隣の一戸建て住宅で修繕工事が始まった。前日にはベテランと若手の職人が社名入りのタオルを持ってあいさつに。作業内容とスケジュールに関する説明が丁寧で分かりやすく、隣人としてこれなら大丈夫だろうと安心できた▼現場からは板材の加工やビス打ちなどの作業の合間に、心地よいやりとりが聞こえてくる。「(板材の)7号持ってきて」「置いてあります」。「あの角は測った?」「そこに書いておきました」▼そんな二人の会話だけで生産効率は極めて高いのだろうなと思えてしまう。「木くずが飛んでしまったので拾わせてください」と話しに来た若手に聞くと、職人になって2年目なのだという▼週末に仕事をしているので「お休み取れてる?」とも尋ねると、施主宅の駐車場を部材の加工などに使うため、車のない時間が長い日を中心に作業しているのだそう。「今は平日に休みをもらってます」と教えてくれた▼新しい公共工事設計労務単価が公表された。引き上げは12年連続で民間工事への波及も期待されている。「お給料は上がりそう?」。余計なことと承知の上で、今度話せた時にこっそり取材してみよう。

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2024年3月5日火曜日

回転窓/多様な焼き鳥文化

 梅や寒桜が関東各地で見頃を迎えている。近くの公園では早咲きのオカメザクラが満開となり、肌寒い中でも花をめでながら酒宴を開く方々がおられた▼酒宴の一団はガスコンロを持ち込み、鍋や鉄板でいろいろ調理していた。おいしそうな匂いに誘われて料理の話を伺うと、ひときわ目を引いたのは鶏皮肉を甘辛のタレで焼き上げた「今治焼き鳥」。愛媛県今治市出身の方が地元料理を振る舞ったようだ▼今治焼き鳥は熱々の鉄板の上で、大きな鉄のコテを使って肉を押さえながら豪快に焼く調理スタイル。市のホームページによると、商売人が多く、せっかちで待つのが嫌いな気質と言われる今治の人を満足させることから、約50年前に考案されたという▼日本焼き鳥協会では〈1〉畜産物(野生含む)の肉・内臓等を使用〈2〉食べやすい大きさに加工し串に刺す〈3〉塩・タレ等で焼き上げる-の3条件を満たしたものを「焼き鳥」「やきとり」と定義する。串に刺さないスタイルでも、今治のように地域の文化とされる場合は認定の対象となる▼酒のお供で定番メニューの焼き鳥。今夜も1軒立ち寄り、日本文化の味を堪能しよう。

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2024年3月4日月曜日

回転窓/街の表情と舗装

 会社に近い飲食店街を歩き、いつもとの違いにすぐ気が付いた。両サイドを店に囲まれた道路が明るいカラーアスファルト舗装に打ち換えられている▼朝に通るとごみが散乱して雰囲気も暗く、普段からお世辞にもきれいとは言えない一画であった。それが新しい舗装で周囲の印象も大きく変わったように感じるから驚きだ。舗装が街の表情を豊かにしてくれた好例だろう▼中央官庁による景観施策は1980年代から本格化していく。その中で当時の通商産業省(現経済産業省)は学識者や画家、旅行ジャーナリストらで構成する景観材料研究会を設置(88年)。検討成果が『街の素材-美しい景観をめざす“もの”づくり』(90年)にまとめられている▼この頃に景観材料への関心は高まりを見せる。〈いいものは、いい材料があり、いい職人がいないと造れない〉。同研究会で委員長を務めた学識者の言葉が思い出される▼2005年6月に景観緑三法が全面施行となるが、今から30年以上前にいい景観をつくるための素材にも官民の目が向けられていた。現在は景観舗装もバリエーションが豊富で一層の普及が期待される。

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2024年3月1日金曜日

回転窓/能登半島地震から2カ月

 能登半島地震で被災した能越自動車道のうち、のと三井IC~のと里山空港IC間で2月27日、対面通行が再開された。応急復旧だが被災地に大きな力となる▼国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所は「一歩ずつ確実に」とのハッシュタグを添えて復旧状況をSNS(インターネット交流サイト)に投稿。「土砂に雪に…本当に大変。心から感謝申し上げます」とコメントが寄せられていた▼きょうで発災から2カ月。住宅再建や主要インフラの全面再開には至っておらず、復興への道のりは遠い。被災地に明るさを取り戻すため地道に歩みを進める必要がある▼土木学会は災害時に根幹的な役割を担う幹線道路について、復旧の容易さなどを考慮した構造・工法を検討すべきだと指摘している。災害が起きても機能維持できる高規格インフラがあれば安心して人が集う▼北陸新幹線の金沢~敦賀間が16日に開業する。地域活性化への寄与と同時に、安定したネットワークとしても大きな意味を持つ。石川県は開業日に観光支援策「北陸応援割」を始める。被災地の再生を願いつつ、春の北陸を訪れてみてはどうだろうか。

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2024年2月29日木曜日

回転窓/100年先も見た使命

 東京都台東区内の柳が植えられた建物の前を通るのが散歩の定番コースとなっている。落語家・林家正蔵師匠の自宅で、父林家三平師匠の資料館「ねぎし三平堂」でもある。現在はリニューアルのため閉館中だが、再開を楽しみに待ちたい▼東京の落語家や講談師らでつくる「落語協会」が25日に創立100年を迎えた。1923年の関東大震災で多くの寄席が焼失し、ばらばらで活動していた落語家たちが団結し翌年に発足した▼落語家は活躍の場が寄席からラジオ、テレビへと広がり、近年ではインターネットを介した新たなメディアにも。各時代の名人たちが芸を守り革新してきた歴史だったのだろう▼「こんなにうれしいことはない。お客さまに喜んでもらうことでしか恩返しできない」と会長の柳亭市馬師匠。100年先のお客さまに応えられるよう良い芸を提供していくのが使命とも語る▼建設業は相次ぐ災害への対応や需給の変化など幾多の困難を乗り越え、創業から1世紀を超える企業も多い。市馬流に言えば、100年先のニーズにも応えられるよう高品質の建造物を提供していく建設業の使命はこれからも不変だ。

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2024年2月28日水曜日

回転窓/LRTで変わる地域づくり

 宇都宮市と栃木県芳賀町を結ぶLRT(次世代型路面電車)の宇都宮ライトレールの開業から半年が過ぎた。国内初の全線新設、75年ぶりの路面電車などと話題を集め、地域の期待を背負って2023年8月26日に運行が始まった▼利用者はほぼ想定通りに推移。土曜や休日は想定の2倍以上の人が乗降することもあり、「自分の力で乗りやすい、利用しやすい公共交通」(佐藤栄一宇都宮市長)として地元の人たちや観光客らに親しまれている▼宇都宮駅からは西口方面への延伸が計画され、25年度にも国に軌道事業の特許申請を行う動きがある。市は延伸関連の費用を24年度予算案に計上した▼予算案を発表した記者会見で佐藤市長は「人口減少に対応できる都市基盤を今のうちに造っておきたい」と話した。「人口が当初より減る予想」という強い危機感が念頭にあり、「財政事情に満足せず、打って出たい」とまちづくりに意欲を見せる▼宇都宮ライトレールの車両は「(未来への)光の道筋」との思いを込めて「ライトライン」の愛称で呼ばれる。地域の顔となった新しい公共交通が次代のまちづくりをけん引していく。

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2024年2月27日火曜日

回転窓/戦争と建設

 ロシアの文豪、トルストイの傑作とされる長編小説「戦争と平和」。フランスの皇帝ナポレオンによるロシア遠征など19世紀前半の史実を踏まえ、ロシアの貴族や庶民の人間模様を描きつつ、生きる喜びや豊かな人生の在り方を示す▼世界中で読み継がれる文学作品の一つだが、登場人物は559人に及び、ストーリーが複雑に入り組んで難解とされる。それでも題名にある戦争への批判的な姿勢はうかがえる▼2年前に開始されたロシアによるウクライナ侵攻が今も続いている。多くの人たちが犠牲となり、悲劇しか生まない戦争を繰り返す人類史にピリオドを打つのはなかなか難しいようだ▼先週、国土交通省はウクライナ地方・国土・インフラ発展省との間で、同国の復旧・復興支援などの協力覚書を交わした。対象分野は鉄道・道路・空港・海上輸送、道路管理、観光、住宅、ダム、上下水道、都市・国土計画、建設業の法規制と幅広い。ワークショップや会合を通じて情報交換を進めるという▼人々が安心・安全に暮らせる平和な社会を築く上でインフラは不可欠。戦禍で荒廃した国土の再生で建設産業が果たす役割は大きい。

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2024年2月26日月曜日

回転窓/教育界の変化

 東京大学が文系と理系を融合した5年制の新たな教育課程の創設を目指している。学士課程と修士課程の一貫カリキュラムで、2027年開設を予定。秋入学とすることで世界から学生を受け入れやすくする▼名称は「カレッジ・オブ・デザイン(仮称)」。社会システムの変革を含めた広義の意味でデザインを再定義し、人文学や社会科学、工学など分野をまたいだ学びを展開する。社会変革の担い手となる次世代リーダーの育成が目標だ▼SDGs(持続可能な開発目標)など、多様な社会課題の解決が求められる現代。新たな枠組みで輩出される人材は企業にとっても魅力的なはず▼新課程は1学年100人程度。学生全体からすると少数だが、大学教育の多様化といった観点から影響を与える可能性がある。秋入学が広がれば就職・採用はもちろん、社会全体に変化が及ぼう▼新人研修など組織が一斉に行ってきたことも従来通りいかなくなるかもしれない。多様な人材に活躍してもらうには、これまでと違うことを否定せず、許容する度量の広さも必要。次世代のリーダーを呼び込むため、建設業界も柔軟な姿勢が求められる。

source https://www.decn.co.jp/?p=161288

2024年2月22日木曜日

回転窓/学生時代の思い出

 母校の柔道場が解体されることになり、先日のお別れ会に出席した。50年にわたる歴史を持つ道場に多くのOBが集まり、在学中のつらく苦しかった稽古や合宿などを懐かしみながら会話が弾んだ▼老朽化を理由に京都大学が学生寮「吉田寮」の現棟(京都市左京区)の明け渡しを寮生に求めた訴訟の判決が16日、京都地裁であった。裁判長は現在入居中の寮生の一部に居住の継続を認めた▼現棟は1913年完成の木造2階建てで、利用されている日本最古の学生寮。相部屋でトイレや炊事場、風呂場も共同。月2500円程度で住むことができるという▼京大は2017年12月に「大地震で倒壊する恐れがある」などとし、寮生らに18年9月までの退去を求めた。寮生側は「現棟の補修工事を行うことで合意していたのに一方的に退去を迫られた」などと反論。京大に訴訟を取り下げ、話し合いで解決するよう要求していた▼1月1日に能登半島地震が起きたばかりだけに、老朽化し耐震性の低い現棟をこれからどうしていけばいいのか。何より学生時代に住んだ寮の思い出が大学との裁判で占められてしまってはさみしい。

source https://www.decn.co.jp/?p=161222

2024年2月21日水曜日

回転窓/必要な準備と覚悟

 茨城県の建設関係団体が開いた講演会で、女子バレーボール日本代表監督を務めた中田久美氏が「目標を明確にすれば、やるべきことは見えてくる」とリーダーの心構えを話していた▼最年少の代表入りや三度の五輪出場など、いくつもの史上初を成し遂げてきた中田氏。地元企業の経営者らを前に「新しい風を吹かす、ぶち壊す」ことの大変さを強調した▼講演会は時間外労働の罰則付き上限規制が4月から適用されるのを前に、施工と設計関係の団体会員間で親睦を深めようと企画した懇親会に先立ち行われた。「法律の枠内で適正な工期と利潤を得るのが必要だ」。ある参加者はこう指摘する▼建設工事は設計者と施工者、現場は元請会社と協力会社、職人らの関係で成り立っている。品質や納期、作業の安全はお互いの信頼があってこそ。厳しい規制が適用されてもそうした関係性を維持していかなくてはならない▼中田氏は「夢を現実にする準備と覚悟」の重要性も説く。規制を順守しながらの現場運営には、今までの普通を見直すことも求められる。できる限りの準備とそれぞれの覚悟で大きな課題をクリアしていきたい。

source https://www.decn.co.jp/?p=161185

2024年2月20日火曜日

キャリア採用社員(編集記者・企画提案営業職)の募集

日刊建設工業新聞社ではキャリア採用の社員を募集しています。募集要項は以下の通りです。


キャリア採用

募集職種

編集記者

業務内容

取材・編集・原稿作成

応募資格

大卒以上。PCの基本操作(Microsoft Word、Excel)

募集人数

若干名

勤務地

東京都港区東新橋2-2-10 村松ビル

終業時間 休憩時間

9時30分~17時30分、休憩1時間(実働7時間)

賃金

月給231,500円~271,600円。昇給年1回。賞与年2回

福利厚生

各種社会保険完備

雇用形態

正社員

お問い合わせ

〒105-0021 東京都港区東新橋2-2-10 村松ビル Tel:03-3437-0841 受付時間:9時~17時 Email:sas@decn.co.jp 日刊建設工業新聞社採用担当

キャリア採用

募集職種

企画提案営業職

業務内容

営業、特集の企画・立案、展示会の企画・運営、販売管理業務

応募資格

大卒以上。PCの基本操作(Microsoft Word、Excel)

募集人数

若干名

勤務地

東京都港区東新橋2-2-10 村松ビル

就業時間 休憩時間

9時00分~17時00分、休憩1時間(実働7時間)

賃金

月給231,500円~271,600円。昇給年1回。賞与年2

福利厚生

各種社会保険完備

雇用形態

正社員

お問い合わせ

〒105-0021 東京都港区東新橋2-2-10 村松ビル Tel:03-3437-0841 受付時間:9時~17時 Email:sas@decn.co.jp 日刊建設工業新聞社採用担当

回転窓/皆が共生しやすい国へ

 歴史的に海に囲まれた島国で暮らす人々は外部との交流が少なかったためか、視野が狭く閉鎖的な考え方になりやすいと言われる。この「島国根性」はあまり良い意味に捉えられない言葉だが、日本の国民性や社会性に少なからず通じるものはあるだろう▼先進国の中でも日本の在留外国人比率は低い水準だ。少子化に伴う人口減少に歯止めが掛からず、持続的成長のためにも外国人材の積極的な受け入れは欠かせない。国家間では人材の獲得競争が激化しており、関連法制の見直しが喫緊の課題との指摘もある▼外国人技能実習制度を廃止し、新制度の「育成就労」を創設する政府方針が9日決定された。人材確保に重点を置き、3年間で一定の技能水準に育成し中長期的な在留につなげるのが狙い。事実上無期限の滞在や家族の帯同が可能な「特定技能2号」取得者の増加も促す▼2023年の名目GDP(国内総生産)が世界3位から4位に転落した日本。円安などの影響もあるが、人口減少により経済規模はさらに縮むとの見方が強い▼外国人材から選ばれ皆が共生する国へと転換していけるのか。国民の意識改革も求められる。

source https://www.decn.co.jp/?p=161141

2024年2月19日月曜日

回転窓/旧コンデジ人気に思う

 スマートフォンで手軽に写真を撮れるようになって久しい。そんな中でも20年ほど前に発売されたコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)がここ数年来、若い世代に人気を博しているという▼理由の一つはクリア過ぎず風合いのある画質を楽しめること。片手で簡単に扱え、その形状も10~20代のZ世代を中心に受けているようだ▼若者の間でレトロブームが続いていると言われる。2000年前後の「Y2Kファッション」が流行し、オールドコンデジも00年~10年頃までのものが人気なのだとか。家に眠ったままの古い機種があれば、今の時代に新たな価値が出るかもしれない▼取材先で企業経営者や管理職の方に話を聞くと、多くが世代間の意識や行動のギャップを課題に挙げる。オールドコンデジが人気のように新しいものばかりが受け入れられるわけではなく、世代による違いよりも共感できることを見いだしていきたい▼25年卒学生の就職活動が3月から本格化する。ものづくりにDXも含めさまざまな先進技術を駆使し、良き伝統文化も継承する建設業界に一人でも多くの若者が仲間入りしてくれるのを期待しよう。

source https://www.decn.co.jp/?p=161126

2024年2月15日木曜日

回転窓/持続的発展への一手

 次世代半導体の生産拠点周辺で地元自治体を中心に新しいまちづくりの動きが活発化している。半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)らの第一工場が年内にも稼働する熊本県菊陽町は、最寄りのJR原水駅周辺を対象とした土地区画整理の将来ビジョンの検討を始める▼次世代半導体の国産化を目指すラピダスが新工場を建設中の北海道千歳市は先週、新しい工業団地の整備に乗り出す方針を表明。関連産業の集積に期待を寄せる▼自治体の2024年度予算案の発表が相次ぐ時期になった。次世代半導体を巡っては関連予算の新規計上や拡充が目立ち、栃木県は企業誘致につなげようと、関連企業に対する補助限度額を全国トップクラスに引き上げるという▼同県の福田富一知事は記者会見で「経済を持続的に発展させるには成長が見込まれる産業への対応が重要」と説明し、「戦略的な誘致活動を進めたい」と意欲を見せた▼工場立地や産業集積は、人口や税収の増加に直結する。呼び水となる自治体の予算は企業の投資に似た側面も。先を見て次の一手を地域にどう打つのか、新年度予算の内容が注目される。

source https://www.decn.co.jp/?p=161014

2024年2月14日水曜日

回転窓/座り仕事のリフレッシュ方法

 オフィスでパソコンに向き合う座り仕事となり2年ほどたつ。普段運動する習慣がないので帰宅時に1駅前で降りて歩いているが、期待する効果を得られているか自信はない▼座り仕事も多種多様でドライバーもその一つだろう。労働環境の改善が求められるトラックドライバーの疲労回復や健康増進に寄与するとともに、一般ドライバーにリフレッシュしてもらおうと高速道路のPAやSAにジムがオープンする▼RIZAP(ライザップ)グループと中日本高速道路会社らが5月ごろ、東名高速の日本平PA(上り、静岡市)に24時間営業の小規模無人ジム「chocoZAP(チョコザップ)」1号店を開く。市中の店舗と同じくトレーニングマシンやマッサージチェア、ゴルフ練習ブースなどが設置される▼新店舗ではそうした体を動かしてリフレッシュすることが中心のサービスを提供。チョコザップ会員だけでなく、高速道路の店舗専用に料金プランを設けて非会員も利用可能だ▼運転中の眠気や疲労感は大事故につながりかねない。高速道路でそんな時の対策にジムという新たな選択肢が加わるのを歓迎したい。

source https://www.decn.co.jp/?p=160978

2024年2月9日金曜日

回転窓/中間管理職の不満は?

 若手社員が管理職になりたがらないのは必然--。みずほリサーチ&テクノロジーズの河田皓史主席エコノミストが調査リポートで指摘している▼賃金水準が低下する一方で負担は増えており、管理職という立場のコストパフォーマンスが悪いことを問題の本質と分析。管理職が不足する事態は近い将来の現実的なリスクと警鐘を鳴らす▼働き方改革と称して一般社員の労働時間を減らす裏側で、宙に浮いた業務を管理職が引き取る安直な対応が行われているとも。マネジメント負担への対価の適正化が重要と河田氏は説く▼日本建設業連合会(日建連)の会員企業労働時間調査報告書(2022年度)によると、非管理監督者の総実労働時間がおおむね減少しているのに対し、管理監督者は21年度まで上昇基調だった。22年度は管理監督者も改善したが、23年度はどうか▼若手に無理強いできず、幹部からは成果を求められる日本の中間管理職の実情。しわ寄せが目立つようでは、若手が上を目指す健全な組織にはならない。「周りの管理職は今の処遇に満足していますか?」。どきりとした経営者は早めに手を打つべきなのだろう。

source https://www.decn.co.jp/?p=160883

2024年2月8日木曜日

回転窓/誰もが審査できる建築賞

 優れた建築をたたえる表彰制度は数多くあるが、設計や施工技術、環境保全、文化の進展など審査基準の違いが各賞の個性となっている。審査員は建築の学識者や実務者のほか、建築以外のデザインや文化、芸術の専門家が担うこともある▼一般の人が参加して“ベストワン”を決める、ユニークな建築アワード「みんなの建築大賞」が創設された。前年に完成・発表した国内建築の中から10作品「この建築がすごいベスト10」を選び、X(旧ツイッター)で一般から「いいね」で投票してもらい大賞を決める▼ベスト10は建築の魅力をもっと広く、多くの人に伝えたいという有志約30人の委員会が推す作品。初開催の今回は住宅や介護施設、学校、文化財の改修、神社の仮殿、震災関連施設など多彩な作品がノミネートされた▼個人住宅や地方の郊外に立つ施設など訪ねるのが難しい作品も少なくない。SNS(インターネット交流サイト)を積極活用する賞の特徴を生かし、空間を再現したメタバース(3D仮想空間)で建築体験できると一般の方も投票が面白くなるだろう▼投票期間は11日まで。15日の結果発表を楽しみに待ちたい。

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2024年2月7日水曜日

回転窓/被災地のドローン

 インフラの点検や人が立ち入りにくい空間の調査などに用途が広がるドローン。能登半島地震の被災地でも有効性が多く確認されている▼危険を伴う土砂崩落現場の調査をはじめ、医薬品の搬送などさまざまなシーンでドローンが活躍。日本UAS産業振興協議会(JUIDA)のように陸上自衛隊と災害時の連携協定を締結し、物資輸送などで相互協力する体制を整えた団体もある▼被災地のために「何かできないか」と考え、現地に向かったドローン関係の企業を先日取材した。行政機関の要請を受け、倒壊リスクがある建物の内部調査などを実施。倒壊家屋で船舶の権利証を見つけた時は住民にとても感謝されたという▼ある行政機関は現地入りしたドローン関係団体・企業の情報を発信した。しかし行方不明者捜索の最前線では情報が届かない現場もあり、活動できなかった操縦者もいたようだ▼「ドローンの有効性を知ってもらえていないのは、われわれの責任」と話すのはJUIDA幹部の一人。技術情報やメリットなどを関係機関に改めて説明していく考えだ。災害時の対応と事前の備えに一層の活用が期待される。

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2024年2月5日月曜日

回転窓/復旧現場の奮闘に光を

 毎年1月に召集される通常国会で首相が政策の基本方針などを説明する施政方針演説は、多くの国民が注目する。今年は先月30日に衆参両院の本会議で行われた▼岸田文雄首相はデフレからの完全脱却に向けて「チャンスをつかみ取り、絶対に後戻りさせない」と強調し、改めて経済再生に強い意志を持って取り組むと表明。賃上げを喫緊の課題に位置付け「あらゆる手を尽くし、物価高を上回る所得を実現していく」と宣言した▼大いに期待するも大企業と中小企業の賃金格差が縮まる気配は見えない。経営資源が限られる中小にとって持続可能な経営環境づくりが急がれる▼岸田首相は施政方針演説で能登半島地震について「異例の措置でもためらわずに実行する」「被災者の帰還と被災地の再生まで責任を持って取り組む決意だ」と訴えた。災害という非常時に国や自治体が果たす役割と寄せられる期待は大きい▼被災自治体の首長が先月行った記者会見の中で、道路啓開に当たる公共機関への謝意が示された。被災地できょうも懸命に応急復旧作業を続けている建設業。注目会見で光が当たれば現場の士気はきっと高まる。

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2024年2月2日金曜日

回転窓/バスも「地域の守り手」

 能登半島地震からの早期復旧・復興が求められる中、北陸鉄道グループが、石川県内の金沢駅と能登半島内を結ぶ特急バスの運行を再開した▼被災者らの利用を優先するとともに、約1カ月間は運賃を無料にするそうだ。のと鉄道も被災区間で代替バス運行を始めた。交通手段を取り戻していくことは大きな助けになるだろう▼都営バスが先月、100周年を迎えた。現在は約1500両のバスを保有し、1日当たり約60万人が利用する。だがスタート時は44両にすぎなかった▼発足のきっかけは関東大震災。路面電車が被災し復旧に時間がかかることが見込まれたため、市民の移動を支えようと米国から輸入したトラックを改造し、乗り合いバスに仕立てた▼日本バス協会は、2030年に電気自動車(EV)バス1万台を目指す方針を掲げている。EVへの切り替えが進めば、脱炭素への貢献と同時に、災害時に電力供給の拠点としても活躍できる。バス事業者は、建設業と同様に「地域の守り手」と言えよう。増加する赤字路線や運転手不足など苦境にあえぐが、非常時の役割も考慮しながら大事な産業を守っていく必要がある。

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2024年2月1日木曜日

回転窓/ご当地力士の活躍

 先月28日に千秋楽を迎えた大相撲初場所は横綱照ノ富士が4場所ぶり9回目の優勝を果たした。2敗で並んだ関脇琴ノ若との優勝決定戦。出足鋭く出て寄り切りで制する気迫の取り組みには大いに魅了された▼今場所はざんばら髪の新入幕力士が土俵を沸かせた。西前頭15枚目の大の里は192センチ、183キロの恵まれた体を生かした立ち合いの圧力を武器に、9日目を終えて8勝と快進撃を続けた▼10日目からは関脇、大関、横綱と新入幕力士では異例の役力士との3連戦。結果は3連敗と振るわなかったが、次の場所に生きる貴重な経験に。千秋楽を白星で飾り11勝4敗となり、初の三賞となる敢闘賞を受賞した▼大の里は能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県出身。ご当地力士の活躍は被災地をどれだけ元気づけたことだろう。「地元にいい報告ができる。次もしっかり勝ち越しを目指したい」とのコメントも頼もしい▼きょう1日で地震発生から1カ月。被災地ではインフラの応急復旧が進められ、災害ボランティアも活動できるようになってきた。本復旧・復興には時間がかかるが、日々の一歩一歩を大切にしたい。

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2024年1月31日水曜日

回転窓/被災地の雪

 石川県能登半島には地形から雪が降りにくい地域もあり、金沢地方気象台が「冬は比較的積雪も少ない」と気象特性を紹介している▼普段は降雪量が多くないとはいえ、今冬一番とされる強い寒気が日本列島を覆った先週、能登半島地震の被災地でも断続的に雪が降った。現地の行政機関担当者や利用したタクシーの運転手に聞くと、「ここまで強く、積もるのは結構珍しい」という▼被災地では24日、損壊した道路の緊急復旧や土砂崩壊箇所の応急対策といった作業を一時中断した現場が少なくなかった。「視界が悪く、現場に行きたくても行かれない」ともどかしそうに話した工事関係者が印象に残っている▼それでも翌日の作業再開に備え、降雪の合間に現場とその周辺を除雪する建設会社も。災害対応の要請を受けている中でも、平常時の業務である除雪を続けて担った建設会社も多い▼復旧現場は厳しい真冬の作業が続く。「今は闇夜のど真ん中。でもいずれ夜は明ける。寒い中でも頑張りたい」(平櫻保石川県建設業協会会長)。あと4日で二十四節気の立春。冬を越え、作業環境が少しでも改善されていってほしい。

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2024年1月30日火曜日

回転窓/立ち呑み文化で復興支援

 2024年を迎え、業界団体の交流会が各地で行われている。元日の能登半島地震の発生で新年を祝う雰囲気はないものの、久々にマスクを気にせず対面での開催となり、参加した関係者らの会話も弾むようだ▼立食スタイルのパーティーは着座より出席者同士の交流が深まり、新たな出会いの場ともなる。料理や飲み物をゆっくり楽しむこと以上に、「人との交流」を楽しむ場と言える▼金沢駅周辺にある立食形式の飲食店のグループが、能登半島地震の被災者とその支援者らに向けて定食など一部メニューを300円たらずで提供している。証明書等は不要。創業店舗「串酒場 大笑」の店長は「災害で大変な時に少しでも元気になってもらえれば」と話す▼グループのホームページによると、代表者は修業時代の大阪で立ち呑み文化の豊かさに触れ、金沢で立食形式の店舗を展開することに。「のれんの先にある笑顔を絶やさない、誰もが平等に笑うことのできるまち」をコンセプトに掲げる▼被災地では発災直後から建設業界をはじめ、多くの人たちが支援活動を展開している。被災者が一日も早く笑って暮らせるよう願う。

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2024年1月29日月曜日

回転窓/それぞれの応援ソング

 受験や仕事で追い込まれた時など、これまで心に響き励まされるいくつもの音楽に出会ってきた。そんな自分の背中を押してくれた曲はこれからも大切にしたい▼アーティストが故郷のためにつくった応援ソングもある。千葉県野田市ではシンガー・ソングライター、ナオト・インティライミさんの曲「The Day」が、東武野田線野田市駅の発車案内で流れることになった▼野田市で2歳から15歳まで過ごしたナオトさん。市長からの「明るく幸せな家庭を築ける野田市」をイメージした曲づくりのリクエストに応え、一昨年にこの作品を完成させた▼何げない1日が本当は特別な1日のはずであり、そうした日々を大切にできる曲にしたかったという。住んでいた当時の「食卓を思い返しながら書いた曲」ともナオトさんがユーチューブでコンセプトを語っている▼能登半島地震の被災地で懸命に緊急復旧作業を続けている建設業。小欄には応援ソングをつくり届けることはできないが、日々奮闘する国土と地域の守り手を心からねぎらい、そして早期復旧・復興への願いを託したい。きょうの作業もどうかご安全に。

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2024年1月26日金曜日

回転窓/賃上げに向けた価格転嫁

 シンクタンクの日本経済研究センターが民間エコノミストによる賃上げ率予測を集計した。2024年春闘の賃上げ率予測は平均3・85%--。実現すれば31年ぶりの高水準となった昨年春闘を上回る▼「成長と分配の好循環」を掲げる政府も、賃上げに力を注いでいる。岸田文雄首相は23日、春闘スタートのタイミングで、政府と労働界、経済界のトップによる政労使会議を開催。物価上昇を上回る構造的な賃上げの必要性を強調した▼労務費の価格転嫁を通じて、中小企業が賃上げの原資を確保することが鍵になるとも。それは中小企業の現状が厳しいことの裏返しでもある▼同会議で全国中小企業団体中央会が提出した資料によれば、総合工事業と設備工事業の約2割が、価格転嫁について「実現しなかった」「対応未定」と回答。原材料費や人件費の上昇を転嫁できなければ従業員の処遇改善は難しい▼新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)を目指す建設業。求められる第1の要素が給与だ。国民の安全・安心な暮らしを支え続けるためにも、発注者や社会の理解を得て、若者を引き付ける処遇を実現していきたい。

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