2018年9月19日水曜日

【回転窓】災害時に怖いバイアス

気象キャスターの吉村真希さん(気象予報士・防災士)が、全国建設研修センター発行の『国づくりと研修』(2018年9月号)に〈正常性バイアス〉の怖さを書いている▼防災心理学の用語で「物事を正常の範囲内だと認識しストレスを回避する自然な脳の働き」の意味。つまり「自分だけは大丈夫」と認識してしまうことで、これが災害時に避難行動を遅らせる要因にもなるのだという▼過去に同じような経験があればバイアス(偏見)を持たず、これから起こり得る事態も想像できる。ところが各地で近年起きている豪雨災害は、これまでに経験したことのない雨の降り方が原因で発生した洪水や土砂崩壊も少なくなく、住民がバイアスにとらわれる可能性は高い▼先日の総務省の発表によると、65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は28・1%と過去最高を更新した。従来の常識で計れない災害が頻発する中、高齢者も過去の経験に頼れない時代を迎えたと言えよう▼バイアスを取り除き、最善の行動を起こすのに重要なのは日ごろの準備と訓練、そしていち早く正確な情報を入手すること。吉村さんはそう指摘する。

【架け直し工事、IHIインフラシステムが引き続き施工】関空連絡橋、来春の完全復旧めざす

損傷した橋桁の撤去作業
(9月14日付国交省報道発表資料より)
国土交通省と西日本高速道路会社は18日、台風21号で被災した関西国際空港連絡橋(大阪府泉佐野市)の完全復旧を、19年4月下旬の大型連休前までに目指す方針を発表した。西日本高速会社が損傷した橋桁の大部分を新しく製作して架け直す。同社によると、桁の製作・架設工事は撤去工事に続きIHIインフラシステムが担当。このうち製作工事は下請として高田機工も担当する予定だ。

 台風21号の影響でタンカーが衝突した連絡橋の空港島付近は、上部の左右に高速道路上下線、下部の中央を鉄道が通る2層構造となっている。タンカーが直接衝突した高速道路下り線の橋桁2本(対象延長計約190メートル)は、鉄道方向に最大4メートル程度ずれるなど大きく損傷した。
タンカーが衝突し損傷した橋桁
(9月18日付国交省報道発表資料より)
損傷した高速道路下り線の橋桁2本は、計14(各7)のブロックで構成。今後の復旧工事では、損傷がほとんどなかった空港側にある4ブロックを再利用し、残る損傷が大きかった対岸側の10ブロックは新しい桁を製作して架け直す。工事の詳細スケジュールは未定。

 当初21日に予定していた連絡橋鉄道部の運行再開は、復旧工事が順調に進んだ影響で18日に前倒しした。

【防災・減災対策の関連予算増】ヒューマンタッチ総研、建設市場の将来動向予測

人材紹介業を手掛けるヒューマンタッチ(東京都新宿区、高本和幸社長)が運営するヒューマンタッチ総研が、国土交通省の19年度予算概算要求から見た建設業の将来見通しをまとめた。

 それによると、公共事業関係費の要求額は6兆1736億円(前年度当初予算比119%)。直近4年間は前年度当初予算比116%程度で推移していたが、例年以上の増額要求となった。

 国交省が8月末に発表した19年度予算概算要求について主な予算項目を見ると、▽「水防災意識社会」の再構築に向けた水害対策の推進に5273億円(前年度当初予算比133%)▽地域における総合的な防災・減災対策、老朽化対策等に対する集中的支援に1兆3431億円(121%)▽将来を見据えたインフラ老朽化対策の推進に5440億円(121%)を要求。防・減災やインフラ老朽化対策などを中心に18年度当初予算を大きく上回る金額が計上されている。

 東日本大震災や熊本地震、西日本を中心に発生した豪雨など、自然災害が多発する中で、防・減災対策は重要な課題となるため、要求額は大幅に増加したと分析している。

 国交省の試算によると、2013年度のインフラなどの維持管理・更新費用は約3・6兆円、10年後の2023年度は4・3兆~5・1兆円、20年後の2033年度は4・6兆~5・5兆円程度になると推計。同総研はインフラの老朽化対策についても予算額は上昇傾向が続くと見ている。

 このほか、▽建設業の働き方改革の推進に1億2700万円(153%)▽誰もが安心して働き続けられる建設業の環境整備に1億円(175%)▽ICT(情報通信技術)の全面的活用により建設現場の生産性向上を図るi-Constructionの推進に23億円(139%)を計上した。

 建設業の人材確保・育成に向けては、厚生労働省も▽建設事業主等に対する助成金による支援に58億4000万円(110%)を要求した。両省が連携した政策的支援が今後も維持される見込みという。

 同総研の所長を務める高本社長は「近年の地震や集中豪雨などの発生を受け、防・減災に対する継続的な対策は必須であると考えられる。こうした自然災害や老朽化する社会インフラへの対策を中心に、今後も予算額は伸び続ける」と見ている。

【池袋が4位、人気上昇中!!】首都圏住みたい街・駅ランキング、吉祥寺が14回連続1位に

長谷工アーベスト(東京都港区、大岡修平社長)は18日、「住みたい街(駅)ランキング」の調査結果を公表した。

 首都圏居住のモニターを対象に、ウェブアンケート形式で調査を実施。首都圏総合ランキング1位には「吉祥寺」が選ばれ、2004年に調査を開始してから14回連続で首位を守っている。

 吉祥寺に続く2位は「横浜」、3位には「恵比寿」が選ばれた。トップ10のうち昨年に比べて大きくランクアップした「池袋」は昨年の10位から4位に、「二子玉川」は17位から7位に上昇した。

 トップ10以外で大幅にランクアップしたのは「赤羽」で、昨年19位から11位に上昇した。このほかランクアップした街の傾向を見ると、複数路線が利用可能なことや都心直通、快速急行停車駅、始発駅などの「交通アクセス」や、再開発の進行や商業施設の開業など「街(駅)の変化」が高く評価されている。

 上昇した理由について回答者からは「都心に出やすい」「駅前で何でもそろう」「開発が進んで新しい街になっている」という声が上がった。加えて、最近は「都心に近い割に物価が安い」といった声も聞かれ、「生活のしやすさ(コストバランスの良さ)」が街選びの要素として重要性が増しているという。

 都県別ランキングを見ると、東京23区は「恵比寿」(昨年2位)、東京市部は「吉祥寺」(1位)、神奈川は「横浜」(2位)、埼玉は「浦和」(2位)、千葉は「津田沼」(1位)が、それぞれ1位に選ばれた。

【みんなで一緒に学校をきれいに】大阪府建団連、東大阪市の小学校でリフォーム体験開く

 大阪府建団連(北浦年一会長)は16日、大阪府東大阪市の市立柏田小学校で、ボランティアリフォーム施工体験学習を行った。

 建設業振興基金から受託した「建設産業担い手確保・育成コンソーシアム地域連携ネットワーク構築支援事業」における取り組みの一環。今回は府立布施工科高校と大阪市立都島工科高校の計31人と柏田小の6年生27人が靴箱と傘立ての塗装作業を体験した。

 このボランティアリフォーム施工体験学習は、リフォームを希望する小学校・幼稚園で、事前に講習を受けた高校生が、児童・園児らに教える形で実際の作業を行うことで、より効果的な技能習得を図るとともに、施工体験を通じて、子どもたちに建設業に親しみを感じてもらうのが目的。参加する高校生は前日の15日に枚方市の府立北大阪高等職業技術専門校で学科・技能等の講習を行った。

 当日は、高校側から布施工科高校の1~2年生17人、都島工業高校の2~3年生14人とその指導教諭ら、小学校側から6年の児童27人と野々村礼二校長らが参加。建団連側からは邑智保則副理事長をはじめ、指導・作業を担当する大阪府塗装工業協同組合の川原貞儀理事長らが参加した。建設業振興基金の土井直樹経営基盤支援センター地域連携ネットワーク支援担当部長が視察に訪れた。

 開講式では、最初に邑智理事長が「今日は靴箱と傘立てにペンキを塗ってもらう。ゆっくりで良いので、きれいに塗ることを心掛けてほしい。ものづくりの楽しさと完成の喜びを感じてほしい」とあいさつした。土井部長の祝辞に続いてあいさつした野々村校長は「6年生は高校生の皆さんと一緒になって良いものを作ってほしい。来週、下級生に自慢できるよう頑張ってほしい」と激励した。

 この後、生徒・児童らはリフォーム内容などについて説明を受けた後、衣服が汚れないようにするための養生服を身に付け、靴箱と傘立ての塗り直し作業に挑戦。高校生や職人の指導を熱心に聞き入る姿が見られた。頭髪に塗料を付けながらも一心不乱に色を塗る姿や、不慣れな手つきながらも丁寧にはけ・ローラーを動かす姿が見られるなど、夢中になって作業に没頭していた。

【こちら人事部】青木あすなろ建設/教える人の指導に注力

 青木あすなろ建設は2004年4月に、あすなろ建設(旧小松建設工業)と青木建設が合併し誕生した。小松建設工業の前身の扶桑土木設立から25日で68周年を迎える。高松コンストラクショングループの中核会社として、幅広く事業活動を展開している。

 採用に当たっては、▽分からないことは何でも質問し、何度でも分かるまで聞き直す人材▽失敗を恐れず、積極果敢に変化革新に挑戦する人材▽旧来の慣習に縛られず新たな発想で新しい建設産業を作り上げていく原動力となるような人材-の三つの観点を重視する。

 荒木常利管理本部人事部長は「当社の社員は900人弱。一人一人の顔が見え、互いに知り合える。いろいろな部署を経験し、ゼネラリストを目指してほしい」と力を込める。

 会社の成長とともに、14年4月入社の新卒採用からそれまでの2・5倍超の45人に採用枠を拡大。建設現場を見てもらう「1Dayインターンシップ」の回数を増やすなど、学生とじかに接する機会を増やしている。

 会社説明会には土木、建築、事務と全方位の社員が同席し、学生からの質問に細やかに対応できるようにしている。「説明会の雰囲気が志望する決め手になった」と入社後明かす新入社員も少なくない。

 昨秋にはスマートフォンで見られる採用活動用の動画を作成した。若手社員が登場し、営業から建物が完成するまでを追ったストーリーで、入社後の姿をイメージしやすいと評判も上々だ。

 高松コンストラクショングループ各社で採用情報を共有。新入社員研修やその他の層の研修も共同で実施している。特に新入社員研修のグループワークが好評だ。1チーム5人に分かれ課題に挑戦する。「協力して課題に取り組むことで、連帯感が生まれる。その後も仲が続いている」と荒木部長は成果を説明する。

 入社後の手厚いフォローにも定評がある。1~2年生には精神的なサポートをするメンターを付ける。新入社員全員を対象に、入社半年後に荒木部長が面談も行う。「一律に意見が聞ける。工事部長が同じようにマンツーマンの面談をするなど、波及効果も生まれている」。

 ◇新入社員は4カ月残業禁止◇

 同社が直面する課題は、30代が比較的少なく、40代半ば以降と20代が多いという人員構成だ。5年前に入った社員が去年入った社員を指導したり、25年生が5年生を教えたりする。より適切な指導ができるよう、指導の仕方を教える研修に力を入れている。

 新入社員には「4カ月残業禁止令」を出している。「新入社員を早く帰すため、上司も努力する。プライベートの時間を充実してほしい」(荒木部長)という。女性採用が年々増えているが、技術系の女性は一番上で入社5年生。ロールモデルとなる女性技術職の中途採用にも積極的だ。

 荒木部長は「面接で学生から『入社までに何か勉強した方がいいですか』と聞かれるが、勉強することは何もない。悔いのない学生生活を送ってほしい」とアドバイスを送る。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】男性44人、女性8人(18年度実績)
 
 【平均勤続年数】男性19・8年、女性12・7年(18年3月末時点)

 【平均年齢】  45・8歳(18年3月末時点)

2018年9月18日火曜日

【回転窓】シームレスなナビゲーションを

 公共交通機関や車、徒歩などで移動するルートを検索するアプリケーションが日常のツールとなって久しい。目的地までの最適なルートや移動にかかる予想時間をはじめ、道路の渋滞情報や施設の混雑状況などが分かる便利なサービスも充実している▼屋外では衛星利用測位システム(GPS)による位置情報を活用してサービスが提供されているが、GPSの信号が届かない屋内や地下では利用しにくい。サービスに不可欠な内部の地図もビルごとに作成・管理している場合が多く、統一したデータが不足している▼国土交通省は屋内外を問わずシームレスに目的地へ移動できる社会の実現を目指す「高精度測位社会プロジェクト」を展開。昨年11月に新宿駅周辺、今年8月から東京駅周辺の屋内電子地図を公開した▼東京駅周辺のデジタル地図は駅を中心に東西約1キロ、南北約2キロの範囲が対象。鉄道施設や民間ビル、通路、トイレなどが一つの地図に表示される▼世界の関心が集まる東京五輪開催まで2年余り。高精度な空間情報インフラを活用したさまざまなナビゲーションサービスが生まれ、活用されることを期待したい。

【建設、運輸がけん引役に】国内企業業績、売上高はリーマンショック前の水準に戻らず

企業の売上高はリーマンショック前の水準に戻らず-。

 東京商工リサーチが2008年のリーマンショック後10年間の国内企業業績について調査したところ、07年度を100・0とする全企業の売上高合計は、17年度は98・8にとどまり、リーマンショック前の水準に戻っていないことが分かった。

 利益合計は162・0に伸び、売上高と好対照となった。同社は震災復興や2020年東京五輪に向け好調な建設業や物流が盛り返した運輸業がけん引しているとみている。

 同社が保有する国内最大級の企業データベース(約480万社)を活用し、リーマンショック前の07年度(07年4月期~08年3月期)から直近の17年度(17年4月期~18年3月期)までの11期連続で単体業績の比較が可能な26万5763社を抽出、分析した。

 全企業の売上高合計は09年度に84・7まで下落し、その後は一度も100・0を回復していない。一方、利益合計は08年度に18・1と極端に落ち込んだが、13年度に100・0を回復し、17年度には162・0まで回復した。

 非上場企業の売上高を産業別にみると、17年度時点で100・0を回復したのは、建設業、卸売業、不動産業、運輸業、情報通信業、サービス業他の6産業。17年度に最もポイントが高かったのは運輸業で、14年度に100・0を回復し、17年度は110・2を確保した。建設業は17年度、108・7となり全産業で第2位となった。

 上場している不動産業の売上高は17年度に122・5まで上昇したが、非上場は103・1にとどまっている。上場企業は14年度、非上場企業は2年遅れの16年度以降、それぞれ100・0を上回り、不動産市況の過熱感がうかがえるとしている。

 非上場企業の利益合計で、17年度に最もポイントが高かったのは建設業で423・4。公共投資の増加に加え、震災復興や東京五輪の特需が寄与。民需もマンション、オフィスビルなどの活況を背景に大幅に改善したと分析している。

 上場建設企業の17年度の利益合計は678・4となり、この10年で大幅に伸びた。建設業の上場と非上場の格差は、14年度59・3、15年度176・9、17年度255・0と、年を追うごとに広がっている。製造業は17年度まで一度も、上場・非上場ともに100・0に届かなかった。製造拠点の海外シフトが進み、国内の空洞化が進んでいる可能性があるとみている。

 同社はリーマンショック後の日本経済は回復過程にあるが、建設業など一部の業種に支えられている側面が強いと指摘。ものづくりの根幹を担う中小製造業の付加価値力の向上が急がれるとしている。

【交通ネットワークの拠点形成】関東整備局、品川駅西口駅前広場再整備の事業計画中間案公表

関東地方整備局が品川駅(東京都港区)の西口駅前広場などの整備に向けた事業計画の中間取りまとめを公表した。国道15号の上部空間を活用して、最先端モビリティーなどの乗降ができる次世代型交通ターミナルを整備する。周辺の民間開発と連携を図り、バスターミナルなども設ける。今後、産学官による検討会を立ち上げて議論し、本年度内に事業計画を策定する。

 同局は昨年9月に事業協力者として、京浜急行電鉄と西武プロパティーズ、JR東日本の3者を選定し、事業計画の検討を進めてきた。中間取りまとめで示されたイメージによると、次世代交通ターミナルは、2階デッキレベルの上に複数階の施設として整備する。

 自動運転などの最先端の車両や技術、システムが体感できる交通拠点とする。JR東日本が品川~田町駅間に建設中の「(仮称)品川新駅」などを含めた周辺地域に、次世代モビリティーで行き来できるようなネットワークを形成していく。にぎわい広場や3~4層程度の商業施設、シンボリックなセンターコアなども配置する。

 品川駅と国道15号を挟んで隣接している高輪3丁目地区と4丁目地区では、民間による開発計画が予定されており、連携を図っていく。4丁目開発には、交通機能と防災機能が融合した複合ターミナルを盛り込むことをイメージとして示している。タクシーや高速バス、次世代モビリティーなどの交通結節機能や災害時の緊急輸送拠点機能・情報拠点機能を設ける方向だ。3丁目新規開発ビルには、利便性の高いバス乗降場を整備するとしている。

 北品川方面への玄関口となるようなたまり空間の整備や、新駅方面への人・モビリティーの往来を可能とするような十分な通行空間の確保も中間まとめに盛り込んでいる。

 品川駅はリニア中央新幹線の開業が計画され、羽田空港とのアクセス性にも優れている。一方で駅と街の連絡性が低く、駅前広場などの空間不足なども課題となっている。

【記者手帖】復旧へ尽力する姿きっかけに

9月というのに庭のアジサイが2輪咲いている。秋に咲く品種もあるというが、初めてのこと。いわゆる狂い咲き。一方で大きな柿の木には実が見当たらない。東日本大震災の年はひとつも実らず驚いたが、今年も同様か。草木も何かに感付いているのだろう◆先日、内閣府と文部科学省、経団連が共催する理工系の女子学生向けイベントを取材した。来年技術者として入職予定の女子大生は「地元の活性化に役立ちたい」と建設業を選んだそう。女性技術者の活躍や、建設業に将来像を描く学生に力をもらった◆東日本大震災で、がれきの撤去から復旧、復興へと「当たり前の日常の大切さ」を取り戻すために尽力し続けた建設業者の姿を見て、「自分も地域のために」という声もあった◆今夏は大阪府北部地震、2018年7月豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震と大規模な災害に襲われた。この瞬間も地域の復旧に身を粉にして働く人がいる。その姿を子どもたちはきっと目にしているはずだ。いつか今夏をきっかけに建設業を選んだという若者に出会うことになるのだろうか。(ら)

2018年9月14日金曜日

【お悔やみ申し上げます】都内で故浅沼健一氏のお別れの会

 淺沼組の前社長で全国建設業協会(全建)や大阪建設業協会(大建協)の会長などを務め、6月23日に67歳で死去した浅沼健一氏のお別れの会が13日、東京都千代田区のパレスホテル東京で開かれた。建設業界の関係者ら約1300人が参列。祭壇に献花して故人との別れを惜しんだ。

 浅沼氏は奈良県出身。1973年に成蹊大経済学部を卒業し、淺沼組入社。85年取締役、89年常務、91年代表取締役常務社長室長、92年代表取締役専務社長室長を経て、95年6月から社長を務めていた。

 社業だけでなく建設業界の発展にも尽力した。2008年全建会長に就任し、地方建設業の実情を踏まえた活動を精力的に展開。11年には会員企業も被災した東日本大震災が発生、建設業界全体の協力体制を整え、被災地の応急活動やインフラ整備に力を注いだ。

 会場には「現場第一主義」を率先し、常に社員と共に歩んできた浅沼氏の生前の写真のほか、クラシック音楽好きで愛用していたギターなどが飾られ、参列者は浅沼氏との思い出を振り返っていた。

 同社の浅沼誠社長は、参列者に向けたあいさつで「気さくな人柄で社内外から親しまれ、社業はもちろん建設業界全体の将来を考え尽力していたところだった。このたびの訃報は深い悲しみを禁じ得ないが、役職員一同故人の遺志を受け継ぎ社業発展にまい進していく所存だ」とつづった。お別れの会は8月29日に大阪市でも開かれた。

【回転窓】わたしたちと一緒に働きませんか

新しくなった社屋で私たちと一緒に働きませんか-。ある地方の建設会社が念願の新社屋完成を記念して製作した動画をYouTubeにアップし、最後にこんな言葉で結んでいる▼動画は古くなったプレハブの旧社屋を解体し、新しい社屋が完成するまでの過程を3分間に編集している。解体前の旧社屋で社員が手を振りながら見送り、新社屋を出迎える様子は小型無人機(ドローン)を用いて撮影されている▼社屋は会社の歴史とともにある。業績が良いときも悪いときも会社を常に見守っている。企業規模の大小に関係なく、オフィスを見れば会社や経営者の姿が見えてくるともいわれる▼「ようやく念願だった新社屋を建設することができました」。そう話す社長は、人としての豊かさを社員と共に享受したいと考えている。そうした願いが新しくなった建物のデザインにも現れているように感じた▼地方の建設会社は人材の確保に苦慮している。県内の高校全てに求人票を出しても、「この春の採用はゼロだった」と残念がる声も聞こえてくる。若者を迎える社屋の在り方も、採用活動では大きな要素になるのだろう。

【生活再建支援や復興に全力】石井国交相、北海道胆振東部地震の被災地視察

 石井啓一国土交通相は13日、6日未明に発生した北海道胆振東部地震の被災地を視察した。

 午前に新千歳空港で空港施設の状況を確認した後、液状化現象で道路の陥没被害などがあった札幌市清田区の住宅街を視察。続いて最大震度7を観測した厚真町へ向かった。

 厚真町では富里地区の土砂災害を視察したほか、厚真町役場で窪田毅北海道副知事、宮坂尚市朗厚真町長、及川秀一郎安平町長、渋谷昌彦むかわ町副町長と意見交換した。全国から集まった緊急災害対策派遣隊(テックフォース)の隊員も激励した。視察後、石井国交相は「国土交通省として一日も早い被災者の生活再建支援や被災地の復興に全力で取り組む」と述べた。

 □政府、激甚災害指定へ□

 政府は13日、6日未明に発生した北海道胆振東部地震を「激甚災害」に指定するとの見通しを明らかにした。被災自治体が行う農道や林道などの災害復旧事業費に対して、国庫補助率を従来の82%程度から95%程度へと引き上げる。

 特に最大震度7という強い揺れに見舞われ被害が拡大した北海道南部の厚真町をはじめ、安平、むかわの両町については、道路など公共土木施設の災害復旧事業費も手厚く支援する考え。

 早期の復旧・復興に向け、国庫補助率を従来の70%程度から84%程度に引き上げ、早期復旧を後押しする方針だ。

【駅構内にエレベーター5基新設】JR東、東京駅のバリアフリー化推進

 JR東日本は東京駅のバリアフリー対応を強化する一環として、新たにエレベーター5基を増設する。

 2020年東京五輪・パラリンピックの開催に向け、大型スーツケースなどを持つ旅客の増加が見込まれることから、エレベーターの設置箇所を増やすことで縦の動線機能を拡充し、駅構内の移動の円滑化を図る。20年夏まで順次運用を開始する。

 エレベーターの増設箇所は、丸の内中央部の地下1階と地上1階のコンコースを結ぶエレベーター(11人乗り)を設置。横須賀線・総武線(快速)などへの乗り換え利便性が高まる。

 中央通路と北通路の間には3基(各24人乗り)を増設する。地下1階とホーム階を結ぶエレベーターは現在、東海道線(9、10番線)ホームにだけに設置されている。今回の工事によって山手線、京浜東北線、上野東京ラインのホームにも設置する計画だ。

 新幹線北乗り換え口前にはエレベーター(15人乗り)1基を増設。乗り換え口と在来線コンコース付近には段差があり、スロープなどで対処してきたが、今回増設のエレベーターによって地下1階と地上1階から北乗り換え口に円滑に移動できるようになる。

【新たなランドマークが誕生】渋谷ストリーム(東京都渋谷区)が開業

 東京急行電鉄が東京・渋谷に開発した渋谷駅直結の複合施設「渋谷ストリーム」が13日に開業した。

 東横線渋谷~代官山駅間の地下化によって創出した用地を活用。30店舗入居する商業施設や170室のホテル、約700人収容のホールなどを備える。同日現地でオープニングセレモニーが開かれ、同社の高橋和夫社長や長谷部健渋谷区長らが出席。テープカットで施設の門出を祝った。

 冒頭あいさつした長谷部区長は「渋谷駅周辺のエリアが大きく生まれ変わる時期が来ている。ベンチャー企業が集まる『ビットバレー』としての新たな拠点として、渋谷を盛り上げてほしい」と述べた。高橋社長は「地域の人と訪れた人両方にとって実りあるものになるよう、ストリームをはじめ渋谷の街づくりに努めていく」と語った。

 渋谷ストリームは旧東横線渋谷駅のホームや線路跡地など(渋谷区渋谷3の21の3)に立地する。建物は地下4階地上35階建て延べ11・6万平方メートルの規模。店舗、ホテル、ホール、事務所を設けた。設計は東急設計コンサルタント、デザインアーキテクツは小嶋一浩+赤松佳珠子/シーラカンスアンドアソシエイツが担当。施工は東急建設・大林組JVが手掛けた。

 東急電鉄は区と連携し、清流復活水を活用した壁泉による渋谷川の再生にも取り組んだ。川沿いに整備された遊歩道(延長600メートル)も、同日に落成した。

 同じく東横線の線路跡地(渋谷区東1の29の1、3)に整備された複合施設「渋谷ブリッジ」も、同日から順次開業。建物は保育所が入るA棟、ホテルと事務所、店舗が入るB棟で構成する。建物規模はA棟が3階建て延べ1282平方メートル、B棟が7階建て延べ4370平方メートル。設計は東急設計コンサルタント、施工は東急建設・大林組JVが担当した。

【にぎわい創出へ、移転準備最終段階】豊洲新市場(東京都江東区)、開場まで1カ月

 10月11日の豊洲新中央卸売市場(東京都江東区)開場まで1カ月を切った。整備・運営者の都は追加の安全対策工事を終え、築地市場(中央区築地)の機能移転に向けた準備が最終段階に入っている。市場内には一般向けの飲食・物販店舗も複数開業し、地域に新たなにぎわいを創出する。

 新市場の建設地は、築地市場から約2キロ離れた江東区豊洲6(敷地面積40万7000平方メートル)。施設本体は既に完成し、一部が新交通ゆりかもめ市場前駅と歩行者デッキで直結している。

 当初計画では16年11月に開業する予定だった。同7月の知事選で当選した小池百合子氏が建設の経緯などに疑問を呈し、再検証のため開業が一時凍結。追加の安全対策などを経て、約2年遅れでの開業が決まった。13日の開場記念式直前、小池知事は各施設を視察し、市場の安全・安心を確認した。

 豊洲市場の設計は日建設計が担当した。主要施設のうち、水産仲卸売場棟は5階建て延べ17・7万平方メートル(施工=清水建設・大林組・戸田建設・鴻池組・東急建設・錢高組・東洋建設JV)、水産卸売場棟が5階建て延べ12・5万平方メートル(同=大成建設・竹中工務店・熊谷組・大日本土木・名工建設・株木建設・長田組土木JV)の規模。水産卸売場棟にはマグロの競りなどを見学できるデッキを整備している。水産仲卸売場棟の屋上には来訪者のための緑化広場も設けた。

 野菜や果実などを扱う青果棟は3階建て延べ9・7万平方メートル(同=鹿島・西松建設・東急建設・TSUCHIYA・岩田地崎建設・京急建設・新日本工業JV)、都の事務室や衛生検査所などを置く管理施設棟は6階建て延べ2・4万平方メートル・(同=関東建設工業・鍛治田工務店・川口土木建築工業・国際建設JV)の規模で建設した。

 水産仲卸売場棟の隣接地では、商業棟と温泉・ホテル棟で構成する千客万来施設を民間事業者が別途整備する計画もある。20年10月に着工し、23年度に開業する見込みだ。豊洲の開場記念式で、山崎孝明江東区長は「当面は6街区(水産仲卸売場棟)と7街区(水産卸売場棟)の飲食・物販店舗がにぎわいを担っていく」と述べた。

2018年9月13日木曜日

【回転窓】備えと向き合う

あれから3年、大変強靱(きょうじん)な堤防に生まれ変わりました-。茨城県常総市の神達岳志市長が「決壊の跡」と刻まれた碑の前で撮影した動画をYouTubeにアップし、市民にメッセージを送っている▼3年前の9月10日、同市周辺では台風などの影響で記録的な大雨となり、鬼怒川の堤防が約200メートルにわたって決壊。大規模に水があふれ出る被害も起きて、市域の約3分の1が浸水した。復興に向けて、鬼怒川流域では再度災害防止に向けた工事が展開されている▼災害時の行動計画である「マイ・タイムライン」の普及などソフト施策も一体的に進行中だ。今後も経験したことのない大雨が降るおそれがある。ハードとソフトの両方が組み合わさってこそ本当の意味での強靱な地域が出来上がる▼備えていたことしか役には立たなかった。備えていただけでは十分ではなかった。国土交通省東北地方整備局が東日本大震災後にまとめた心得に、こうしたメッセージが記されている▼西日本を襲った豪雨や北海道胆振東部地震など各地で災害が続発している。災害の備えに終わりはなくレベルを高める必要がある。

【視線の先には宇宙、地産地消でブロック製造】大林組、JAXAと月・火星基地建設材料の製造方法開発

大林組は12日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、月や火星の探査に必要な基地の建設材料を現地調達して生産する技術を開発したと発表した。

 マイクロ波による加熱焼成やコールドプレスといった方法により、環境と構造物の用途に適したブロック型の建設材料が製造できる。地球上で適切な資材が得られない地域で製造するのにも役立つため、地上での応用も検討していく。

 JAXAから支給された月の模擬表土などを用いて試験体(ブロック)を製造。電子顕微鏡での表面観察や圧縮試験による強度確認を行い、基地建設に適用できることを確認した。

 月では水の調達が困難なため、マイクロ波加熱により建材を製造する。月の模擬表土にマイクロ波を照射した場合、およそ1000度以上で一定時間加熱すると固化体が得られる。1100度程度で普通れんが相当の強度を持ち内部に空隙(くうげき)のある焼結物ができ、1100度以上でコンクリート相当の強度を持ち内部に空隙のない溶融物になる。

 月面の重力は地球上の約6分の1のため、居住施設などの構造材料、放射線遮蔽(しゃへい)材には焼結物、より強度が必要なロケット発着場の基盤や道路などは溶融物の使用を想定している。

 コールドプレスは、砂などの原料に粘土鉱物と水を混ぜ、熱を加えずに圧力を加えて固形物を製造する方法。火星には二次鉱物である粘土鉱物が存在し、水は氷の形で得られると推測される。このためコールドプレスでブロック型の建設材料を製造する実験を行った。
1990年に大林組が発表した火星居住計画構想のイメージ
大気の密度が地球の約100分の1の火星表面では、ブロックの強度は地球上で製造するより1割程度増加するため、火星の環境に適した製造方法という。圧力を上げると最大で普通れんが相当の強度が得られる。火星表面の重力は月の重力よりは大きいものの、地球上の約3分の1。居住施設などの構造材料や放射線遮蔽(しゃへい)材などに使用する場合は、普通れんが相当の強度で十分とみている。
 今後、開発した地産地消型の建設材料の製造方法を応用し、ブロックの大型化や実用化に向けた改良を進めていく。

 月や火星への無人・有人探査の機運が高まる中、JAXAは15年に「宇宙探査イノベーションハブ」を設置。大林組は1990年頃、月や火星に建設する基地の材料について、現地資源を利用して製造する方法を研究していた。その成果を生かし、宇宙探査イノベーションハブの研究テーマとして提案。地球からロケットで資材の運搬にかかる膨大なコストを低減し、月や火星での活動を持続可能にすることを目指している。

【W+S造10階建て、施工は竹中工務店】三菱地所、高層CLTマンション(仙台市泉区)の建築現場公開

三菱地所は、国内初の高層CLT(直交集成板)建築物として仙台市泉区で建設を進めている賃貸マンション「(仮称)泉区高森プロジェクト」の施工現場を11日に公開した。設計・施工・監理は竹中工務店が担当している。

 計画地は高森2の1の泉パークタウン内。規模はW+S造10階建て延べ3604平方メートル(39戸)で、国内最大の木造ハイブリッド構造マンションとなる。床と壁に約230平方メートルのCLTを構造材として使用した。

 2~10階の柱に、竹中工務店が開発し2時間耐火の大臣認定を取得した耐火集成材「燃エンウッド」を採用。4~10階の床パネルに2時間耐火のCLTを配置しており、2時間耐火性能を有する燃エンウッドとCLTが国内で初めて実建物に使用される事例となる。1~5階の耐震壁にはCLTを取り付けた。

 同プロジェクトは林野庁の「CLT建築物等普及促進事業のうち協議会が取り組む実証的建築支援事業」、国土交通省の「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されている。19年2月下旬の完成を目指し、完成後は賃貸住宅として運営しながら建物性能に関するデータを継続的に収集する。

 三菱地所住宅業務企画部CLTユニットの海老澤渉主事は「1フロア24枚のCLT床パネルを3時間足らずで敷くことができ、コスト縮小と工期短縮化実現に期待できる」と述べた。

 竹中工務店木造・木質建築推進本部の小林道和副本部長は「S造とCLTを併せて使えるよう、構造と耐火性能の技術開発を進めた」と説明。同社の岡本圭史郎作業所長が「着工前にモックアップを作り、課題や問題点などを洗い出してから施工に臨んだ」と話した。

【関空、全面復旧へ作業進む】損傷橋桁の撤去スタート、浸水被害の地下電源施設も

約1040tの橋桁をクレーン船で引き上げた
(12日、大阪府泉佐野市の関空連絡橋で)

 □総重量2160t、14日作業完了めざす□


 西日本高速道路会社は12日、台風21号の影響でタンカー船が衝突した関西国際空港連絡橋(大阪府泉佐野市)で、損傷した橋桁(A1~P2間188メートル)の撤去工事に着手した。国内最大級のクレーン船を用いて12日にA1~P1間90メートル、14日にP1~P2間98メートルの撤去を行う。施工をIHIインフラシステムが担当。撤去した橋桁は再利用も含めて検討する。

 連絡橋は泉佐野市のりんくうタウンと空港島を結ぶ橋長3750メートルで、唯一の陸上アクセスを担う。海上中央部付近は上部の左右に高速道路上下線、下部の中央を鉄道が通る2層構造。長さ89メートルのタンカー船が衝突した高速道路下り線の桁は中央方向に約4メートル移動し、P2橋脚上は鉄道側に張り出し部がせり出している状況にある。二つの橋脚への影響はなかった。

 西日本高速会社では5日から損傷状況調査を開始し、8~10日に橋桁の損傷拡大を避けるための仮受けベントを設置。門型標識柱など橋梁上の障害物を撤去した後、11日につり上げに必要な金具の設置を終えた。

 12日に撤去作業が行われたのは空港島側のA1~P1間の橋桁90メートル(約1040トン)。午後12時半ごろにクレーン船が所定の位置に到着し、橋桁に設置された16カ所の金具にワイヤをつなぎ、午後1時過ぎからつり上げ作業が始まった。橋桁はゆっくりと上昇し、高さ約15メートルまでつり上げた後、平行移動して台船に仮置きされた。14日にはP1~P2間98メートル(約1120トン)の撤去作業を行う。

 佐溝純一調査役橋梁担当部長は「具体的な復旧スケジュールは決まっていない。撤去した橋桁の調査を行い、再利用も含めて検討していく」としている。

 □関空、地下電源復旧急ピッチ□


 関西エアポートは11日、台風21号に伴う高潮で浸水被害を受けた関西国際空港の地下電源施設などを報道陣に公開した。懸命の排水活動によってA滑走路・誘導路など広範囲に及んだ浸水は解消されたが、早期の運航再開に向け、中枢機能を担う電源設備などの復旧作業が急ピッチで進む。

 第1旅客ターミナルビルの地下1階には六つの高圧電気室があり、これまで雨水対策として土のうや止水板、電気室・電気盤かさ上げ、排水ポンプなどの対策を講じてきた。

 今回の高潮では、土のうを乗り越えた大量の海水が地下に流れ込み、電気室に設置された止水板(高さ約40センチ)でも室内への流入を防げなかった。六つある高圧電気室のうち三つが被災。現在、機能回復に向けた作業を進めており、必要に応じて部品交換を行う。

 広範囲に及ぶ浸水によってハイドラント設備も被害を受けた。地下埋設ポンプでタンクから駐機場まで燃料を送る設備で、緊急停止装置が倒壊し、航空機に燃料を送る給油ピット(計137カ所)も一部浸水した。ピット内が浸水しても内部に浸入しない構造だが、排水・清掃作業とともに、全ピットを対象に品質確認を行っている。倒壊した緊急停止装置は復旧した。

 国際貨物地区でも60センチ程度の浸水があり、冷蔵施設などが甚大な被害を受けた。地区内道路や倉庫内の清掃作業はかなり進んでいたが、至る所に浸水の爪痕が残されていた。

【キャドセンターら3社、高精度3Dマップ発売】東京23区の夜景、3Dでリアルに再現

窓ガラスの反射光もリアルに再現した
日本創発グループの連結子会社・キャドセンター(東京都千代田区、清水宏一社長)ら3社は、3次元(3D)都市データ「REAL 3DMAP TOKYO 夜景」の販売を開始した。映画やテレビドラマ、不動産関連などさまざまな用途に活用できる。

デジタル地図データを販売するインクリメントP(東京都文京区、神宮司巧社長)、パスコと共同作製した。

 提供中の3D都市データ「REAL 3DMAP TOKYO」の夜景版。測量データや地図、航空写真を元に地形や建築構造を高精度に構築した3Dモデルデータ「MAPCUBE(R)」をベースに、東京23区すべての建物をフルテクスチャー化。窓ガラスの反射までリアルに再現した。

 夜景の実写空撮では光量の関係上、画像にノイズが出やすいなどの課題があった。今回提供を開始した夜景版では夜景ならではの光をリアルに再現。街や道路ごとに異なる光の色合いや照度を、実際の動画や写真と比較して細かく調整した。

2018年9月12日水曜日

【回転窓】コウノトリと地域づくり

国の特別天然記念物コウノトリは古くから縁起の良い鳥とされ、江戸時代には火事から家を守ってくれると信じられていたようだ▼江戸の町で寺の屋根に巣を作っていたコウノトリが突然に姿を見せなくなると、近くで火事が起こりその寺も焼けてしまった。以来、コウノトリがいる家は火事にならないと、屋根に巣をかけることが歓迎されるようなったという▼ところが日本では乱獲や環境悪化で生息数が減り、1970年代初めに絶滅。そして89年に兵庫県豊岡市で飼育下の繁殖に成功し、2005年からは野生に戻すための放鳥も始まった。他の地域にも取り組みが広がり、昨年までに野生の生息数は100羽に達している▼再野生化には生息できる湿地の整備・再生とネットワーク化が必要となる。関東では関係自治体や関東地方整備局らで構成する協議会が一昨年、コウノトリとトキを指標とした生態系ネットワーク形成基本計画を策定した▼7月下旬、千葉県野田市で一昨年と昨年に放鳥した2羽が続けて戻り、地元の人たちを大いに喜ばせた。各地のコウノトリと共に暮らす街づくりを通じた地域振興に期待が膨らむ。

【2022年度の竣工めざす】神宮前六丁目地区再開発(東京都渋谷区)、再開発会社方式で実施へ

東京都渋谷区のJR原宿駅や東京メトロ明治神宮駅近くで再開発事業を計画している地権者が、事業方式を当初予定していた組合施行から再開発会社施行に変更したことが分かった。

 現在行政に事業認可を申請中で、認可が下りれば地権者の東急不動産と東京メトロが共同出資し3月に設立した「神六再開発」(東京都渋谷区、青木貴弘社長)が事業主体となる見込みだ。延べ2万平方メートル強の再開発ビルを整備する計画。22年度の竣工を目指す。

 地権者は15年8月に「神宮前六丁目地区市街地再開発準備組合」(事務局・東急不)を組織し、再開発事業の具体化に向けた検討を続けてきた。事業方式について協議した結果、再開発会社による施行が同地区に適していると判断した。

 再開発会社施行では市街地再開発事業の推進を目的とした株式会社が施行者を務める。会社の議決権の過半数を地権者が持つため、地権者の意向を事業に反映することができる。

 再開発の施行区域は、東急不動産所有の「コープオリンピアネックス」(神宮前6の31の21)を中心とする0・3ヘクタール。洋菓子メーカー・コロンバンの本店や東京メトロの変電所などが立地している。

 同区域は、商業地としてのポテンシャルが高い一方で、建築物の老朽化や明治通りの拡幅による土地の狭小化、歩行者と自動車が交錯する変形五差路があるなどの課題を抱える。再開発事業では街区の再編・統合とともに、土地の特性にふさわしい商業拠点などを整備し、にぎわいを創出。安全な歩行空間も確保する。

 新設する建物の規模は延べ床面積2万2100平方メートルを想定。商業用途を主体とし、公共公益施設を入れる。東京メトロの変電所施設や駐車場なども設置する。事業にはコンサルタントとして日建設計、タウンプランニングパートナーが参画している。

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/国内1・2位が公共受注ゼロ

国内1・2位の建設企業、サムスン物産と現代建設が今年の公共分野でたった1件の工事も受注できずにいる。8月29日時点で8カ月間公共工事受注がゼロの両社関係者は、「苦しくて死にそうだ」と吐露する。

 現代建設は、自他共に認める公共市場の強者。しかし、現代自動車グループに吸収された後、かつてのような攻撃的受注営業戦略を駆使しないでいる。サムスン物産は、13年下半期以後国内公共工事入札でほとんど実績がなく、15年6月の新古里原子力発電所5・6号機以後受注記録がない。

 両社が公共入札をないがしろにしているわけでもない。両社とも昨年、大型の工事入札にはもれなく参加したが、「過去のような攻撃的営業戦略を使わないとみられるせいで、競争で押されているようだ」(現代建設)、「長く公共市場から離れていたことも原因だ」(サムスン物産)とする。

 ある中堅建設会社の営業担当者は、「過去とは違いサムスン、現代と入札で正面対立しても別に恐れない雰囲気がある」と話す。

CNEWS、8月30日)

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/ソンラ省観光振興に注力

 ファン・ティ・ミ・リン建設副大臣は、北西部ソンラ省のカム・ゴック・ミン委員長と会談し、同省都市開発と建設事業の見直しと今後の計画について協議した。

 2005年に策定された2014-2020年ソンラ省マスタープランでは、マイソン郡ハトロト村をグレード4都市に追加するなど、都市区域の拡大を定めていた。策定から12年が経過し良好な変化が見られるものの、人口の増減に波があるほか、建設プロジェクトやインフラ整備計画が現状に沿わないものがあるとして見直しを行っている。

 リン副大臣は、「ソンラ省は全国でも都市化率が低く、民間投資の誘致が困難だ。人気の観光地となっているモクチャウを中心に観光産業の振興に力を注ぎ、開発促進を目指すべきだ」と述べた。

セイ・ズン、8月21日)

【施工はIHIインフラシステム】関空連絡橋の桁撤去、9月14日完了めざす

修復工事に入る関空連絡橋下り線
(5日撮影、提供:西日本高速道路)
国土交通省と西日本高速道路会社は11日、台風21号の影響でタンカーが衝突した関西国際空港連絡橋(大阪府泉佐野市)で、損傷した橋桁の撤去工事に本格着手すると発表した。既に準備作業を進めており、12日から損傷した高速道路下り線の橋桁(対象延長約190m)をクレーンでつり上げ撤去する工事を行う。12日に撤去するのは橋桁の一部で長さ約89・1m、幅約15m、重量約1040t。最短で14日の完了を目指す。施工はIHIインフラシステムが担当する。

 連絡橋の海上中央部付近は上部の左右に高速道路上下線、下部の中央を鉄道が通る2層構造。タンカーが直接衝突した高速道路下り線の桁は鉄道が通る中央方向に数メートル程度大きくずれ、その影響で鉄道部の桁も数十センチずれた。国交省が7日まとめた関空の早期復旧へ向けた行動計画では、約2週間以内に高速道路下り線の損傷箇所を撤去し復旧時期を確定させる予定だった。

 西日本高速会社によると、現時点で本復旧工事の手法や着手時期、担当する建設会社は未定という。

 国交省は、高速道路の撤去工事が順調に進めば、JR西日本が行う鉄道の桁を元の位置に戻す工事も速やかに着手できるという。最短で月内にも鉄道の運行再開を見込む。