2017年5月26日金曜日

【JAXAの不整地走行ロボ活用】竹中工務店ら、盛り土締め固め自動RI試験ロボ開発

竹中工務店は25日、竹中土木、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、盛り土の締め固め試験を自動で行う「自動RI試験ロボット」を開発したと発表した。従来の人力による試験に比べ、所要時間を約15%短縮できるという。今後、竹中土木などが手掛ける道路建設工事への適用を目指す。

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【積女ASSALだより】あすなろ建築事務所・今野亜紀さん

 ◇楽しく情報を共有◇

 昨年の4月に新卒として入社し、現在は主に建具の積算をしています。

 大学では心理学を専攻していたため、入社当時は積算の知識が全くありませんでした。そこで仕事を通して経験を積むだけでなく、積算士試験を受験するという目標を立てました。試験では意匠や構造など幅広い知識を問われるため、初心者の私が積算の考え方を学ぶにはとても効率的な方法でした。講習会にも参加する機会があり、積算の知識だけでなく働き方について先輩方のお話を聞くことができました。

 楽しく情報を共有できる機会のため、つながりを広げていけたらと思います。資格取得を通して得た経験は今後の実務にも生かしていきたいです。

 (こんの・あき)(次回は大成建設の武内恵美さんを紹介します)

【回転窓】「訓練~就職」定着を

未就業者に無料で職業訓練と資格取得の機会を提供し、就職支援までをセットで行う厚生労働省の「建設労働者緊急育成支援事業」。建設業振興基金が受託している同事業が3年目に入った▼全国各地の業界団体などと連携し、地域の特性を生かしながら、訓練に参加する人材を集めて事業が展開されている。事業は5年計画。トータルで5000人が訓練を受けることを目標にしている▼参加する人材は年齢も経歴もまちまち。建設業に対する思いも各人各様だが、建設現場で必須の訓練や資格取得を自ら行えば相応の費用がかかるところを無料で参加できる。そこに大きな魅力を感じて参加する人たちが多いようだ▼企業にとっても、建設について何も知らないままより一定の訓練を受けてくる人材は魅力。入職後の教育にかかる時間やコストを抑え、即戦力として働いてもらうことができるからだ▼業界や企業が主導する将来の担い手の確保・育成。これを国が支援する事業も折り返し点に差し掛かっている。終了後も、訓練から就職支援という一連の流れを定着させることができるか。国費を投じた壮大な実験でもある。

【若手・中堅社員に出会いの場提供】都中建、7月に初の婚活パーティー開催

東京都中小建設業協会(都中建、山口巖会長)は25日、会員会社(計132社)に勤める独身の男女同士の結婚を後押しする初の「婚活パーティー」を開催すると発表した。若手・中堅社員の職場定着促進策の一環として企画した。7月23日(日曜)の午後2時から東京都新宿区にある「日比谷BARの食卓新宿店」で開催する。

 対象は会員会社に勤める20~40代の独身男女各15人。応募は先着順に都中建へのFAX(03・3354・7271)で受け付ける。参加費は男性3000円、女性2000円。会員各社からは協賛金として参加者1人当たり5000円を募る。

 都中建によると、現時点で会員会社に勤める20~40代の独身者が何人いるか詳細に把握していないが、各社からは出会いの場を確保してほしいとの要望が多かったという。パーティーでは異性の参加者全員と会話できる時間を確保する。2回目以降の開催は同日の様子や参加者の意見などを踏まえて検討する。

 建設業団体が主催する婚活をテーマにしたパーティーやイベントはこれまでに、山梨市建設協力会(山梨県山梨市)や、埼玉県電業協会と埼玉県電気工事工業組合などが開いているという。

2017年5月25日木曜日

【5年連続増加、初の600万円台に】上場企業の平均年間給与、605・7万円に

 民間信用調査会社の東京商工リサーチがまとめた2016年の「上場企業平均年間給与」調査によると、上場3079社の年間平均給与は605万7000円となり、前年に比べ6万3000円増加した。2011年の調査開始以来、5年連続の増加で初めて600万円台に乗った。

建設業161社の平均年間給与は671万9000円(前年比1・9%増)業種別で見ると金融・保険業(153社)の702万9000円に次いで、10業種の中で2番目に高い水準にある。

 建設業の平均年間給与は618万6000円(2011年)→623万1000円(2012年)→624万9000円(2013年)→637万8000円(2014年)→658万8000円(2015年)と推移している。

 個別企業の平均年間給与で最も多い金額帯は500万円以上600万円未満の936社(構成比30・4%)。次いで600万円以上700万円未満が755社(24・5%)隣、500万円以上700万円未満が3079社中1691社と半数を超える。500万円未満も723社あり、同社は「上場企業の給与は二極化傾向が強まっている」と分析する。

【回転窓】書写山と落書き

兵庫県姫路市の書写山円教寺を訪れた。天台宗三大道場の一つ。岩山の中腹に設けられた舞台造りの摩尼(まに)殿や、国内最大規模の仏堂である食堂(じきどう)などが森の中に連なる。「西の延暦寺」との評も納得がいく見応えだった▼宝物殿に弁慶が学んだという勉強机がある。鬼若と名乗っていた若い頃に同寺で修行に励んだという。だが、寝ている時に顔に落書きをされて激怒。いたずらをした兄弟子と大げんかになり、そのいさかい時に火が講堂などに燃え移ってしまう▼その再建に向け、資金を集めようと太刀を奪い歩く中で牛若丸と出会う。伝説も含まれようが、歴史の一幕を想像しながら見入った。もう一つ興味深かったのが、戦国時代に柱に彫り込まれた落書き。羽柴(豊臣)秀吉に占領された時代のものという▼険しい地形で守りに有利な上、兵士が寝泊まりできる施設も豊富。秀吉は、播磨地方を支配下に収めようと争う中で本陣に選んだ。僧侶は追い出され、多くの仏像や寺宝が略奪されたと伝えられる▼争いの時代に文化より時の権力者の思惑が優先されるのは歴史の常。そうしたことが繰り返されないよう願うばかり。

【曲面屋根が美しい…】竹中工務店ら、木造複層格子梁を開発

 竹中工務店と一粒社ヴォーリズ建築事務所は曲面の屋根をつくる木造の複層格子梁を開発し、国内で初めて滋賀県近江八幡市の学校施設に適用した。

 木造複層格子梁は主材となる上弦材と下弦材を短辺方向に架け、斜材を上下弦材の間にトラス状に組み込む架構。トラス成を確保することで部材の小断面化と製作工期の短縮を実現した。

 斜材は屋根の面内剛性を高めるだけでなく、屋根構造の立体的な力の伝達にも役立っている。

 導入したのは学校法人ヴォーリズ学園の「ヴォーリズ記念アリーナ」。ヴォーリズ学園が屋根構造を木造にするよう求めたのを受けて、両社が複層格子梁を開発した。

 複層格子梁に使用したのは工場生産の湾曲集成材。複層格子梁にしたことで断面を220ミリ×450ミリにサイズダウンできたという。

 最初に下弦材を設置してその上に斜材を置き、さらに上弦材を設ける。材料同士は金物で接合する。伝統木造の技術「貫架構」を組み込むことで屋根架構を一体化。木質系の母屋と組み合わせることで暖かみのあるシンボリックなアリーナ内部空間を実現した。工期や重量、コストともS造の屋根とほぼ同じという。両社は特許を共同出願済み。

 ヴォーリズ記念アリーナは奥行きが約39メートル、幅が約33メートルのメインアリーナを備える。規模はRC造(屋根木造)2階建て延べ2303平方メートル。意匠設計と監理を一粒社ヴォーリズ建築事務所、構造設計と木造関係監理、施工を竹中工務店が担当。16年5月中旬に着工、17年3月に完成した。

【総合運動場整備が始動へ】佐賀県、6月補正予算案に基本設計費計上

総合運動場の完成イメージ
佐賀県は、17年度一般会計6月補正予算案の要求状況をまとめた。要求額は46億92百万円。現計予算額と合わせた予算額は前年同期比2・0%減の4381億94百万円となる。目的別要求額のうち土木費は15億97百万円、部局別要求額のうち県土整備部は15億61百万円となった。

 主な要求ではスポーツを楽しむ環境整備事業費として2億67百万円を要求するとともに18年度までの限度額2億82百万円の債務負担行為を設定。予算が可決されれば総合運動場等整備のアリーナや水泳場、陸上競技場などの基本設計などを行う。

 施設整備は県総合運動場と県総合体育館(いずれも佐賀市日の出)がある一帯で行う。整備基本計画によると、総合運動場の競技施設周辺の西エリアは屋外競技を中心とした拠点、総合体育館周辺の東エリアは屋内競技を中心とした拠点とし、総合運動場陸上競技場の東側の国道に面した駐車場周辺の中央エリアにアリーナなどを新設する。

 新設するアリーナのメインアリーナはバスケットボールコート3面の広さで観客席は6000席以上(うち固定4000席以上)。コンサートや展示会など多目的に利用できる施設とする。これに周辺施設への動線となるペデストリアン(歩行者用)デッキ、カフェやレストラン、スポーツショップなど有料テナントが入居するテナント棟を併設する。

 陸上競技場は第1種基準を満たすよう雨天練習場の整備や走路改修、老朽化した施設の改修などを行い、水泳場はコース幅を変更し屋外50メートルプールを屋内プールに改修する。総合体育館は空調改修やボクシング・フェンシング場の整備を行い、管理棟やテニスコートの改修も行う。 整備基本計画策定業務は梓設計が担当した。

【ピーク時の2割減に】16年度末の建設業許可業者、46・5万社

国土交通省は24日、2016年度末(17年3月末)時点の建設業許可業者数を発表した。総数は46万5454業者で前年度末に比べて0・5%、2181業者減少した。減少は2年連続で、ピークだった1999年度末(60万0980業者)と比べ22・6%減となった。新たな許可業種区分として16年6月に申請受け付けを始めた「解体工事」は1万3798業者が取得した。

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2017年5月24日水曜日

【回転窓】「夢の技術」発信しては

今から3年前、本紙が「50年後に実現させたい夢の技術」をテーマに募った60のアイデアが「建設再興-新時代の技術産業へ」と題した企画特集号に掲載されている(2014年10月15日発行)▼例えば、樹脂ではなく実際の土砂を使ってあらゆる起伏や斜面などを成形するのが「3Dプリンター型建機」。層を重ねて上方に成形するだけでなく、地下を削って下方にも構造物を造ることができ、実現したら画期的な技術になるだろう▼軟らかい状態ではラップのように薄くて簡単に曲げられるが、硬化させると高強度になるのが「自由自在な素材」。空気を透過させ、呼吸するように最適な温度の空気を室内に取り込める▼建設会社や行政機関などで働く人たちから寄せられたアイデアはどれも興味深く、建設技術の未来を予感させてくれるものばかりだった。今読み返しても、近い将来に実現してほしいと期待が膨らむ▼経営環境が厳しい時代を経てきた建設産業は長い間、どこか「夢」を語れないでいたのかもしれない。未来を託す担い手たちを確保・育成していくためにも、そろそろ「夢」を広く発信していってもいい。

【施工は竹中工務店JV】三菱地所、6月1日にホークスタウン跡地商業施設(福岡市)着工

三菱地所は、福岡ヤフオクドームに隣接する福岡市中央区地行浜で進めているホークスタウンモール跡地複合再開発計画の大規模商業施設の地鎮祭を6月1日に開く。竹中工務店・錢高組・小林建設・松本組・坂下組JVの施工で着工する。建物規模は2棟総延べ約12万5000平方メートル。設計・監理は三菱地所設計が担当。18年度下期の開業を目指す。

 商業施設棟は本体棟がS・RC造4階建て、アネックス棟が同8階建て。同社の旗艦商業施設ブランドである「MARK IS(マークイズ)」を冠し、賃貸面積は約4万8000平方メートル。同社グループで最大級、福岡市の天神地区以西で最大規模の商業施設となる。建設地は中央区地行浜2の2の1。跡地では商業施設棟以外に三菱地所レジデンスによる高層分譲マンション2棟の建設も計画している。

【体育館など3施設検討】鹿児島県、大規模スポーツ施設整備で6月にも有識者委初会合

鹿児島県は、大規模スポーツ施設のあり方検討に着手する。6月にも有識者らで構成する検討委員会の初会合を開き、総合体育館、ドーム球場、サッカースタジアムの3施設の必要性や実現可能性などを検討する。

 このうち総合体育館については三反園訓知事がこれまでも必要性を認識していると発言しており、優先的に検討を進める見込みだ。

 県は本年度一般会計当初予算に大規模スポーツ施設のあり方検討事業として319万4000円を新規計上し、現在は有識者らで構成する検討委員会の設置準備を庁内で進めている。初会合は三反園知事が6月上旬ごろに開催したいと表明しているため、これを念頭に日程調整しているもよう。検討内容や検討期間などは初会合で決めるとし、現段階では明らかにしていない。

 施設のうち総合体育館は前知事時代にメインアリーナ、サブアリーナ、武道場などで構成する施設の基本構想をまとめたが白紙撤回した経緯があり、優先的に検討する。必要性を議論し、必要性が認められれば機能や立地場所など踏み込んだ検討に入る。

 ドーム球場に関しては採算面など課題も多いため、実現の可能性などを慎重に検討する。サッカースタジアムは鹿児島市が有識者や競技団体の代表らで構成する協議会を設置し、本年度末の提言に向け議論を進めているため、この進ちょく状況も見ながら必要に応じて対応を検討する。

【研究室訪問】東京大学工学部建築学科・伊藤毅研究室


 ◇「領域史」研究を切り開く◇

 東京大学工学部建築学科の伊藤毅研究室は、東大初の「都市史」を専門とする研究室だ。

 伊藤教授は、時代・地域を問わず幅広いテーマを扱い、世界各地で現地調査を実施。2013年には「都市史学会」を立ち上げ、建築と土木、都市をつなぐインフラに着目した都市史研究を深めている。これまで優秀な研究者を輩出しているほか、「建築史を素養として身に付け、卒業後は建築設計の道に進む学生が多い」(伊藤教授)という。

 伊藤教授の研究の出発点は日本の都市史だが、1999年から一年間、コロンビア大学客員研究員として米国で過ごしたことをきっかけに、海外の都市にも目を向け始めた。植民都市として栄えたキューバの首都ハバナや、13、14世紀に成立したフランス南西部の新都市「バスティード」の調査を実施した。

 東大の建築と土木の研究者が連携して進める研究プログラムに参加したことを機に、建築と土木と都市をつなぐ「インフラ」に着目。オランダ北部フリースラント州に多数現存するテルプと呼ばれる人工の丘の上につくられた集落や、イタリア北東部ポー川水系の都市、17世紀に開かれた南仏ラングドック地方のミディ運河とその周りに成立した都市の研究などを進めている。

 物理的な範囲だけでは都市を捉え切れないとの考えから、伊藤教授は「領域」という視点を提唱する。地図上の線だけでなく、山や川など自然地理的、また言語など社会的な区切りによって生まれる区域を含めた「領域史」という新たな学問体系を切り開こうと意気込んでいる。

 12年に、日本近世史が専門の吉田伸之東大名誉教授と共に日本建築学会賞(業績)を受賞した。受賞業績は「学的融合による都市史研究プラットホームの構築」。両氏が編集を担い、幅広い分野の歴史研究者が執筆した書籍『伝統都市』全4巻(10年)の成果を中心に、都市をテーマに建築学と歴史学が融合した学際的な研究領域を開拓したと評価された。13年には「都市史学会」を設立し、日本史と建築史だけでなく東洋史や西洋史、美術史、土木史、都市計画史などの専門家も加わった研究ネットワークを築いているところだ。

 ◇世界各地で調査実施、小さなインフラを提唱◇

 最近では、カリブ海・アンティル諸島の調査に着手した。独自の社会を持ちながらも周囲の島や大陸と連携して生存してきた島とその周囲の海を含めた領域を対象とし、植民地時代から独立を経て近現代に至る歴史を踏まえた島のあり方を探る「島嶼(とうしょ)論」を展開していきたいとしている。

 ゼミの学生は、テーマごとに設置された研究会に自由に参加。調査に同行して研究手法を学び、自らの卒論・学位論文の研究に生かす。現地では毎晩ミーティングを行い、白熱した議論が2~3時間続くこともあるほどだ。博士課程には毎年20人程度が所属し、伊藤教授の都市史研究を近くで学びたいと訪れる留学生も多い。伊藤教授は「研究室の自慢は学生が優秀なこと。自分の問題意識から出発して自由に取り組んでいる」と笑顔を見せる。

南仏ラングドック州カスペタン村
で行った現地調査の様子
 災害は都市にもともと存在するものと考える伊藤教授は、11年の東日本大震災が都市史研究を見直すきっかけになったと話す。近代以降、人がつくり上げてきた重厚長大なインフラをもってしても、都市が内包する危機を抑えることはできないことが明らかになった今、都市とインフラはどこを目指すべきか。

 伊藤教授は、オランダのテルプのように住民の共同体だけで維持できる「小さなインフラ」を提示する。

 「震災後、政府は広範囲に大堤防を建設しようとしているが、資金的に不可能に近いだろう。近隣の住民が利益を享受する小規模なインフラが必要だと考える。当然あるとされてきたインフラや大地といった前提がなくなったらどうするか、都市のあり方を問い直す時代が来ている。今こそ複雑な全体像に目を向ける領域論的アプローチが求められている」。

 (いとう・たけし)52年京都府生まれ。77年東京大学工学部建築学科卒、79年同大学院修士課程修了。84年同大助手、87年工学博士取得、94年同大助教授、99年コロンビア大学客員研究員、00年東京大学教授。

【こちら人事部】五洋建設/「進取の精神の実践」可能なフィールド提供

新入社員研修では現場で行う朝礼の演習も実施している
 1896(明治29)年に水野甚次郎が前身となる水野組を広島県呉市で創業。「創造する心に国境はない」との信念の下、国境を越えた海と大地で、さまざまなジャンルの建設工事や開発事業に取り組んできた。「グローバルな臨海部ナンバーワン・コントラクター」を目指す五洋建設は、4年後の2021年に創業125年を迎える。

 採用や新入社員研修を担当する大塚健経営管理本部人事部担当部長は、「求める人材は『自ら考え、行動する人』」と強調する。自身で目標を設定し、主体的に業務を遂行できる人材に期待しているという。

 若い職員にも責任ある仕事を任せるのが同社の方針。「経営理念の一つに『進取の精神の実践』とある通り、失敗を恐れずチャレンジしてほしい。若手のころから、何事にも果敢に取り組む姿勢は大きな成長を促す」と力を込める。

 そうした人材を獲得するため、同社では出身校ごとにリクルーター活動を実施。職場訪問やOB訪問を受け付けている。企業説明会、学内セミナー、合同企業セミナーにも積極的に参加。企業側からの一方的な説明にならないよう、対話型の説明会も実施している。

 「スマートフォンが普及するようになってからは、採用パンフレットは拡張現実(AR)アプリを使い、『見る』から『視る』へと映像コンテンツを切り替えた」と大塚担当部長。建設業を理解してもらうためのインターンシップ制度も国内外で実施しているという。

 研修制度も充実している。入社直後の全職種合同での新入社員研修を経て、3カ月目に職種別の研修、6カ月目に全職種合同のフォローアップ研修を行う。2年目は全職種合同の研修、3年目は職種別の研修を行う。

 技術系の職種は、専門スキルを習得するための専門研修を別途実施。入社後12年間はOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)制度を導入し、若年層の成長を促す施策を取っている。

 大塚担当部長は、「学生の皆さんには海洋土木のイメージが強いようだが、陸上土木も同規模の事業比率で多種多様な仕事がある」と魅力をアピールする。建築は、臨海部での強みを生かした大型物流施設や工場が多く、文化・スポーツ施設などのランドマーク施設の実績も増えているという。

 土木・建築とも各国で数々の大規模工事を手掛けてきた。「海外に挑戦したい人は、そのチャンスがある。思い切って自分がやりたい仕事ができる会社だ。自分の夢を持つことが大切。その夢があれば、実現のための目標やプロセスが明確になり、仕事のやりがいが増していく」とエールを送る。

 「面接では学生時代に経験したことを自信を持って話してほしい。皆さんが経験してきたことはさまざまだが、われわれは皆さんの話す姿に映る熱意を見ている」とアドバイスしている。

 《新卒採用概要》
 
 新卒採用者数=男性136人、女性27人(17年度実績)
 
 3年以内離職率=8・1%(14年度新卒)
 
 平均勤続年数=男性19・2年、女性17・1年(17年3月末時点)
 
 平均年齢=43・4歳(17年3月末時点)

2017年5月23日火曜日

【回転窓】社内運動会、復活の効果は

5月の大型連休が終わってから6月の梅雨入りまでの間は、秋と並んで小中学校の運動会シーズン。読者の中にも、もう終わったあるいはもうすぐという方がおられよう▼わが子の晴れ姿を写真やビデオに収めようと、機材片手に奮闘する人も多いが、最近は家族席の場所取りや撮影スペースの確保をめぐる保護者同士のトラブルも増えていると聞く。家族ごとにテントを張るケースも多いとか。校庭にテントがひしめき合う光景に「まるで野外フェスのよう」との声も▼過熱する場所取り合戦に歯止めを掛けようと、学校側は保護者に注意を呼び掛けたり、抽選を導入したり。子どもそっちのけで保護者と学校、あるいは保護者同士がいざこざを起こすなど論外だが、時代とともに運動会の風景も様変わりしたと感じる▼運動会と言えば、社内行事として運動会を復活させる企業が近年増えているらしい。かつては多くの企業が開いていたが、参加者減少やコスト削減などでしばらく下火だった▼ここへ来ての復活には、親睦を深める、一致団結の機会を設けるなどさまざまな狙いがあるようだ。さて、果たしてその効果は-。

2017年5月22日月曜日

【業界イメージ刷新の一助に】全建協連、ユニフォームデザイン事業を展開

全国建設業協同組合連合会(全建協連、青柳剛会長)は19日、東京都千代田区の東海大学校友会館で定時総会を開き、17年度の予算・事業計画を決定した。事業計画を踏まえた活動指針として、業界のイメージを刷新するユニフォームデザインプロジェクトを展開していくことを新たに打ち出した。

 青柳会長は総会後に記者会見し、プロジェクトの狙いについて、「工事現場を格好良くプロデュースしたい。作業着でも電車に乗れる、街を歩けるようになれば、社員のモチベーションもアップし、リクルートの有効なツールにもなる」と述べ、ファッションから建設業への理解促進につなげていく考えを表明。「10月ぐらいにはユニフォームデザインをお披露目できるようにしたい」と述べた。継続的な事業に育てる意向も示した。

 技術者、技能労働者のキャリアパスややりがいにつながる活動も摸索。長野や群馬で具体的な取り組みが始まった施工担当技術者の名前が入った銘板の設置を拡充する活動の支援や情報提供も展開する。

【大劇場隣接地に200室規模】阪急電鉄ら、宝塚ホテル(兵庫県宝塚市)を移転・新築

 阪急電鉄と阪急阪神ホテルズは、老朽化している宝塚ホテル(兵庫県宝塚市梅野町)の移転・新築計画をまとめた。

 宝塚大劇場の西側隣接地(栄町1丁目)に約200室の新ホテルを建設する計画で、設計を日建設計が担当。今後、施工者を決定し、9月から敷地整備工事、18年春からホテル新築工事を進める。開業は20年春を予定している。

 1926年に開業した現ホテル(129室)は、建築家の古塚正治氏が設計を手掛け、当時は先進的な洋館ホテルとして注目を集めた。その後、ホテル機能の充実、規模の拡大を図りながら90年以上にわたって営業を続けてきたが、躯体や基幹設備の老朽化が著しく、現行法上の耐震基準も満たしていないため、建て替えることになった。

 計画地は、一般客が利用する宝塚大劇場の西駐車場(敷地面積約1万2300平方メートル)。施設規模はRC一部S造地下1階地上5階建て延べ約2万3000平方メートルを想定し、阪神間モダニズムと称される現ホテルのデザインを継承する。切妻屋根の壁面などに描かれている植物モチーフのレリーフをはじめ、ドーマ窓や半円形屋根、アーチ天井を持つ回廊・階段の手すりに施された装飾などを復元する予定だ。

 1、2階が宴会場や料飲施設、3~5階が200室程度の客室となる。宝塚歌劇の観劇やビジネスユースなど、幅広いニーズに対応したルームタイプを備える。宴会場は、宝塚大劇場のオフィシャルホテルとして、宝塚歌劇のディナーショーを開催できる大宴会場と、地域のコミュニティホテルとして利用可能な中・小宴会場の計4室を設置。料飲施設はカフェレストラン&バイキングのほか、日本料理や鉄板焼、ラウンジの計4施設が入る。

 ホテル建設に先立ち、西駐車場の代替となる立体駐車場を北側敷地に建設中で、9月14日の移転後、敷地整備工事に着手する。現ホテルは新ホテル開業まで営業を続ける。

【有識者委で工法・工期検討】松本城天守耐震化、17年度内に基本計画策定

長野県松本市は、国宝松本城天守(丸の内4の1)の耐震診断で、一部の耐震性能不足が判明したことから、本年度末までに耐震化基本計画を策定する。

 7月をめどに有識者による「耐震対策委員会」を設け、耐震化の工法・工期などを検討する。

 市は文化庁の重要文化財(建造物)耐震診断指針に基づき、文化材建造物保存技術協会に委託して14~16年度に耐震診断調査を行った。その結果、「乾小天守」が規定の耐震基準を満たさなかった。

 耐震化基本計画策定後、18年度に耐震化の基本設計に着手する。工期は採用する工法などに左右されるため未定だが、最短で19年度末ごろの完成を想定している。

【回転窓】車内ルールも出張の心得

取材の担当先によっては、毎年決まった時期に遠方への出張が続くことがある。移動時間が長いほど、さまざまな場面に遭遇する機会も増える▼カチッ、パンッ、カチカチッ。先日乗った新幹線の車内。熱心にキーボードをたたく元気な音が響いていた。「もう少し静かにできますか」。隣席の男性の指摘で控えめな音量になったが、しばらくすると指摘した男性から小さくないいびきが聞こえ始めた▼公共交通機関は、互いを尊重し気遣う暗黙のルールの上で、見知らぬ同士が空間と時間を共有する。耳障りなキーボードの打撃音の抑制を求めるのは当然の権利だし、眠りに誘われやすい車内や機内で疲れた体を休めるのも自由だろう▼ただ、物理的に音量を下げられるキーボードの音と違い、本人の知らぬ間に自然に出てしまういびきは難題である。被害者は発生源が目を覚ますのをじっと待つか、トラブルへの発展を覚悟で発生源に直接訴え出るか▼記者にとって、移動時の車内は取材内容の整理や原稿作成を進めたりする貴重な時間と場所である。もちろん休息にも。車内の平和を乱さぬよう自戒しつつきょうも遠方へ。

【凜】三和シヤッター工業営業推進本部・福井千穂さん


 ◇一人でも多くファン増やしたい◇

 大学では経済学を専攻。就職活動の際、住宅設備メーカーや金融機関など幅広く検討したが、中でも会社説明会や面接で雰囲気が良い会社だと感じた三和シヤッター工業を選んだ。

 入社3年目。現在は営業推進グループの学校・医療福祉チームに所属し、主に病院や介護施設へ商品を提案している。

 まだ販売している商品すべてに精通しているわけではない。ある会社に営業に行った時に、相手からの商品に対する細かい質問に答えられず、悔しい思いをしたという。その悔しさをばねに、商品知識を増強している最中だ。

 同社は軽量・重量シャッターが主力商品。その中で、営業を担当している病院や介護施設で求められる商品は引き戸やトイレブースなどが中心で、毛色が異なる。「シャッター以外の商品も販売していることを知らないお客さまも多いので、資料を丁寧に作り込んで提案している」といい、営業のためにさまざまな工夫も凝らしている。

 目標は「お客さまに一人でも多く三和シヤッター工業のファンになってもらうこと」。日々の営業活動の中で顧客と積極的にコミュニケーションを取り、ファンを増やしていきたいと思っている。

 関西出身ということもあり、東京で暮らすのは初めて。「東京近郊にある観光地を巡ってみたい」と笑顔で話す。

 (営業推進部、ふくい・ちほ)

【中堅世代】それぞれの建設業・168

職場で日々成長が感じられるのは幸せなこと…
 ◇頭と体を使う充実感得られた◇

 ものづくりの世界に興味を抱き、大学で建築分野を専攻した兵藤幸音さん(仮名)。就職活動をした10年ほど前は、建設産業は市場の縮小傾向が続いていた。女性が就労するための環境も、今と違って十分には整っておらず、周囲からは他分野への就職を勧められた。

 大学の友人たちを見ても建設会社を志望する人は少なく、自身も建築分野とは全く関係のない小売業の会社に就職した。事務や営業関係の業務を任された。上司や先輩たちにも親切な人が多く、特に不満もなかった。だが、数年が過ぎた頃、ルーティンワークを繰り返す日常に疑問が湧き、手に職が付かない将来に不安を感じるようになった。

 日々の仕事の中で技能を身に付け、自分の成長を実感する。それができない現状へのいら立ちが募り、次の行き先を見つける前に退社を決断。とにかく現場に出られる企業を探し、最終的に設備工事関係の専門会社に転職した。

 今、サブコンの技術職員として現場管理を任されている。職人に代わって玉掛け作業を手伝ったり、現地で設備の据え付けを行ったりすることもある。ものづくりを通して日々いろいろなことを経験し、知識を吸収できることに喜びと生きがいを感じる。「現場勤務は体力的に厳しいと思う時もあるけれど、それ以上に頭と体を使って働く日々の充実感は、以前の職場では得られなかった」。

 大学で建築を勉強しただけに、将来は設計部門に異動して図面作成に携わりたいと考えている。そのためにも今、現場を経験することは自分にとってプラスになると思う。個人の感性によるところが大きい意匠関係の設計などと違い、設備関係の図面は現場を深く理解することが求められる。

 「配管などの設備の納まりが現場と合っていないひどい図面もあり、職人から怒鳴りつけられることもある。現場のことをろくに知らず、空調の効いた室内で描いた図面がよい図面であるはずがない。社歴がいくら長くても、現場経験のない設計担当者ではものづくりの本質を理解するのは難しいだろう」

 今は現場の経験知を高めることに没頭する毎日だ。玉掛け作業は、職人の動作を見よう見まねで自己流でやっていたため、講習会を受けて正しいやり方を頭と体にたたき込んだ。現場の安心・安全を確保し、作業効率を高めるには、横着せずに正しいやり方を実践することが第一。基本を身に付けているからこそ、応用してより高度な技能を必要とする作業が行えると信じている。

 女性技術者として現場に出て5年以上たつ。一人前にはまだまだ遠いが、この業界で働き続ける自信と体力は付いてきた。周囲からはまだ心配する声も聞こえてくるが、仕事に打ち込む姿を見て応援してくれる。

 一方で、両親からは「結婚」というプレッシャーが強まりつつある。特に「婚活」は意識していない。ものづくりの仕事のやりがいと喜びに共感し、理解してくれる伴侶が見つかるまで、自然の流れに任せようと思っている。

【サークル】YKKAPカヌーサークル「武志軍団」

 ◇楽しくけが無く、結果にもこだわる◇

 YKKAPの東北製造所(宮城県大崎市)の社員寮のメンバーが中心となり、2004年に結成した。

 熱い志を持つメンバーの集まりということと、芸人グループ「たけし軍団」のような結束力の強い集団を目指すという意味を込めて「武志軍団」と名付けた。

 現在約20人が在籍。東北製造所の勤務者が中心だが、東京や黒部製造所(富山県黒部市)などに転勤で異動したメンバーも引き続き所属している。

 「『楽しくけが無く』を第一に活動している」と話すのは、代表の浅尾昌彦さん(東北製造所アルミ素材製造部生産管理室)。メンバーの親交を深めることを念頭に活動しているが、勝敗にもこだわる。「勝利の先に見えてくる最高の楽しみを求めて日々の練習に励んでいる」という。

 宮城県加美町で開かれるドラゴンカヌー大会に毎年出場。東北地方で開催される大会にも積極的に参加している。目標は、7月のドラゴンカヌー大会での優勝だ。約35チームが出場する規模の大きい大会だけに激しい戦いが予想されるが、「優勝という目標のためチーム一丸となって一生懸命努力していく」(浅尾さん)と意気盛んだ。

【駆け出しのころ】フジタ取締役常務執行役員建設本部副本部長・平野徹氏

 ◇建物づくりはやっぱりすごい◇

 入社して最初に配属されたのは関東支店です。その初日に群馬県内にある温泉旅館の増築工事現場に行くよう言われ、現場から迎えに来てくれたのがパンチパーマの先輩でした。私はその温泉地がどこにあるのかもよく分からず、しかも先輩の運転する車が高速道路を下りて国道、脇道へと進んでいくうちに辺りは真っ暗に。一体どこに連れて行かれるのかと不安でたまりませんでした。ようやく到着した所は、現場が宿舎に借りている古い家屋。その場で帰りたくなったのを覚えています。

 この老舗旅館の館内にはバンドの生演奏で歌えるクラブがありました。私たちは日中の仕事を終えると風呂に入り、ここで夜8時ごろからお客さんを呼び込むための「サクラ」としてよく歌っていました。これも仕事のうちで、いわゆる営業協力です。

 楽しかった思い出ですが、現場では建築技術者らしい仕事ができず、谷川岳に沈む夕日を見ながら「これでいいのか」と思い悩んでいました。最後に車寄せ部の施工管理を任せてもらえた時はうれしかったものです。

 竣工披露パーティーで旅館の会長から頂いた言葉は今も忘れません。私たち一人一人の名前を呼び、「皆さんは台風の時、寝ずに番をしてくれた」などと言って下さいました。これを聞いて「建物づくりはやっぱりすごい」と感動し、この世界にすっかりはまってしまいました。

 結婚したばかりのころ、ある地方の現場を自分から希望して担当させていただいたこともあります。ここは山留め工事のある現場でした。私にはそれまで経験がなく、このままでは建築技術者として遅れてしまうと思っていたため、自ら手を挙げました。建築技術というのは、本を読んだだけでは分かりません。やはり実地に経験していかないと身に付いていかないものです。

 私もこれまでに多くの失敗をしてきましたが、若い人たちに伝えたいのは、失敗しても自分一人で抱え込まないということです。抱えていると事態はどんどん悪化してしまいます。悪いことこそ上司や先輩に早く言うことが大切です。

 そしてこれからの時代は「ただひたすら走ろう」といった教育ではなく、現在のスポーツ界がさまざまなデータも駆使しながらアスリートを育てるように、現場職員の指導育成も科学的に行っていくことが重要です。そうやって職員もアスリートにならなければいけません。これまでのように「10年掛かりで一人前」では通用しません。「こうしたらここまでいける」といったことを科学的に示していくことが必要でしょう。スポーツ科学なども勉強し、人材の育成につなげていけたらと思っています。

 (ひらの・とおる)1981年日大理工学部建築学科卒、フジタ工業(現フジタ)入社。東京支店建築部次長、同建築部長、首都圏支社東京支店副支店長兼首都圏支社建設統括部統括部長、執行役員建設本部副本部長などを経て、15年4月から現職。宮城県出身、59歳。
入社して最初に担当した現場のメンバーと(前列右端が本人)