2017年2月3日金曜日

【輝く!けんせつ小町】鴻池組本社土木事業本部・松原梨沙さん

 ◇現場で学ぶ大切さを実感◇

 中学生の時に見たテレビ番組の影響で、建物の設計に携わる仕事がやりたいと思い、地元山口県の工業高等専門学校(土木建築工学科)に進んだ。しかし、偶然参加した夜間の高架架設の現場見学会で考えが一変したという。

 「何百トンもある巨大クレーンで高架構造物をつり上げ架設するさまを実際に目の当たりにすると、その圧倒的なスケール感に価値観が変わりました」。以来、土木分野に進むことを決めた。

 鴻池組を選んだのは、企業説明会時に担当者が親身になっていろいろ話を聞いてくれたから。「ただ、その時は私も両親も社名にあまりなじみがありませんでした」。そこで学校の先生に相談すると「しっかりしたいい会社だよ」と後押し。両親が「好きなことをやりなさい」と意志を尊重してくれたこともあり、入社を決めた。入社後の研修会で会社の沿革を初めて知り「歴史の古さに感銘を受けました」と振り返る。

 現場で思い切り仕事ができる、と思っていたが、配属先は本社環境エンジニアリング部の環境技術課。土壌や水質の浄化対策など全国の現場をサポートする部署で「建築でも土木でもない“衛生工学”で、専門用語も初めて聞く言葉ばかり。文献を読み、現場を訪れ日々、勉強の毎日です」。

 昨年4月、名古屋支店が担当する工場跡地の解体・土壌汚染対策工事の現場事務所に本社から配属され、汚染土壌の掘削・運搬計画の立案や現場管理などを行っている。

 「最初のころは、計画を立案しても“なかったこと”にされることが多く悔しい思いもしましたが、今考えると、重機の動きなどを考えず非効率的な計画でした。現場で作業する人は経験則で分かっている」。現場のことを知らないと提案もできず、現場に出て学ぶことの大切さを改めて実感。最近は現場のことが少しずつ分かってきたといい「打ち合わせの時は意見を言えるようになりました。習うより慣れろ、です」と笑顔で話す。

 日常の業務に加え、日々の勉強も怠らない。土壌汚染調査技術管理者と1級土木施工管理技士の資格取得が当面の目標だ。

 現場で活躍する女性技術者が増えつつある。これから建設業界を目指す後輩に対しては「同じ作業の繰り返しではなく、現場の姿が日々変わっていくのは新鮮。新しいことにチャレンジしたい人には向いている仕事だと思います」と、一人でも多くの仲間が増えることを願っている。

 (技術統括本部環境エンジニアリング部環境技術課、まつばら・りさ)

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