関東甲信1都8県の17年度当初予算案が20日までに出そろった。一般会計は群馬県を除いて前年度当初予算を下回り、総額は16兆3637億24百万円(前年度比1・6%減)となった。
投資的経費も1都6県で減少し、総額は2兆1030億61百万円(同2・9%減)にとどまった。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)や2020年東京五輪の開催都県などがスポーツ関連施設の整備を加速させるほか、防災対策や地域・産業の活性化に重点配分する自治体が目立つ。
投資的経費が増加したのは、大幅減となった前年度からの反動増が要因とみられる茨城県(1458億68百万円、前年度比5・0%増)と、昨年に引き続いての増加となる栃木県(1331億円、同4・7%増)。最も下げ幅の大きかった千葉県(1184億59百万円、同21・0%減)は、3月に知事選を控えているため、最低限の事業だけを盛り込んだ骨格編成とした。
五輪開催に向け大規模改修に入る有明テニスの森 |
埼玉スタジアムの改修には21億円の予算が計上された |
栃木県が整備する新スタジアムの完成イメージ |
前年度までと同様、防災・減災関連施策を重視する自治体も多い。東京都は木造住宅密集地域の不燃化・耐震化に900億円を計上。都に茨城県と千葉県を加えた海沿いの自治体では、津波や高潮への対策にも注力する。
近年多発する豪雨被害への対策も強化。東京都は調整池や雨水幹線などの整備に761億円を確保する。治水対策では埼玉県が緊急浸水対策などに96億4百万円を配分。関東・東北豪雨で甚大な被害を受けた茨城県は「総合治水計画」の策定に取り組む。茨城県と神奈川県は緊急輸送道路の整備を加速させる。
圏央道は茨城区間が全線開通する |
このほか建設産業の人材不足の解消に向け、茨城県は雇用型訓練やイメージアップセミナー、山梨県はインターンシップや資格取得のための講習会を開く。
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