鉄道建設・運輸施設整備支援機構とJR北海道は、津軽海峡線開業から約30年が経過した青函トンネルの大規模修繕事業に本格着手する。
構造物の維持管理を共同で実施している両者は盤ぶくれや内空断面の縮小などの変状が確認された「吉岡先進導坑」で初の対策工事を実施することを決めた。既に同機構が関連工事を大成建設に随意契約で発注済み。引き続き調査・測定結果に応じて大規模修繕を随時行い、トンネルの延命化を図っていく。
本州と北海道間の津軽海峡の海底下に建設された青函トンネルは総延長53・9キロ(うち海底部23・3キロ)。戦後の1946年に海底調査が始まり、67年に北海道側の先進導坑、翌年に作業坑の掘削を開始、71年に本体工事に着手した。83年の先進導坑、85年の本坑貫通を経て88年に津軽海峡線が開業した。
今回対策が必要と判断された箇所は北海道側の吉岡先進導坑の一部区間(2キロ070メートル付近)。周辺の地盤が弱く、トンネル外面のコンクリートに大きな力が作用することで、路盤が隆起する盤ぶくれ(最大52ミリ)や内空断面の縮小(最大47ミリ)などの変状が発生。ロックボルトによる補修工事で周辺地盤の安定化を図る。
関連工事「青函トンネル、吉岡先進導坑補修」の発注手続きは鉄道運輸機構が担当。随意契約で大成建設が3億4500万円で受注した。工期は18年3月26日まで。青函トンネル内の先進導坑や作業坑では盤ぶくれのほか、コンクリートの剥落なども発生しており、これらの変状に対して両者で費用の負担も含めて対策を検討していく。
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