受験生時代、試験に出る頻度の高い英単語がまとめられた参考書を使い、一つでも多くの単語を覚えようと奮闘した。覚えたつもりが忘れ、また覚える。当時はこの繰り返しだったように思える▼ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが行った有名な実験がある。記憶と忘却の関係を実験すると、人間は記憶しても20分後に42%、1時間後に56%、1日後に74%、1カ月後に79%を忘れてしまうという結果だった▼先日開かれた専門工事会社の安全大会で、安全担当部長がこの実験結果を説明し、安全活動の重点実施事項を繰り返し復習して覚えるよう呼び掛けていた▼どれだけ秀でた技術や技能を持っていようとも、ちょっとした油断が取り返しの付かない事故を招いてしまう。開口部や立ち入り禁止エリア、稼働する建設機械などには細心の注意を払い、安全帯も正しく着ける。安全確保には基本ルールを愚直に守っていくしかない▼一日の仕事を終えた車での帰路にも危険は潜む。一人一人が忘れてしまうことを忘れずにいれば未然に防げる事故はある。今日も明日も復習を繰り返し、危険を寄せ付けてはいけない。
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