2017年2月7日火曜日

【記者手帖】「三方よし」の平準化を

以前、ワンピースやブラウスなどに使うプリント柄の服地を作り、販売する仕事をしていたことがある。商品の特性上、春夏が忙しく、秋冬が暇という年間のサイクルが常態化していたが、商品企画を工夫することにより、通年での売り上げ確保と下請工場の仕事量の確保に努めた。それは競合他社との差別化や工場との信頼構築にもつながった◆先日、あるクリーニング店を取り上げたテレビ番組を見た。時期によって繁閑の差が大きく、市場規模もピーク時の半分以下に縮小した業界環境の中、その企業は設備投資と職場の改善によって繁閑期の差を緩和し、従業員の定着を図った。それだけではなく、新たなサービスを展開することで付加価値を持たせ、新規顧客も獲得した◆建設業界も今、発注と施工時期の平準化が大きなテーマになっている。公共・民間工事とも発注者に依存する部分は確かに大きいが、施工者だからこそできる工夫や発注者への提案はあるはずだ◆発注者、建設会社、技能労働者にそれぞれメリットがある「三方よし」の平準化をぜひとも実現してほしい。(児)

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