◇がれき処理負担ゼロ即決◇
被害家屋が144棟に及んだ昨年12月22日の新潟県糸魚川市での大規模火災。大みそかに現地を視察した自民党の二階俊博幹事長は、被災地の悲惨な状況を見て、「国を挙げて早期の復旧・復興に取り組まなければならない」と決意を固めたという。今回の大火を自然災害として位置付け、がれき処理の個人負担をゼロにすることを即決するなど、スピード感を持って対応に当たった二階幹事長に話を聞いた。
--糸魚川大火への対応は迅速だった。
「年末年始の休み返上で対応に当たろうと、12月30日に党本部で開いた災害対策特別委員会・総務部会の合同会議では、被災者生活再建支援法上の自然災害と位置付け、国から最大で300万円、県支給分も合わせて400万円の支給を可能にした」
「できるだけ早く伺いたいと思い、調整した結果、12月31日に現地入りした。大みそかではあったが、何とか年内に行くことができた。現場は、火元よりも100メートル以上離れた場所が甚大な被害を受けるなど惨たんたる状況だった。国を挙げて早期の復旧・復興に取り組まなければならないとの思いを強くした」
--現地ではがれきの処理が大きな課題となった。
「自然災害でも、個人や地域だけの力でがれきを処理するのは困難なことだ。現地を見て、一日も早い生活再建を誓い、国の責任においてがれき処理を個人負担ゼロで行うことを決断した。このことは今思い返しても的確な判断だったと思っている。暮れの31日であっても、直ちに現場に赴いた党の判断は正しかった。後日、安倍晋三首相からも感謝の言葉が党に寄せられた」
--政府の対応も早かった。
「視察後、党本部に戻ってすぐにリポートにまとめ、安倍首相に報告した。現地でお聞きした地元の要望については、5項目に及ぶ宿題を政府部局に出し、年が明けた1月6日に開いた災害対策特別委員会・総務部会合同会議で報告することを求めた。そして地元の意向に沿って復興に当たることができるよう、復興の経験がなかった糸魚川市に政府から副市長と担当参事となる人材を派遣した」
「災害に対して国、政治は全力を尽くさなければならない。今やらねばいつやるのだという思いで、スピード感を持って関係者がこの事案に対処した。国民の皆さんにも、この災害を人ごととして放置するのではなく、自分ごととして捉えていただきたいと思う」
◇災害時に全力尽くすのが政治◇
--糸魚川大火を教訓に災害に強い街づくりを進めていかなければならない。
「火災への対応では、木造密集地で建物の不燃化や建て替え、避難道・避難場所の設置などに取り組みながら、消防消火体制も構築しなければならないだろう。ソフト面では、災害への意識を向上させながら、災害に強い街づくりへの機運を盛り上げておくことが求められる。備えあれば憂いなしであり、早い段階から準備を進めておくことが重要だろう」
--今回の糸魚川大火を含め、災害が発生した時には、地域の建設会社が真っ先に駆け付けて対応する。
「災害は突然やってくるものであり、待ったなしで対応しなければならない。何かあれば直ちに現場に駆け付けられるのは、地域で活躍する建設会社の皆さんだ。今冬のように度重なる寒波の到来で全国各地が大雪に見舞われた時を含め、道路復旧や応急工事、土砂やがれきの撤去、除雪作業など、時には夜を徹して当たっていただいている」
「地域に根差した地域の建設会社の大切さは痛感している。地域貢献の度合いの大きさには本当に頭が下がる。自民党としても、国民の生命と財産を守る観点から応援していきたいと考えている」
--地域の建設業界の活動を維持できるよう、日頃の仕事量の確保が欠かせない。
「災害や大雪など、いざという時には、地域の建設会社の皆さんに助けていただく以外に方法がない。建設業は、地域の守り手であると同時に、地域の支え手でもある。景気の良しあしにかかわらず、その際に必要な機械をメンテナンスし、人も確保しておくなど、日頃の備えに万全を期すことができるよう、安定的・持続的に仕事が受注できるのに必要な公共事業予算を確保しなければならない。そうすることで災害時にも活躍していただける。仕事の繁閑の波がなるべく少なくなるよう、施工時期の平準化を進めていく必要もある。地域貢献の度合いを入札時に適切に評価することも有効ではないだろうか」。
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