石造りの美術館をイメージした上野駅ホーム |
銀座線リニューアル事業では、全19駅を下町エリアのほか、▽商業エリア(三越前~京橋)▽銀座エリア(銀座)▽ビジネスエリア(新橋~赤坂見附)▽トレンドエリア(青山一丁目~渋谷)-の五つに区分し、約500億円を投じて大規模改修を行う。
7駅の駅舎改良の実施設計業務は、浅草駅が交建設計、田原町と稲荷町の2駅を久米設計、銀座・日比谷両線の上野駅をパシフィックコンサルタンツ、上野広小路と末広町、神田の3駅をメトロ開発がそれぞれ担当。デザインコンセプトに「土地の記憶~親しみと愛着が増すほっこり感」を掲げ、木調や織物など下町の特徴を表す素材を活用したり、1927年の開業当時から各駅に残る構造体をデザインに生かしたりするなど工夫を凝らした。
7駅のデザイン概要は次の通り。▽駅名(事業予定期間)=設計の特徴等。
▽上野駅(15~17年)=美術館のある街と桜を印象付けるデザイン。復刻版車両(1000系)など、銀座線の歴史にスポットを当てたメーン展示室とホームを位置付け、クラシカルな雰囲気を演出
▽浅草駅(15~19年)=寺社周辺の街並みに合わせ、べんがら色をベースとしたダークグレーで周辺環境に溶け込む色調を採用。改札口のデザインは地域のお祭り(桜祭り、花火大会、三社祭など)をテーマに設定
▽田原町駅(15~17年)=金属の素材感を引き立たせたホームや、光天井に柔らかい色味の金属とガラスを組み合わせた改札口など、道具街の門前、下町としての「手仕事感」を印象づけるデザイン
▽稲荷町駅(15~18年)=切妻屋根の家並みをイメージしたホームや温かみのある木調の壁で構成する改札口など木をベースに街の歴史を表現
▽上野広小路駅(15~19年)=演芸場や呉服店、百貨店などが集積する地域の「きらびやかさ」を重視し、コンコースには織物の文様を用いたデザインを採用。ホームの天井は黒色で仕上げ、空間を広げる演出
▽末広町駅(15~18年)=秋葉原の北側玄関口の地域特性を生かし、光を使った「エレクトリック・ゲート」をデザインコンセプトに設定。訪れた人々に電気街を印象付ける仕掛けを採用
▽神田駅(15~17年)=新旧のものが混在する街並みを表現。ホームでは歴史的遺構の鉄鋼框(かまち)などを照明で演出。
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