2015年2月19日木曜日

日建連九州支部/五ケ山ダム(福岡県)で現場実務勉強会開く

 日本建設業連合会(日建連)九州支部(相川善郎支部長)は17日、福岡県那珂川町で進められている五ケ山ダムの建設工事現場で現場実務勉強会を開いた。勉強会はこれまでも開いているが、実際の工事現場での開催は初めて。若手技術者を中心に支部会員企業から25人が参加。最新の技術を駆使して進められている工事の現場を見学し、担当技術者と情報交換した。
開会に当たり、同支部積算資材委員会の佐野忍副委員長代理は「生産性を向上させ、賃金を引き上げないと若者は建設業界になかなか入職してこない。生産性を高める策を共有することが必要だ。そのためにも現場の第一線で活躍されている皆さんが多くの現場の情報や技術に触れることは重要。本日のような環境作りの取り組みが、魅力ある建設産業の再生と担い手不足の解消の一助になれば」とあいさつした。
 その後、堤体建設工事を担当している鹿島・飛島建設・松本組JVの林健二所長、骨材製造工事を担当している大成建設・安藤ハザマ・松尾建設JVの山下益副所長から工事の内容や進ちょく状況などについて説明を受け、両氏の先導で施工中の堤体や仮設備、原石山などを約1時間かけて見学した。
 五ケ山ダムは洪水調節や渇水時の水の緊急補給、水道用水の確保などを目的に福岡県が2級河川那珂川水系那珂川に計画している多目的ダム。重力式コンクリートダムで堤高102・5メートル、堤頂長556メートル、堤体積約93万5000立方メートル、総貯水容量4020万トン。13年度までに転流工や基礎掘削を終え、約1年前から本体コンクリートを打設している。
 本体コンクリート打設では、都道府県営ダムとしては国内で初めて低標高部から高標高部まで全面的に巡航RCD工法を採用。セメント量の少ない超固練りのRCDコンクリートを内部に先行して打設し、これと分離して外部コンクリートを後で打設することで工期の短縮や施工性の向上、重機と作業員の分離による安全性の向上などを図っている。
 現在は堤体のおよそ半分の高さまで本体コンクリートを打設しており、年内にも打設を完了する見通し。その後に周辺整備などを行い、17年度中の完成を予定している。

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