小学生のころ住んでいた家が造り始めの新興住宅地にあった。住宅や公園、道路ができ、町並みが変わっていく様子を見て育ち、ものづくりの仕事に就きたいと思った。成長するにつれ思いは強くなり、「どうせなら、自分たちが暮らす街の基礎となる土木構造物を造りたい」と建設業を就職先に選んだ。
茨城大学工学部都市システム工学科を卒業し、入社して最初に配属されたのは合併前のブロック事業本部。その後工事部に移り、約10年間、現場管理を担当した。うち半分は東名高速道路海老名ジャンクション建設工事の現場にいた。
現在は、公共工事の入札で必要な設計価格を算出する業務を任されている。「一番の醍醐味(だいごみ)は受注に結びついた時。現場と同じで、1人の力ではなく、営業や購買担当の情報収集力と技術提案力、積算の精度がぴったり合って初めて落札できる」。
積算精度をさらに高め、1件でも多く工事を受注して会社に貢献するのが目標だ。「設計変更で現場と関わる部分もあり、しっかりサポートして利益につなげたい」。
産休・育休を経て職場復帰した。「現場に出たいという女性は覚悟を持っている。行き過ぎた配慮は要らないが、周りの人の理解や協力もなければ働いていけない」と思っている。「自分で働きやすい環境にしていく必要がある」とも。「私が建設業で働く女性のロールモデルの一つになれれば」と後輩にエールを送る。(せきの・れいこ)
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