◇やりがいある「礎」の仕事◇
建築に興味を持ったのは、高校の授業がきっかけ。自分が住みたい家をデザインする内容だった。
新聞広告などを集めて参考にし、「間取りや部屋の明るさ、窓の位置などをどうするか、考えるうちにどんどん夢中になった」。建築の面白さに魅せられ、大学もこの道に進んだ。
会社を選んだ決め手は就職説明会。会場に着くと学生は誰もおらず、撤去作業中。それでも作業を中断して人事担当者が親身に話を聞いてくれた。
「一人の人間として対応してもらった。こんな先輩と一緒に仕事がしたい!」
遅刻だったと気付いたのは、説明後のアンケート記入中だった。
社の中核を担う基礎設計部に籍を置き今年で10年。入社4年目に、業界資格である「建築基礎設計士」を女性社員として初めて取得した。
現在は専門技術者として、また同部の約半分を占める若手女性技術者のけん引役として会社を支える。「地盤は地域、地形ですべて異なります。常にその土地の条件に見合った設計を行う必要があり、難しい面もありますが、そこにやりがいも感じます」
社内結婚後、夫の転勤に伴い東京から名古屋に勤務地を変更。育児休業後、第一線に復帰した。会社は女性技術者を毎年採用する方針を打ち出しており、支援制度も充実している。
「勤務地や就業時間など、仕事を続けることができたのは会社の理解があったから。女性が気兼ねなく働ける職場があれば、女性の社会進出も絶対に進むはず」と建設分野での女性の活躍に期待を寄せる。
(やまだ・めぐみ)
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