日本スポーツ振興センター(JSC)は21日、文部科学省が東京都北区に整備した「ナショナルトレーニングセンター(NTC)拡充棟」を報道陣に公開した。
五輪競技とパラリンピック競技のアスリートが共同利用する練習施設。2020年東京五輪の競技備品を備えた卓球など5競技の専用練習場や、複数の競技で利用できる共用コート、リカバリー施設などで構成。宿泊機能もある。6月に竣工し、7月から利用が始まっている。
施設はS造地下1階地上6階建て延べ約3万平方メートル。設計は松田平田設計・教育施設研究所JV、施工はフジタらが担当した。工事費は約194億円。アーチェリーと卓球、フェンシング、水泳、射撃の専用練習場がある。共用コートは計4面で、高さは4フロア分となっている。
アスリートの疲労回復やトレーニングに役立つよう、温冷水の浴槽に交互に入ることで代謝力が高まる交代浴などができる。車いすなどを利用したまま体重を測定し、食事を含むさまざまなデータを自動管理する設備もある。
ユニバーサルデザインとなっており、手すりや戸を右・左それぞれ使いやすい側から利用できるよう工夫。宿泊室はシャワーだけだったり介助者の利用に配慮したりと、複数のタイプがある。
専用練習場のうち卓球は台を28面ほど設置可能。競技に影響しないよう、空調は足元から作用する。男子のラリーに配慮し、天井高が7メートルある。
アーチェリーは屋内・屋外射場の両方から70メートルの射長がある。フェンシングは30ピストを3種目で利用できる。射撃場は25メートルと50メートルが15射座、10メートルが25射座で電子標的を使う。
共用コートは42×23メートルと44×48メートルが2面ずつ。車いすバスケットボール、ボッチャ、パワーリフティングといったパラリンピック競技だけでなく、一部の五輪競技の練習にも対応できる。
施設はJSCが運用する。勝田隆理事は「五輪とパラリンピックの強化を一体で進めようと考えてきた。ナショナルトレーニングセンター、国立スポーツ科学センターの機能も入れた。バリアフリーとなっており、しっかり使ってもらえる機能を整えた」と語った。施設は9月10日に開所式を迎え、「ナショナルトレーニングセンター屋内トレーニングセンター・イースト(東館)」となる。
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