都市再生機構と東京メトロは28日、東京・虎ノ門で進めている東京メトロ日比谷線・虎ノ門ヒルズ駅の建設工事の現場を報道陣に公開した。
営業路線に近接した掘削工事や駅舎の躯体工事などを急ピッチで実施中。土木作業は約8割が完了し、駅は設備、内装工事が本格化する。新駅の供用は2020年東京五輪前を予定。1964年に全線開業した日比谷線は56年ぶりに新駅が誕生することになる。
建設地は東京都港区虎ノ門一丁目。駅整備の事業主体は都市機構で、設計・工事を東京メトロに委託した。施工を鹿島・大林組JVが担当し16年2月に着工した。新駅は開業時、地下1階に改札とホームを設置し、連絡通路で銀座線・虎ノ門駅と徒歩7分で行き来できるようにする。現在の日比谷線の直下となる地下2階がコンコースとなる。中目黒方面、北千住方面それぞれのホームを設け、ホームドアとエレベーターを設置する。
現場は作業効率を高めようと、地下1階はホーム(写真㊤)の構築に伴って日比谷線の側壁を撤去し、地下2階ではコンコース(写真㊦)を設けるに当たって同線直下で掘削・杭工事を実施するといった重層作業を行っている。日比谷線の既存の側壁は約40センチ。営業時間中に壁を切り、搬出は日比谷線の終電後とするなど安全対策を徹底している。構造上の耐力が減るため、同線の北千住方面、中目黒方面それぞれの線路の間の支柱を補強する。コンコースの構築では、日比谷線の直下に14カ所のトンネルを設ける計画で、荷重を受け替えながら慎重な掘削、杭打ちなどが進む。
新駅は、特定都市再生緊急整備地域に位置する。新駅とともに、東京・晴海や首都圏の空港などを行き来するバスのターミナルが整備される。
地下で新駅から周辺の再開発ビルに至る歩行者ネットワークが形成される。周辺は大型再開発事業が進行中。新駅の整備を巡っては、街づくりとの調整を担うため、都市機構が事業主体となった。
取材に応じた都市機構の星野光一東日本都市再生本部事業推進第2課担当課長は「国際競争力の強化に大きなインパクトがある。街づくりのスピードも増す」と新駅に期待を寄せた。東京メトロの藤野覚改良建設部第四建築工事所技術課長は「日比谷線の全線開業は前回の東京五輪の年。新しい街づくりと協力して安全に進めたい」と施工に意欲を見せた。
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