2019年8月21日水曜日

【完成施設が早くも効果発揮】広島土砂災害から5年、国交省の砂防堰堤整備が大詰め

年度内の完成を目指す上山川(303渓流)の砂防堰堤工事現場
(国交省提供、8月19日撮影)
 広島市北部を襲った大規模な土砂災害の発生から、20日で5年の節目を迎えた。国土交通省は復興事業として、被害の大きかった安佐南、安佐北両区の30カ所で40基の砂防堰堤を整備している。32基が完成し、残る8基は年度内の完成を目指し、工事が大詰めに入っている。2018年7月豪雨の際には、安佐南区内に整備した砂防堰堤が土砂の流下を食い止めるなど、整備効果を着実に発揮している。

 30カ所での砂防堰堤整備事業は、国交省の広島西部山系砂防事務所が推進している。国、広島県、広島市が安佐南、安佐北両区の99カ所で展開している砂防や治山事業の一環。年度内の事業完了を予定している。湯崎英彦広島県知事は20日に記者会見し「県民が笑顔で暮らせるよう引き続きハード、ソフト両面から対策を推進していく」と復興に向けた決意を改めて述べた。

 広島市北部では14年8月20日の未明、集中豪雨により土石流や崖崩れが多発し、大量の土砂や流木が下流の住宅などを破壊した。災害関連死を含め77人が犠牲となり、住宅396棟が全半壊するなど、大きな被害を引き起こした。

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