2019年8月29日木曜日

【回転窓】10月からの憂うつ

10月からどうなるのか心配-。地元の商店会長がこう話し頭を抱えていた。悩みの種は消費増税。従来は消費の冷え込みが懸念材料だったが、今回は軽減税率制度への対応が最大の焦点という▼外食を除く飲食料品などの税率は8%に据え置かれるが、そのほかは10%に引き上げられ扱いが難しい。キャッシュレス決済でポイント還元する制度も始まる。キャッシュレス決済は小銭の準備が不要になるなどメリットはあるが、サービス手数料が店側の負担になる▼大手コンビニチェーンらはポイント還元分の金額を差し引く方向だ。価格勝負では大手に勝てないのが現実で、商店会は崩壊するかもと不安は尽きない▼何とも心が痛いが「昔はにぎわっていたのに…」と聞くと、ちょっと首をかしげてしまう。工夫を凝らして顧客を増やしている小規模店も多い。「好景気の時は忙しくて日常業務で手いっぱいだった」。それも本当だろうが先を見て備えていれば、今とは違う状況になっていた可能性もあるのでは▼景気も社会もあっという間に風向きが変わる。いま何に苦悩すべきか。活況が続く業界こそ真剣に考える必要がある。

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