2015年の仕事始めを迎えた5日、建設業界各社のトップは社員に年頭のあいさつを行った。国土強靱(きょうじん)化やインフラ更新、2020年東京五輪に向けた大型事業や都市開発など追い風が吹く中での新年のスタート。一方で、技能労働者不足や資機材の高騰など課題も多い。各社には、多様化する顧客や社会の要請に応えつつ企業を成長軌道に乗せ、業界を魅力ある産業にする努力も求められる。=4、5面に各社トップのあいさつ一覧
東京五輪のメーン会場となる新国立競技場本体工事の施工予定者となった大成建設の山内隆司社長は「スタジアムの完成に向け、持てる力を存分に発揮する」と決意を表明。同じく施工予定者となった竹中工務店の宮下正裕社長は「好調に見える今だからこそ、いま一度気を引き締めなければならない」と覚悟を語った。
4月に新中期経営計画をスタートさせる大林組の白石達社長は「新たな課題にチャレンジし続け、一人一人が誇りを持って仕事に当たってほしい」と呼び掛け、収益基盤の強化を誓った。清水建設の宮本洋一社長は「事業環境の向上に甘んじることなく、謙虚に着実に仕事を遂行していくことが肝要だ」と訴えた。鹿島の中村満義社長は「技術力とノウハウを生かし、質の高い仕事に取り組んで着実に成果を出す年にしよう」と強調した。
戸田建設の今井雅則社長は「業務改革を推進し、組織力と個人の力を着実に高める」と目標を設定した。昨年6月に就任した五洋建設の清水琢三社長は「事業拡大と経営基盤の強化に取り組み、名実ともに臨海部ナンバーワン企業を目指す」と表明。同じ昨年6月に就任した鉄建の林康雄社長は「建設業界になくてはならない企業へ存在価値を高めよう」と訓示した。
建築設計界では、1日付で就任した日建設計の亀井忠夫社長が「プレ・ポスト東京五輪の機会を捉え、質の高いパブリックスペースづくりを社会に提案していきたい」と宣言。日本設計の千鳥義典社長は「外部環境の変化に新しい視点で立ち向かい、自らの力で明るい未来を切り開こう」と呼び掛けた。
建設コンサルタント業界では、日本工営の有元龍一社長が、7月に始動する次期中期経営計画に向け、「技術と『人財』を成長のエンジンに位置付け、進化を目指す」と意気込みを語った。パシフィックコンサルタンツの高木茂知社長は「堅固な土台を築き、次の飛躍のための基盤を構築する1年として行動する」と事業拡大への積極姿勢を示した。
設備工事業界では、関電工の水江博社長が今年を「100年企業に向けていかに地位を確立していくかという課題に道筋をつける大切な年」と位置付けた。日比谷総合設備の野村春紀社長は「自信を持ってさまざまな困難に立ち向かい、着実に成果を上げていきたい」と抱負を語った。
社員に年頭の挨拶をする戸田建設の今井社長 |
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