2015年1月5日月曜日

若年就業者の割合増加/29歳以下、14年は10・9%に上昇/総務省調査から

 ◇官民の取り組み奏功  若年層の建設就業者が16年ぶりに増加したことが、総務省が毎月発表する労働力調査で明らかになった。14年12月26日に同省が発表した11月の労働力調査のデータから国土交通省が暦年の建設業就業者の年齢構成(平均値)を算出したところ、平均就業者数503万人のうち、15~29歳は55万人で全体の10・9%と13年(10・2%)を0・7ポイント上回った。逆に55歳以上は171万人で34・1%となり、13年(34・3%)を0・2ポイント下回っている。  全産業では、55歳以上の割合が28・9%(13年平均は28・6%)、29歳以下は16・4%(16・6%)で、建設業とは逆に人材の高齢化が進んでいる。  建設業で29歳以下の就業者数をさらに細かくみると、14年1~11月の平均は、15~19歳が5万人(13年平均4万人)、20~24歳が20万人(17万人)、25~29歳が30万人(30万人)。20~24歳の階層は、12年の19万人も上回った。  若年層の割合が回復傾向となった背景には、建設投資が堅調なことに加え、国土交通省が13年4月と14年2月の2度にわたって公共工事設計労務単価を大幅に引き上げるなど技能労働者の賃金が改善していることもあるとみられる。  工業高校生を対象とした出前講座を実施するなど官民一体で若年入職者の確保に取り組んだことも奏功。「3K」(きつい、汚い、危険)など負のイメージがつきまとう建設業の魅力向上につながったようだ。  今年は4月に、昨年の通常国会で成立した「担い手3法」が全面施行されるなど、建設産業の担い手確保・育成の取り組みが本格的に実行に移される年になる。3法に沿った活動が定着することで、将来を担う若者の入職が一段と進むと期待する声も出ている。

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