日本建設業連合会(日建連、中村満義会長)は、完全週休2日制の導入に向けた取り組みを国土交通省にあらためて申し入れた。意識改革と併せ、「完全週休2日現場閉所モデル工事」の試行・全国展開、契約条件での義務化、休日を確保できる工期設定、積算の見直しを要望。発注者・設計者・施工者による3者会議の定期開催、工事関係書類の簡素化、施工の合理化も求めた。
申し入れでは、若い担い手を確保するために受発注者と元下請が一体となった取り組みの必要性を強調。完全週休2日制達成現場に対する工事成績評定での加点と違反現場へのペナルティーを対策に挙げた。週休2日にはきめ細かい施工計画の実行が欠かせないため、発注平準化や国庫債務負担行為を活用した無理のない工期設定を要望。工期設定に当たっての「留意事項」も示した。
日常業務の改善と生産性向上も必要なため、工事関係書類の削減・簡素化、受発注者双方の事務負担軽減に加え、機械化、プレキャスト化、情報化施工、コンストラクション・インフォメーション・モデリング(CIM)の推進も必要と指摘。設計労務単価、共通仮設費、現場管理費、一般管理費の引き上げといった積算見直しも求めた。
日建連が、公共積算委員会施工部会の構成企業が施工している11現場を対象に行ったアンケートによると、4週4休が6現場、4週5休が3現場、4週6休が2現場で、4週7休・8休を行っている現場はなかった。受注者に責任のない工事の一時中止で工程の遅れを取り戻す必要があったり、工期短縮への強い要望が発注者からあった影響という。日給制の多い技能者の所得確保を理由に挙げた回答もあった。
11現場のうち10現場は土日閉所、1現場は4週8休(土日を問わない)を望んでいた。土日閉所については「会社とのスケジュール調整が行いやすい」「家族の休暇に合わせやすい」とメリットを指摘する声や、「若者の傾向を考慮すると、土日一斉休暇取得が望ましい」との意見が寄せられたという。日建連は今後、国交省と行っている意見交換会フォローアップ会議で協議していく。
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