北海道商工会議所連合会、北海道建設業協会、建設産業専門団体北海道地区連合会は23日、札幌市中央区の北海道建材センターで、建設業の人材確保に向けた懇談会を開いた=写真。中学生や高校生の子どもを持つ母親7人と、若年者の入職促進や建設業のイメージアップの方策などについて意見を交換。参加した母親たちは「建設業に対するイメージが変わった」と話し、労働環境改善の取り組みの積極的なPRや小学生などを対象にした職業体験の場づくりなど、建設業の情報に触れる機会を増やす必要性を指摘した。
昨年10月に制作、発表した漫画冊子に続く、3団体合同による人材確保に向けた取り組みの一環として開いた。
北海道建協傘下の札幌建設業協会が昨年度に札幌工業高校生を対象に行ったアンケートで、「建設業に魅力を感じる」との回答は7割に上ったが、一方で就職希望者は3割にとどまり、その理由として「体力的にきつい」「危険」といったイメージが影響していることが分かった。
さらに高校生の進路相談の相手では、母親が最も多い3割を占めたことから、子どもの進路決定に強い影響力を持っている母親を招き、建設業に対するイメージや要望などを聞く場として懇談会を企画した。
懇談会では、北海道建協の牧野光博専務理事や建専連北海道の熊谷誠一副会長、札幌建協の野村幹男労務委員長らが、暮らしに密接した社会基盤の重要性や、その整備を担う建設業の役割、総合建設業と26職種の専門工事業から成る建設業の仕組みなどを紹介。また、北海道建設部と教育委員会の担当者が、建設産業の概況や建設業に対する支援施策などを説明し、意見交換した。
参加した母親は一様に「建設業は体力的にきつく、冬場は仕事がなく雇用保険をもらっているイメージだった」と、マイナスイメージの強さが目立っていた。しかし、懇談後には「建設業の仕組みも理解でき、もっと話を聞きたいと思った」「マイナスイメージが独り歩きしていたことが分かった。何よりこうした場を持とうとすること自体に、良い印象を受けた」と印象が変わった様子だった。
入職促進、イメージアップに向けた取り組みについては「親が子どもの就職先に求めるのは安定性。通年雇用の取り組みを進めてほしい」「就労環境などを変えようとしていることが分かった。取り組もうとする現状だけではなく、その取り組みの成果をもっとPRすべきではないか」といった意見や、「高校生では既に進路のイメージが決まっている。小学生など、小さいうちに親子で職業体験できる機会があれば、就職先としての意識もわくのではないか」とのアドバイスも寄せられた。
3団体では今回の意見を踏まえ、親子現場見学会と組み合わせるなど、2回目以降の懇談会の開催を検討する方針だ。
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