カジノ大手の米ラスベガス・サンズ(LVS、ネバダ州)は、カジノを含むIR(統合型リゾート)事業での日本市場参入を見送る方針を明らかにした。日本型IRの枠組みでは収益確保が困難と判断した。今後はマカオやシンガポールなど日本以外の投資に注力するとしている。
同社は2019年8月、東京と横浜を候補に日本進出を目指すと発表した。その後、日本でのカジノ運営手法などを模索していたが、現行法制度の枠組みなどで事業化は困難との判断に至ったとみられる。
シェルドン・G・アデルソン会長兼最高経営責任者(CEO)は日本進出を断念したが、「シンガポールなどで成功したMICE(国際的なイベント)を中心としたIRモデルは、アジア諸国のビジネス・レジャー観光産業のベストプラクティスとして参考になると考える」と話している。
山下ふ頭(中区)で誘致を進める横浜市のIR担当者は「見送りの発表は承知している」とした上で、「市はコンセプト提案募集(RFC)で事業者の意見を聞いている。これまでどおり8月の事業者選定実施方針公表に向け調整を進める」と影響はないとしている。
山下ふ頭ではこれまで、LVS以外にメルコリゾーツ&エンターテインメント(香港)とマカオに拠点を持つギャラクシー・エンターテインメント、米ウィン・リゾーツ(ネバダ州)などが進出に名乗りを上げていた。LVSの撤退表明を受けて、他社の動向が注目される。
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