「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」-。1969年7月20日、米宇宙飛行士のニール・アームストロング氏は人類で初めて月面に足を踏み出した時、こう話した▼アポロ計画の歴史的な偉業から半世紀余り。米政府が月の資源開発を目的に、国際協定の締結を目指しているとロイター通信が報じた。米航空宇宙局が2024年の実現を目指している月面再到達計画。将来的な火星探査の実施も視野に入れ、月面で鉱物資源などを採掘し基地建設などにつなげる狙いがあるという▼ロイターによると「アルテミス協定」と名付けられた取り決めで資源採掘などのルールを定めるそう。月など地球外天文での領有権は国際条約で禁止されている。米国は日本やカナダなどに協議を持ち掛け、枠組みづくりを急いでいる▼各国の思惑が複雑に絡むだけに、協定がすんなりまとまるかどうか先行きを予想するのは難しい。日本企業の中には“宇宙”を事業領域に入れビジネス展開を狙うところもあり今後が楽しみだ▼最優先はもちろん目の前の困難を乗り切ること。だが先を見据えることも忘れずにいたい。
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