新型コロナウイルスが道路舗装各社の新卒採用に影響を与えている。日刊建設工業新聞社の調査によると、大手道路舗装会社全7社が21年4月入社の採用活動でウェブ面接を導入し、4社が最終面接まで一貫して導入したことが分かった。
一部の企業は「遠方の学生に素早くアプローチできる」などとウェブ面接のメリットを実感したことで来年度以降の定着化を予定する。一方「一度も来社していない学生に内定を出すと入社後のミスマッチが懸念される」と先行きを危惧する声もある。
アンケートでは新型コロナが採用活動に与える影響などについて質問。NIPPO、前田道路、日本道路、鹿島道路、大成ロテック、東亜道路工業、世紀東急工業の7社が回答した。
全7社が「新型コロナで採用活動に影響があった」と回答。影響の具体的な内容は「採用手法の変更」が7社、「採用スケジュールの変更」が6社だった。採用手法の変更では対面の面接に代わり、パソコンなどを使って遠隔で面接するウェブ面接を導入する動きがあった。
ウェブ面接の運用方法を見ると、NIPPO、日本道路、東亜道路工業、前田道路の4社が「1次面接から最終面接まで導入した」と回答。1次面接のみに導入した鹿島道路など3社は部分的な適用となった。
ウェブ面接の今後の運用については「遠方の学生の負担減などのメリットがある」などとして日本道路、鹿島道路の2社が定着化を検討すると回答した。ただ、日本道路は「学生が一度も来社せずにウェブ面接のみで内定を出した場合、入社後にミスマッチが懸念される」と本格導入には慎重な姿勢を見せる。
このほかの回答では、東亜道路工業は「(ウェブ面接は)新型コロナ拡大防止措置であり、現時点では定着はさせない」、NIPPOは「ウェブ面接の利点を検証した上で今後の運用を検討する」との考えを示した。
採用活動を進める上での課題を聞いたところ、「採用活動のピーク時期が不明確」(世紀東急工業)、「採用スケジュールを後ろ倒しに組み直す」(NIPPO)など、スケジュールが確定しないことへの不安がうかがえた。「学生と企業の接触機会が減っているため、内定期間の不安軽減が課題」(日本道路)、「学生とのコンタクトが困難で、学生の動向が予測できない」(鹿島道路)など、コミュニケーションが取れないことによる課題を指摘する回答もあった。
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