2020年5月15日金曜日

【回転窓】複合災害へ備えを

12日に台風1号が発生した。フィリピンへの上陸が予想されており、現地の日本大使館が飲料水や食料の備蓄などを呼び掛けている▼避難時に新型コロナウイルスの感染の予防に努めることも要請。災害時の避難場所では、密閉・密集・密接のいわゆる3密が起きやすい。トイレなどの共用部分の消毒なども不可欠だ▼防災減災などに関わる学会で構成する防災学術連携体が、感染症と自然災害の複合災害に備えるよう緊急メッセージを出している。ウイルス感染のリスクが高い状況で、避難方法を従来と変える必要があると指摘。避難所の数を増やすことや、可能な範囲での自宅避難などを提案した▼台風1号は沖縄県に接近する恐れがある。ここ数年続いている大型台風や豪雨などの懸念が高い状況に変わりない。コロナの脅威が続く中で大規模な自然災害が発生して被災地で感染が広がれば、多くの人命が危険にさらされる▼2014年に政府が策定した国土強靱化アクションプランで既にこうした事態は想定されていた。残念ながら万全の体制が構築されたとは言い難い。多面的な安全・安心への道のりを一歩ずつ進めたい。

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