エバーフィールド(熊本市南区)と熊本県は、後世に残る優れた建築物を通じて地域活性化を目指す県のくまもとアートポリスの参加プロジェクトとして実施する「エバーフィールド木材加工場新築設計」の公募型プロポーザルで5者を審査し、最優秀提案者に「小川次郎/アトリエ・シムサ+kaa」(東京都)を選定した。
最優秀提案によると、木材が互いに寄りかかることで立体的に釣り合いを保つ「木造レシプロカル構造」により約20メートル×30メートルの無柱大空間を実現。屋根と壁を一体的に造り、小さな構造の単位が建物の箇所によって変化する「松かさ」のような建築とする。
敷地の北東部に研修棟、北西部に木材加工場を配置し、2棟を渡り廊下でつなぐ。木材加工場は外周部に加工作業場を配置し中央に研修用軸組を設け、建物の南側に地域のイベントなどに活用できる大きなウッドデッキを設置する。上部には明かり採りのハイサイドライトを設ける。
審査では「5件の提案の中で最もリスキーな要素は多いが圧倒的な独創性を持った提案だ」と評価された。
業務内容は大工の研修などに活用できる木材加工場新築の基本・実施設計。規模は木造平屋600平方メートル程度。建設地は甲佐町府領下原892ほか。9月末までに基本・実施設計を終え、10月に工事請負契約を締結、21年3月の完成を予定している。
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