江戸時代に医師で本草学者の人見必大(ひとみ・ひつだい)が著した『本朝食鑑』には、食と医の観点からさまざまな食材の特徴や効能などが書かれている。当時の食文化も分かり、現代語訳が出版されていて興味深く読める▼同書の「穀部之二・造醸類十五種」に取り上げられた酒の一つが梅酒。その効能を「痰(水毒の一種)を消し渇を止め、食を進め、毒を解し、咽痛を止める」と説き、梅酒に適した梅の大きさや作り方なども記している(東洋文庫296『本朝食鑑1』訳注・島田勇雄、平凡社)▼チョーヤ梅酒のウェブサイトによると、江戸時代には梅干しや梅酒など梅を加工する文化が定着していた。そうした梅の栽培や加工が農家の副業としても推奨されていたという▼今年も梅酒の仕込み時期を迎えた。近所のスーパーには自家製梅酒コーナーが設けられ、古城と南高の青梅2種を販売している。氷砂糖や果実酒ビンなども並び、初めてでも迷うことはなさそうだ▼漬け込んでから月日を経た梅酒は琥珀(こはく)色に変わる。時を重ねてまろやかで深みのある味わいに…。梅酒づくりは人づくりに似ているかもしれない。
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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=184968
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