帰ってきた、と勝手に思っているツバメ夫婦に、待望の子どもが生まれた。今年は5羽。近所の顔なじみ気分で見守っている。巣の縁に小さな頭が並ぶ様子は何とも愛らしいが、見れば見るほど気になることがある。どう考えても部屋が狭い▼もともとツバメの巣は広くない。そこへ成長した5羽がぎゅうぎゅうに身を寄せ合う。餌の時間はさらに大騒ぎ。一斉に首を伸ばして口を開くものだから、落ちないかとひやひやする。それでも当の本人たちはお構いなし。決まって左端にいる子は特に元気だ▼親鳥は朝から晩まで大忙しで、おなかを空かせたひなのため餌探しに飛び立ち、戻ってきて与え、また空へ。何度も往復する姿はけなげというほかない▼あと何日かすれば、巣は空っぽになる。今は狭過ぎるほどのワンルームも、その頃には広く、寂しく見えるだろう。だからこそ、今だけのにぎやかさをそっと見守りたい▼見上げれば、きょうも5羽が肩を寄せ合っている。窮屈そうなのに、見ているこちらの気持ちは和む。やがて来る巣立ちまでのわずかな時間、この小さな家族と同じ屋根の下で過ごせると思うと、頬が自然と緩む。
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from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=185609
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