2022年2月8日火曜日

【記者手帖】子供に勧められる業界に

  ある日、高校1年生の娘が将来就きたい職業を真剣に考えていた。少し早いような気もするが、夢や目標を立てて大学の進路をどう考えているか、学校に伝えなければならないという。「大学に行ってから考える」などと言える雰囲気ではないようだ◆イメージ先行で思い描く職業の候補に建設業はない。まだ3K(きつい・汚い・危険)のイメージが強く、良い印象は持っていないようだった。建設業も急速にIT化が進み、女性も活躍できる職業に変わりつつある現状だけを伝え、特に勧めることはしなかった◆記者として建設業で働く人にインタビューする機会は多い。魅力を聞くと「非常にやりがいと達成感がある。建設業に入って後悔はない」という答えが返ってくる。ただ自分の子どもとなると話は別。少し悲しい気もする。若者の入職者が減少する中、親の思いだけで選択肢から除外させることはだめだと思いつつ考えてしまう自分がいる◆染みついたイメージを払拭(ふっしょく)することは難しい。それでも子どもに自信を持って勧められる真に魅力的な業界になるよう、微力ながら貢献していきたいと思う。(大)

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