大学生の頃、何げなく見たテレビ番組で興味をそそられ理論物理学者アルベルト・アインシュタインの本を読みあさったことがある▼「20世紀最高の物理学者」「現代物理学者の父」と表されるアインシュタイン。当時経済学を学んでいた文系学生にはどれも難解だったが、一般相対性理論の解説で目にした「時間は重力が大きいほど遅く進む」という内容が心の琴線に触れた▼一般相対性理論に関する東京大学や理化学研究所らの研究成果が先頃、英科学誌『ネイチャー・フォトニクス』に掲載された。テーマは「高さ約450メートルの東京スカイツリーの展望台は地上よりも時間が早く進むか-」▼研究チームは160億年に1秒しかずれない小型の超高精度「光格子時計」をスカイツリーの展望台と地上階に設置。時間の経過を観測し1日当たり4ナノ秒、展望台の時計が早く進むというデータを得た▼10億分の4秒というごくわずかなずれだが、重力が時間に作用することをつかんだ研究チーム。東大らの技術力の高さはもちろんだが、1世紀以上前に一般相対性理論を世に送り出したアインシュタインの天才ぶりに改めて驚いた。
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