人と人とが直接会うことは減少し、満員電車による通勤などの義務的な移動の必要性が薄れる-。社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)道路分科会基本政策部会が検討している20年後のビジョンにこうしたイメージが示されている▼通勤などの定型的な移動が激減する一方で、観光など余暇の移動が相対的に増えると予測。自動運転などの普及とともに無人物流が主流となり、買い物目的の移動ニーズが縮小するという大胆な見立ても▼「もしも車が空を飛ぶようになったら、道路を造る意義が大きく変わるだろう」。建設業界関係者が話していた。それは道路が不要になるということではない。短距離・軽量の輸送と、大規模物流のような輸送とのすみ分けが進むという見方だ▼将来予測はさまざまだが、20世紀に映画などで描かれていたような未来が、本当に来ようとしている。必要なのは、変化にも対応して長期間有効に活用できる基盤を整えること▼インフラを巡る世論はともすれば現時点での価値にとらわれがちだ。先を見据え「先人はよく考えていた」と将来に思われるような想像力と実行力が求められている。
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