2014年12月2日火曜日

清水建設/東京木工場でラオスの研修生受け入れ/「木に対する心遣い学ぶ」

 清水建設は、ラオスのTNK木製家具製造社(TNK社)で家具工場長を務めるシサムット・ヴェスホンさん(44)を、政府開発援助(ODA)事業の新興市場開拓人材育成支援事業制度を活用した研修生として9月14日から約3カ月、東京木工場で受け入れた。TNK社は清水建設とラオスのチーク材を取引するパートナー。日本の優れた木工技術の習得を希望していたシサムットさんに、木の加工から家具や建具の製作まで一連の木工作業を伝授した。  東京木工場は、木工の設計段階から製作・施工までを一貫して手掛ける大手ゼネコンの中で清水建設だけが持つ組織。同工場で外国人研修生を受け入れたのは今回が初めてという。  シサムットさんは「ラオスにはない、木に対する日本人の心遣いと、コンピューター制御による加工技術を学べた」と研修の成果を話す。日本語でのコミュニケーションには不自由したが、勤勉で明るい人柄からすぐに職場に打ち解け、「シサムット」が「ひさもと」に聞こえると、職場では「ひさもとさん」の愛称で親しまれた。  指導に当たった井出勇人工場長は「技術移転によりラオスの産業が発展することはもちろん、シサムットさんとその教え子の活躍により日本で使える高品質の製品が広がってほしい」と期待する。  シサムットさんは3日、帰国の途に着く。帰国後は、学んだ技術を自社の製品づくりに役立てるとともに、来年5月に開校するラオス労働技能開発教育センター(政府認可職業訓練校)の講師に就任し、後進の指導に当たる。「日本の木工技術、品質管理だけでなく、文化、仕事に対する姿勢なども教えたい」と意気込みを語る。  シサムットさんは98年に仏ストラブール大学を卒業した。日本食が大好物。特にすし、刺身、ラーメンが好きだという。

シサムットさん

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