2014年12月12日金曜日

大林組/ロボットスーツを現場に投入/運搬作業効率2倍、腰の負担軽減

 大林組は、重い物を持った時に腰にかかる負荷を軽減する作業支援用ロボットスーツ「HAL」を、現場実証として導入した東京都内の建設現場を11日、報道関係者に公開した。左官作業で25キロのセメント袋を台車に移し替える作業に使っていた伏見工業所の伏見晋二社長(54)は「HALのアシストでセメント袋を早く持ち上げられ、重さも感じない」=写真。別の作業員(67)も「これがあれば70歳までは働ける」と話していた。  HALはベンチャー企業のサイバーダイン(茨城県つくば市、山海嘉之社長)が開発。腰部分に装着し、かがんだ状態から持ち上げる動作をモーターの力で支援する。中腰になった時「後ろから人が腕を回し、支えてくれている感覚」と上田尚輝大林組技術本部技術研究所担当部長。同社は5台をレンタルし、現場での実証に協力している。  左官や鉄筋加工などの運搬を伴う作業を対象に、これまでに3現場や機械工場で試し、作業効率が約2倍に上がることを確認したという。  大林組は今後、実証結果を基に建設現場向けのカスタマイズをサイバーダインと検討。実用化が可能と判断すれば来年度から本格導入する。  建設現場で腰を痛める技能労働者は実際多く、職業病の一つともいえる。ロボットスーツで腰への負担が軽減されれば、生産性の向上と労働環境の改善にもなり、担い手確保にも役立ちそうだ。

0 comments :

コメントを投稿