2014年12月17日水曜日

レガシー共創協議会/40プロジェクトを提案/15年春以降に具体化へ

大成建設らが提案した「空中自転車・ランニング道路」のイメージ
 2020年東京五輪を契機に都市が抱える課題を解決する事業や施策を検討してきた産官学連携組織「レガシー共創協議会」(会長・間野義之早大教授)が最終提言をまとめた。提言では会員企業・団体らが40件のプロジェクトを提案し、今後具体化に着手するとしている。民間資金を活用するための事業モデルの検討などに入る。
 協議会は三菱総合研究所が設立。100社以上の民間企業のほか、行政機関、大学などが参画している。ゼネコンやデベロッパーなど建設関連企業も多く、提案されたプロジェクトの立案にも参加した。
 東急不動産ホールディングスや大成建設は、PFI制度を活用して既存の交通インフラの未利用空間に自転車専用道とランニングコースを設置する「空中自転車・ランニング道路『R-CYCLE CITY PROJECT』」を提案。都心の交通渋滞緩和や人々の健康増進を実現できるとしている。
 鹿島や清水建設は、エネルギーのスマート化の技術を応用した「持続可能なエネルギーネットワークの構築」を提案。エネルギーの定量化や蓄積の仕組みを使い、五輪施設などの省エネ状況をモニタリングし、人々の省エネ意識の向上に役立てる。五輪だけでなく全国のさまざまなイベントで活用できるようにシステムを構築する構想だ。
 16日に都内で開いた最終提言の報告会で、三菱総研の大森京太社長は「オリンピック・パラリンピック・レガシーを通し、社会の課題解決にオールジャパンで取り組むべきだ。来春からはプロジェクトの具体的な立ち上げに力点を移す」と話した。
 このほか、建設会社が参加したプロジェクトは以下の通り。
 ▽新たなボランティア制度の検討・提案プロジェクト(大林組)▽大丸有地区のポテンシャルを生かした健康都市の先進モデル研究会(高砂熱学工業)▽健康増進空間プラットフォーム事業に向けた勉強会(竹中工務店)▽スポーツ合宿誘致マッチングシステム(大成建設)▽自転車走行空間ネットワーク化事業(大成建設)▽オリパラにおけるスポーツファシリティマネジメントの確立とエリアマネジメント(竹中工務店、清水建設)▽自然エネルギーを利用した温泉地のリノベーション(高砂熱学工業、大成建設)▽エネルギートレーサビリティー・顔の見えるエネルギー(清水建設)▽臨場感あふれるエンターテインメントの実現(高砂熱学工業)。

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