JR東海は17日、リニア中央新幹線の東京・品川~名古屋間(路線延長285・6キロ)の建設工事に着手した。品川と名古屋の両ターミナル駅付近で同日午後に行われた安全祈願式には同社幹部、地元自治体、準備工事を担当する施工関係者らが出席し、計画全線で行われる工事の安全を祈願した。総工費5・5兆円を投じ、2027年の開業を目指す。
名古屋で行われた神事に出席したJR東海の柘植康英社長は「リニア新幹線は二重系化による防災対応や老朽化した東海道新幹線のバイパス機能を担うなど、日本の将来にとって不可欠な国家的プロジェクトだ。(大阪まで延伸して)三大都市圏を一体化させ、経済の活性化など新たな付加価値が生まれる」と説明。続けて「リニア沿線にさまざまな施設・機能の誘致が促され、地域の発展にも貢献する」と述べた。
品川の神事に出席した同社の山田佳臣代表取締役会長は「息の長いプロジェクトなので、円滑に引き継ぎながら成就させたい。一つずつ着実に前に進めるには、工事関係者らの安全と、周囲の環境保全の二つが非常に重要だ。地域との連携も密にし、丁寧に事業を進めていく」とあいさつした。
既設駅舎の直下に開削工法で建設する品川、名古屋の両ターミナル駅では、15年度の本体着工に向け、自社所有地内での準備工事(フェンス設置、資材置き場整備、支障物の整理・撤去など)を先行して進める。施工は品川駅部が名工建設、双葉鉄道工業、新生テクノス、名古屋駅部がジェイアール東海建設、東海交通機械、シーエヌ建設、新生テクノスがそれぞれ担当する。
名古屋駅では「来秋以降に(駅中心部で)本格的な土木工事に取りかかる」(柘植社長)。駅の東側と西側については本年度中に中心線測量を開始し、15年度に用地説明会の開催を予定している。
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