大成建設は横浜市戸塚区にある同社技術センターで、建物内外を走行する自律走行ロボットや汎用(はんよう)小型車両向けワイヤレス給電床「T-iPower Floor」の実証を始めた。同技術で普及している基本方式の床面給電に加え、新たに壁側面から給電する方式も実証。ワイヤレス給電床を技術センターの屋内通路床約5メートルと屋外通路側壁約20メートルに設置し、走行中のロボットに床面や側面から給電する。ロボットの連続稼働が求められる工場や物流施設を念頭に、2026年度の実プロジェクト適用を目指す。
ワイヤレス給電床は、厚さ4ミリの薄型樹脂パネルを連続して敷設する「薄型パネル工法」を採用。薄型樹脂パネルにテープ上の送電電極を採用することにより、従来の塗床工法で施工される給電床に比べ半分程度の床厚で施工できる。ビーグルなどの車両が送電レーンを乗り上げて横断することも可能。送電レーンのレイアウト変更も容易に対応し、安価に構築できる。
今回の実証では1台の電源回路で長い区間に電力供給できる電界結合方式によるワイヤレス給電床を採用し、ロボット稼働率の向上効果や送電ユニットの耐久性を検証する。同社によると、新たにワイヤレス給電床を応用する形で開発した壁側面から給電する方式では、ロボットが走行中に電力約70ワット消費するのに対し、ワイヤレス給電中は約100ワットを受け取ることができ、余剰分の約30ワットはバッテリーに充電される。その結果、ロボット走行路の約70%に送電壁を設置すると24時間無休で運転できる。
情報通信審議会(総務相の諮問機関)電波利用環境委員会の試算によると、ワイヤレス給電適用が有効と見込まれるロボット(受電システム)の施設分野別台数は工場20万台、物流72万台、商業30・6万台、建設1・8万台。送電システムは工場3万台、物流と商業各10万台、建設現場0・45万台。いずれも建設分野は現場での清掃用ロボットなどを想定している。
from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=167944
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