三井住友建設は超高層ビルの施工階で通信環境を容易に構築するシステムを開発し、有効性を確認した。タワークレーンと電力線搬送通信技術(PLC)、ソフトバンクが提供する次世代衛星通信サービス「Starlink Business(スターリンクビジネス)」を組み合わせて実現した。施工中の高層階でICTシステムが稼働できるようになり労務費や通信整備コストを削減。現場の常時モニタリングも可能になった。同システムで超高層ビル現場の働き方改革を推進していく。
同システムは特許出願中。スターリンクのアンテナをタワークレーンに設置して高層施工階で安定した通信環境を構築する。タワークレーンの旋回部と非旋回部の間に設置されている既存電力線用スリップリング(配線がねじれることなく電力や信号を伝達できる技術)を、電力線を通信回線としても利用するPLCによって通信ケーブルとして転用。タワークレーンの旋回に影響されず安定した通信確保を可能にした。躯体工事の進捗に合わせてクライミングするタワークレーンに付属しているため、常時最良の通信品質を確保する。
超高層ビルの現場は一般的に高さ100メートルを超えると携帯電話やインターネットなどの無線通信が届きにくくなり、工事関係者間のコミュニケーションが不通になるケースがある。従来技術では引き込んだ有線LANケーブルを頻繁に延長する工事も発生する。躯体工事の関係者は最上階で常時作業しており、施工管理に必要なICTシステムを利用する上で利便性に欠けていた。
三井住友建設は今後、IoTやICTを活用し超高層マンションなどの主要構造体に用いるプレキャスト(PCa)部材の生産管理を効率化、高度化するシステム「PATRAC」の機能もさらに充実させる。
from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=167995
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