東京都立病院機構が陽子線治療施設の整備事業に着手する。文京区にある駒込病院の敷地内に延べ約4700平方メートルの治療施設を建設し、2030年度中に治療を始める。事業は設計・施工一括(DB)方式で発注。落札者を25年5月に決める。建物の具体的な構造は落札者が設計を進める中で固める。事業の予定総額は185億8098万円(税込み、以下同)を見込んでいる。
陽子線治療は粒子線治療の一種で、がんの病巣だけに放射線を照射できる。大規模な施設が必要で、多額の整備コストがかかることから、国内で導入しているケースは少なく、都内でも未導入だった。
都立病院機構は「陽子線治療施設等整備事業」の一般競争入札(WTO対象、総合評価方式)を17日に公告した。現場見学会やサウンディング(対話)などを経て、25年3月24日に事業計画などの提案書を受け付ける。同5月に提案書を審査して落札者を決定する。
入札には設計や施工、工事監理、陽子線治療装置の調達・設置を行う者などで構成するグループでの参加を求める。建設業務と工事監理業務は、同じ事業者が兼務できない。代表企業には、都の「建設工事等競争入札参加資格」か「物品買い入れ等競争入札参加資格」を保有していることなどを求める。
陽子線治療施設は駒込病院(本駒込3の18の22)の敷地内北側に位置する駐車場に建設する。高さは10・5メートル以下にすることを求める。治療施設と駒込病院別館3階をつなげる幅2・7メートルの渡り廊下も造る。屋外駐車場や植栽、緑地なども整備する。
25年5月の落札者決定後は、同6月に基本協定、その後契約を結ぶ。設計と建設期間は民間事業者の提案を基に固める。陽子線治療装置の調達と据え付けは、30年度中の治療開始を念頭に置いたスケジュールを組むことを求める。調達・据え付けから1年間は落札者による保守期間とする。
事業の予定総額185億8098万円のうち、施設整備に114億3098万円、陽子線治療装置の調達・据え付けに71億5000万円を充てる。
都は3月に「都立病院粒子線治療施設整備計画」を策定。早ければ30年度に都立病院で粒子線治療施設の運用を始める方針を示していた。
from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=168101
via 日刊建設工業新聞
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