堺市は市内に点在する百舌鳥古墳群で世界遺産に登録済みの寺山南山古墳(西区上野芝町1)、収塚古墳(堺区百舌鳥夕雲町2)の保存と景観整備に向けた計画案をまとめた。計画期間は2025~34年度。23日に市内で開いた堺市百舌鳥古墳群等史跡保存整備委員会で「史跡百舌鳥古墳群整備基本計画(第2期)(案)」として提示し、大筋で了承を得た。
計画案ではまず両古墳の墳丘上の樹木整理を重点的に行い、古墳の稜線(りょうせん)を明確にする。特に寺山南山古墳は墳丘の形状が曖昧になっており、盛り土で墳丘を復元した後、地被類で保護する。墳丘上には埴輪(はにわ)や葺石を原寸大写真で復元展示し、訪問者が古墳時代の姿を体感できるような仕掛けも取り入れる。早ければ25年度に基本設計を行う。全体としては既存の解説板更新や整備済み周遊路の活用などを通じ、訪問者が古墳群の全体像をより深く理解できる環境を整える。
史跡百舌鳥古墳群保存整備計画は堺市の百舌鳥古墳群(対象古墳は全44基)を適切に保存し、後世に継承することを目的に18年に策定。第1期計画では御廟表塚古墳の保存・整備を実施した。3期以降の対象古墳は今後検討する。
23日の会合では委員から「古墳の保存と同時に地域との連携を重視するべきだ」との意見が相次ぎ、市は今後の整備段階で具体策を検討する方針を示した。上田一也歴史遺産活用部長は「第2期計画は古墳群を保存し活用する重要な取り組みだ。市民の意見も踏まえ、地域に愛される史跡にしたい」と話した。計画案は25年1月に市民意見募集を行った上で同3月の策定を目指す。
from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=168251
via 日刊建設工業新聞
0 comments :
コメントを投稿