2019年4月11日木曜日

【日本らしさやシンプルさを追求】新国立競技場、内部の細部デザイン最終決定

情報の庭内観パース
(大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JV作成/JSC提供)
日本スポーツ振興センター(JSC)が整備している新国立競技場のデザインが固まった。10日に開かれた記者会見で、設計を手掛ける大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JVの代表者が出席し、内装デザインや照明デザインについて最終段階の検討結果を明らかにした。

 ホスピタリティエリアの内装デザインと照明デザインを中心に見直しを行った。いずれも細部の微修正となる。隈研吾氏は「内装や照明についてはモックアップを製作し微調整した。万全を期して設計チーム全体で取り組んだ」と説明した。

 ホスピタリティエリアは、日本らしいシンプルな表現をさらに追求。木の量感を生かしたり和紙を使ったりしたデザインに見直した。VIPエントランスの柱は、木のルーバーから木練り付けの大和張りに変更。VIPラウンジの壁も木のルーバーを中止し、楮(こうぞ)の繊維が浮き立つような和紙クロス張りとした。VIPラウンジのソファは、最終的に座布団を折ったようなデザインに決めた。
VIPラウンジ内観パース
(大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JV作成/JSC提供)
照明デザインは、かつて渋谷川に集まっていた蛍をモチーフとした器具に変更した。長さ約3000ミリの蛇行する線状の照明ユニットを取り付け、蛍線(けいせん)を表現する。御簾(みす)をモチーフとした半透明のシェードも新たに採用する。

 新国立競技場の整備工事は11月末完成予定。既に屋根の鉄骨工事と仕上げ工事が完了し、内外装工事やフィールド工事など仕上げ段階にある。隈氏は「これまでにない日本らしい温かみのあるスタジアムとなる。皆さんに体験してもらいたい」と語った。
風のテラス~コンコース内観パース
(大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JV作成/JSC提供)

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