和製ハーブと呼ばれるキク科の多年草ヨモギ。この時期は新芽を摘んで、おひたしや草餅などで食べるとおいしい▼ヨモギは繁殖力が強く、独特の香りと鮮やかな緑色が特徴だ。おきゅうで使うもぐさの原料で、止血効果もあることから、薬草としても知られる▼この万能の野草は建設工事にも使われている。土と他の野草の種などと一緒にのり面へ吹き付け緑化する。成長が早く、地上部が枯れても、株が土の中で生息し続けるので土壌の固定に適しているという。ただ、成長が早く除草が大変という声も▼ヨモギは漢字で書くと「蓬」となるが、植物学者の牧野富太郎氏は『植物一日一題』(ちくま文芸文庫)で「艾(がい)と書くのが本当」とし、蓬は別の品種と指摘。アカザ科のハハキギのことで、中国の砂漠地帯で育つ植物としている。日本の学者が間違って使い、それが今も続いていると、手厳しい▼きょう24日は牧野氏の生誕(1862年)を記念した「植物学の日」だそう。94歳で世を去るまで、生涯を植物研究に費やし「植物学の父」と呼ばれた。この大型連休は野草を探し、近くの多摩川でも散歩してみるか。
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