宮城県が東日本大震災の復興のシンボルとして2011年度から事業を進めていた「気仙沼大島大橋」が完成し、7日に気仙沼市磯草の大島側で開通式が開かれた。離島と本土を結ぶ架橋事業は東北では初めてで、島民の利便性向上や観光の振興に加え、救急医療の搬送や災害時の輸送路として活用される。
今回開通したのは大島架橋整備事業として整備を進めている県道大島浪板線(延長約8キロ)の浪板橋~大島磯草間約5・5キロ。浪板橋~大浦間の0・6キロは現道を拡幅し暫定ルートとして供用した。
計画ルートは津波の浸水高を考慮した高さにしており、本土側に2本、大島側に3本のトンネルを整備した。本土側では国道45号と接続し、海上輸送からトラック輸送に変わることで物流コストの低減が期待される。
気仙沼大島大橋は橋長356メートル(幅員9・5メートル)の鋼中路式アーチ橋で、アーチ支間長297メートルは東日本で最長。東日本大震災で大島地区の住民が長期間の孤立を余儀なくされ、橋の必要性が再認識されたことから復興のシンボルとして整備を進めてきた。事業費は約60億円。施工はJFEエンジニアリング・橋本店・東日本コンクリートJVが担当。2014年11月に着工し、17年3月に上部工の架設が完了。同11月に本体工事が完成した。
引き続き、本土側の1キロ区間と大島側1・5キロ区間の整備を進め、20年度の全線供用を目指す。総事業費は270億円。
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