2022年9月21日水曜日

大林組/コンクリ圧送で先送りモルタル不要に、独自プラグで流動性維持

 大林組とエコスティック(埼玉県春日部市、出口秀夫社長)は、コンクリート圧送時の先送りモルタルが不要な「ノンモルタル工法」を共同開発した。コンクリートポンプ車の配管内を満水、密閉する先送りモルタルの代わりに、独自のプラグを採用し生コンの流動性を維持する。実証実験でコンクリ圧送の品質や施工性を確認した。これまで必要だった先送りモルタルの準備作業や、廃棄のための運搬作業がなくなり、コスト削減や生産性向上につながる。
 同工法は強力な摩擦抵抗と遮断力を持つゴム製の「圧送整流プラグ」(ボール状)と、同一内径で統一された段差のない「ハイブリッド配管」を組み合わせる。圧送整流プラグは配管抵抗が強く、疑似的に配管内を満水状態にできる。圧送整流プラグの後に生コンを流す。水やセメント、砂、砂利といった材料が分離することなく、生コンを圧送できる。
 ハイブリッド配管は接続部の伸縮やブームの揺れを防げるため、配管内が詰まらず高品質なコンクリートを打設できる。
 先送りモルタルの準備作業が不要で、生コン圧送がすぐに始められる。200メートル程度の配管打設で従来方法と比較した場合、打設開始が30分程度短縮できた。
 大林組は福島県いわき市の生コン工場敷地内で実証実験を実施。品質や施工性に問題がないことを確認し、開削道路トンネル建設工事に適用した。
 両社は今後、ノンモルタル工法を建設現場へ積極的に導入する考え。エコスティックは、ハイブリッド配管とハイブリッド配管を装備した特殊ポンプ車「ジェシカ」の販売、サポートを行う。
 ポンプ車で圧送する生コンは配管の詰まりを防ぐために、モルタルを先行材として使う。使用した先送りモルタルは産廃処分されるため、国内建設現場全体で年間60万立方メートルのモルタルが処分されているという。原料であるセメントの生産時に排出する二酸化炭素(CO2)量は、年間23万トンにも上っている。



source https://www.decn.co.jp/?p=146279

0 comments :

コメントを投稿