2022年9月1日木曜日

東京都/共同溝の大規模修繕推進、31年までに8カ所調査・設計へ

 東京都が都道の地下に埋設している共同溝の大規模修繕を推進する。主に大きな損傷がある八つの共同溝を対象に、2031年度までの10年間で補修・補強に向けた調査や設計のほか、工事などに着手する。初年度に当たる22年度は日比谷通りの地下にある芝共同溝(延長3150メートル)が対象。他の共同溝は優先順位を決めた上で順次着手する。予防保全型管理の考え方を取り入れ、長寿命化と工事費平準化、総事業費の縮減を図る。
 共同溝は電気ケーブルや電話線のほか上下水道管などのライフラインを集約・収容し、地下に埋設したコンクリート構造物。都は芝共同溝の修繕に向け電話線を管理するNTTと協議に入った。年度内に電話線を一時的に移設する。その後、電気ケーブルを管理する東京電力や上下水道管を管理する都の関係部局と協議。各管路を移設後、共同溝本体を工事する。延長約3000メートルと長いため、複数の工区を設定する予定だ。関係機関との調整を含め完了までに10年以上かかる見通しだ。
 都内には▽日比谷▽港▽芝▽靖国▽九段▽汐留▽淀橋▽新宿西口▽東池袋▽西池袋▽白山▽立川▽平山陸橋-の13の共同溝がある。高度経済成長期の1960年代から80年代に多くが建設された。使用開始から50年を経過する共同溝は20年度末で4施設だが、40年度末には11施設と、全体の8割に上る見込みだ。
 都は、5年に一度の定期点検で共同溝の健全度を把握している。損傷が大きいか、道路利用者への影響が懸念される共同溝を「ランク1」と判定。3月に策定した「共同溝予防保全計画」に基づき、今後10年間でランク1と判定された8共同溝(日比谷、港、芝、靖国、汐留、東池袋、西池袋、白山)で修繕のための調査や設計のほか、工事に着手する。
 ランク1の主な損傷は、コンクリートの浮きや剥離、鉄筋露出のほか、漏水など。修繕した後は5年ごとの定期点検などで検証。最新の補修技術を踏まえて優先順位や事業費を見直す。



source https://www.decn.co.jp/?p=145698

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