大林組は、トンネル工事で使用するシールドマシンカッタービットの摩耗状況を色と匂いで知らせる「摩耗検知ビット」を開発した。染料や香料を噴出する機構をカッタービット付近に集約。摩耗が進むと染料や香料を地山に噴出する仕組みで、掘削土砂に付着した色や匂いで摩耗状況を把握できる。シールドマシンから離れた位置でも、カッターの健全度を容易に確認できる。シールドトンネル工事に積極的に活用し、トラブルの未然防止につなげる。
摩耗検知ビットはカッタービットの摩耗量が設定値を超えると、染料と香料が噴出する。染料には蛍光塗料を、香料の溶媒にエタノールなどの有機溶剤を使用。色や匂いを確認するための機器は不要になる。ベルトコンベヤーやずり鋼車上にUVライトを照射した画像を分析したり、坑内の空気中に含まれる有機溶剤の成分を計測したりすれば、機械を使った確認も可能となる。
摩耗検知ビットを装備するためのケーブルや配管は不要。噴出機構を多数装備でき、多くのカッタービットの摩耗状況を把握、評価る。装備場所や摩耗量の設定値に応じて、異なる染料や香料を使用すると排出される色や匂いから、異常のあるカッタービットの位置と摩耗量を区別できる。
一般的に摩耗状況の把握は電気の導通により把握する導通式や、油圧の低下で把握する油圧式の摩耗検知ビットを採用している。ただ摩耗情報をシールドマシン内に伝達するためのケーブルや配管が必要になる。小口径シールドマシンでは、配置スペースの制約から摩耗検知ビットを多数装備できない。ビットの摩耗が想定以上に進行しカッタービットやカッターの損傷で掘進不能となるケースもあった。
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