水資源機構が栃木県鹿沼市内で建設している「南摩ダム」の堤体盛り立てが28日に100万立方メートルを突破した。今後1次・2次盛り立て、遮水壁打設などと続き、2024年度の試験湛水を目指す。南摩ダムの型式はコンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム(CFRD)。近代的な施工方法を用いる本格的なCFRDは国内で初めて。ICTを導入し施工効率を高める取り組みが注目され、全国から多数の視察が訪れる現場となっている。ダム本体の施工は大成建設が担当している。
南摩ダムは洪水調節や水道用水の供給などを目的とした思川開発事業として整備する。堤体をロック材で盛り立て、上流側を被覆するコンクリートフェーススラブが遮水機能を担うCFRDとなる。
28日時点で、ダム本体の盛り立ての進捗(しんちょく)率は44・1%(ブランケット部除く)。ダム下流側からダム堤体の構築を進める1次盛り立てを実施中。併せて遮水壁のへり部分に当たるRC造の「プリンス」の構築や、止水ラインとなる基礎岩盤部へのグラウチングの施工も進む。
現地では、原石山からダムサイトを結ぶ2・5キロの専用道路を最大13台の55トン級ダンプトラックと40トン級アーティキュレートダンプが休みなく走る。ダンプの位置情報はWi-Fiを使って常時監視し、効率的な土砂運搬を可能にしている。
南摩ダムは完成すると、堤高86・5メートル、堤頂長359メートル、堤体積約240万立方メートル(ブランケット部含む)。総貯水量は5100万立方メートルとなる。思川最上流部に建設されるが、導水・送水管を使って鹿沼市内を流れる黒川、大芦川と結ばれ水を融通し、利水や渇水時の対応を最大限に効率化できる。
本体工事のほか、奥村組が送水路トンネル(約4キロ)、鹿島が導水路(約9キロ)と取水・放流工(2カ所)の整備を進めている。
source https://www.decn.co.jp/?p=146547
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