2024年11月18日月曜日

西松建設/設計・施工案件でBIM活用を加速、S造物流施設で全面展開目指す

 西松建設は、設計や施工を手掛ける国内建築プロジェクトでBIM活用を加速する。作業の品質や生産性を高めるとともに、発注者との合意形成を円滑化するツールとして他社とのさらなる差別化や競争力向上を図る。まずは同社が得意分野とするS造の物流倉庫に重点化。設計・施工一括(DB)で受注する案件のうち、2024年度に設計着手する全プロジェクトで施工も含め全面展開を目指す。S造のオフィスビルやRC造の共同住宅や寮、中大規模の木造建築物にも拡大していく。
 建築事業本部内にBIM関係の組織を集約した「デジタルコンストラクションセンター」を4月1日付で立ち上げた。設計BIM、建築生産設計、設備生産設計、施工BIMの4課で組織する。担当者は狙いについて「社内でBIMに関する窓口をより明確に一本化した」と話す。
 これまでにBIMを活用し設計段階での施工検討や納まり検討といったフロントローディングの仕組みを構築し、発注者への提案力強化に努めている。今後は施工計画、施工管理の精度をさらに向上。数量算出や検査での活用、遠隔化や自動化を見越したICT建機とのツール連携など、BIMのデータ活用に着目した実務レベルでの活用を推進する。
 BIM活用を先行するS造物流施設では、23年度に同社が設計を手掛けた全12件でBIMを活用したものの、生産設計では8件で展開し施工での全面活用には至っていない。今後はDBで受注する全プロジェクトでBIMの全面展開を目指す。
 BIM活用の対象用途も拡大する。例えば中大規模の木造とS造のハイブリッド建築では、集成材の柱や梁と鉄骨部材の接合部など精緻な図面確認が必要になる。従来は2次元で行っていたが、BIMによる総合的な管理システムを構築する。
 西松建設は23年5月に発表したDXの将来像「西松DXビジョンver2・0」の一環として、さまざまな業務で社員一人一人のBIM活用を推進する。建築プロジェクトでは超高層建築への活用も視野に入れる。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=168996
via 日刊建設工業新聞

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