2024年11月11日月曜日

水資源機構/南摩ダム(栃木県鹿沼市)で試験湛水、施工は大成建設・25年3月完了

 水資源機構が栃木県鹿沼市で建設を進めている南摩ダムで8日、試験湛水が始まった。周辺河川が渇水した場合の水量補給と下流域への洪水調整機能を持ち、総貯水容量は約5100万立方メートル。ダム本体の施工は大成建設が担当し、2025年3月の工事完了を目指す。試験湛水はダムへ注ぐ利根川水系・南摩川の水をせき止める閉塞(へいそく)ゲートを締め切り、26年度まで行う予定だ。
 南摩ダムは「思川開発事業」として建設され、堤高86・5メートル、堤体積約240万立方メートル。工期短縮を目的にコンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム(CFRD)を採用し、降雨時には南摩川への流量を抑制する。同時に南摩川や周辺を流れる大芦川、黒川へと水を相互融通し渇水対策に貢献する。
 試験湛水ではダムに注ぐ南摩川の流れを切り替えるために設けた仮排水路トンネルに鋼製ゲート(幅4・2メートル、高さ5・1メートル)を締め切って行った。ダム底から約80メートルの高さに位置する洪水時最高水位まで水を張って安全性を確認する。試験期間は26年度までを予定する。黒川や大芦川からの水をためる導水路など関連工事を27年3月に終える予定だ。
 同日は水資源機構や大成建設の職員ら関係者約100人が出席。約10分かけてゲートを閉め切った後、工事の無事完了を記念して関係者が万歳三唱を行った。同機構の長谷見智久思川開発建設所長は「利水者や施工を担当した大成建設を含む関係者の尽力で試験湛水を迎えることができた」と感謝の意を表した。
 思川開発事業は1969年に開始した。総事業費は約2100億円を見込む。ダム建設では住民約80世帯(300人)が移転している。同機構が新規でダムを建設するのは南摩ダムが最後という。




from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=168796
via 日刊建設工業新聞

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