2024年11月15日金曜日

主要ゼネコン25社/24年4~9月期決算、17社増収・13社営業増益

 主要ゼネコンの2024年4~9月期決算が14日に出そろった。決算発表日を延期した奥村組を除く25社の連結売上高は、手持ち工事の順調な消化によって増収が目立った。資材価格や労務費が高止まりするものの、本業のもうけを示す営業利益は受注時採算の改善や選別受注の徹底で13社が増益。工事の採算性を示す単体の完成工事総利益(粗利益)率は公表22社のうち15社が前年同期を上回り、底打ち感の出ていた建築の粗利益率も回復基調が見られた。
 連結売上高は17社が増収した。鹿島や大林組、大成建設、インフロニア・ホールディングス(HD)、五洋建設、安藤ハザマなどが上半期として過去最高を更新。大型案件を含む手持ち工事が順調に進捗した。減収となった社の多くは前年同期とほぼ同水準を維持した。
 営業利益は、主にコスト上昇分が転嫁された建築工事の採算改善が増益に寄与。多くのゼネコンが民間発注者の理解が進んでいると実感している。引き続き受注時採算や選別受注をより徹底することで利益確保を最優先する。
 単体の粗利益率は、前年同期に比べ4社多い9社が二桁を維持。底打ち感のあった建築の粗利益率は15社が上向いた。三井住友建設は国内大型建築工事で追加損失を計上し赤字に転じたものの、同案件を除く建築全体で7・3%と前年同期から2・7ポイント上昇した。
 業績の先行指標となる単体受注高は13社が増加した。多くのゼネコンが今後も防災・減災、国土強靱化対策、防衛施設などの公共投資とともに、工場やデータセンター(DC)、物流施設といった民間設備投資が堅調に推移すると見る。
 手持ち工事は今後1~2年で適正な利益や工期が確保された案件に入れ替わり、本格的な回復基調に入る見通し。ただ設備工事を念頭に「サブコンを含め供給力確保がポイントになる」(インフロニアHD)として、多くのゼネコンは施工能力に応じた無理をしない選別受注の継続方針を打ち出す。持続可能な産業として発展するためにも、引き続き適正な利益や時間外労働上限規制を順守するための工期確保を追求していく。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=168908
via 日刊建設工業新聞

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