2024年11月29日金曜日

東鉄工業/協力会社の事業継続へ支援強化、単価引き上げや技術研修で人材確保後押し

 東鉄工業の前川忠生社長は28日、協力会社の事業継続に向けた支援を一層強化していく方針を明らかにした。人材の確保を目的とした単価の引き上げや技術研修を通じ、働きやすい労働環境の整備を後押しする。同日に東京都内で開いた2024年4~9月期の決算説明会で「実際に働く作業員の賃金アップや待遇改善によって、作業量を確保していく」と話した。
 線路保守に携わる協力会社はコロナ禍を契機に離職者が増加し、人手の確保が課題になっている。前川社長は「協力会社の体制を維持・強化していくことが、鉄道インフラを守るわが社の社会的使命だ」と指摘。作業員のスキルアップを目的とした研修のほか、一時金の支給や単価の引き上げを行う方針を示した。
 主要な発注者のJR東日本と協議を重ね、3年連続で単価を引き上げている。上昇分は協力会社の作業員への還元に充てる考えで「ほぼ大半の会社で、JR東日本から単価改定した額に近い分だけ作業員の給料が上がっていることを確認している」と説明した。
 待遇改善の効果として、協力会社の離職率がコロナ禍前の水準まで低下傾向にあると説明した。採用も高校卒の応募者が増えるなどして、コロナ禍前の半分以上まで回復しているとの見方を示した。各社が人材獲得に向けた競争を行うことで「業界全体の作業員の単価が上がり、新規採用につながる好循環になるのではないか」と分析した。
 協力会社の支援強化に伴う支出の増加分は、自社の技術開発や作業の機械化によるコストダウンで補っていく方針だ。発注者との価格協議でも、機械の移動費や減価償却費などを考慮するよう求める。
 業界全体で機械化を進めるため、協力会社が技術開発の成果を線路メンテ事業者と共有する「機械作業技術交流会」も定期的に開催していく。「協力会社と一体となって技術開発し、少子高齢化による人員不足に対応していく」と説明した。




from 企業・経営 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169336
via 日刊建設工業新聞

0 comments :

コメントを投稿