2014年11月7日金曜日

東北整備局/津波観測情報をメール配信/岩手県宮古市ら4市と協定締結

 東北地方整備局は、GPS波浪計でとらえた津波観測情報を沿岸自治体に電子メールで配信する取り組みを開始した。東北の沖合で30センチ以上の津波が発生した際に、自治体のメールサーバー宛に自動で津波情報を送信する体制を整えた。同局はメールでの配信を始めるに当たり、岩手県宮古市、釜石市、大船渡市、宮城県気仙沼市との間で協定を締結した。
 同局は昨年3月にGPS波浪計を利用して波の動きを捉える「東北地方津波防災支援システム」を構築し、ウェブで津波の観測情報を公開していた。今回、津波情報を電子メールで配信する仕組みを整えたことで、住民がより素早く避難行動に移れるようになる。
 東北の沖合には10基(太平洋側7基、日本海側3基)のGPS波浪計を配備している。これらの計器が捉えた津波情報を沿岸自治体の防災担当者のパソコンなどに電子メールなどで伝達し、沿岸住民に迅速な避難行動を促す。
 GPS波浪計の観測潮位差が30センチを超えた場合に、気象庁の津波注意報・警報と連動し自治体のメールサーバーに情報を送る。試験配信の結果、波浪計が津波を感知してから60秒程度で情報を伝えられることを確認した。
 同局は昨年12月、システムの信頼性を高めるための検討業務を沿岸技術研究センターに委託。情報配信機能の補強や自治体をバックアップする体制の検討などを行った。今後も信頼性を高めるための技術的な検討に取り組むとしている。

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